計3度の全国制覇を誇る日大三
西東京の高校野球強豪校と、実績十分のライバル校を紹介。地区の特徴として、実績があったり歴史が深かったりする高校がたくさんあることが挙げられる。その中でも、特に夏の甲子園出場が有力視されている高校を紹介する。
日大三は過去10年で4回、夏の甲子園に出場し、2011年に優勝、2018年にもベスト4入りするなど全国的な強豪として知られている。春夏トータルで37回甲子園に出場しており、計3度の全国制覇を誇る。
日大三の特徴は地獄の冬合宿である。朝5時に起床し、5時半からウォーミングアップ。6時に練習を開始し、4度の食事(朝食、昼食、補食、夕食)をはさみ21時30分の就寝まで練習が続く。そんな生活が2週間続くのだ。
練習の最終日には選手が手をつなぎ涙を流しながら走るという、古き良き野球部の伝統を受け継いでいる。ただ厳しいだけでなく不調そうな選手には優しく声をかけるなど時代に合わせた指導もしている。これまで40人以上のプロ野球選手を輩出してきた名門が、再び全国の頂点を目指す。
屈指の名門・早稲田実業
日大三のライバルとして、また甲子園ファンの間でも名高いのが早稲田実業である。過去10年の夏の西東京大会で優勝2回、準優勝2回の名門だ。甲子園に出場した2回はそれぞれベスト4と3回戦に進出。春夏それぞれ20回以上の甲子園出場経験を誇る、全国でも有数の強豪校である。
そんな早稲田実業だが、2019年の秋季大会は部員の不祥事で辞退している。詳細は発表されていないが、こういった出来事はチームの士気をさげてしまう。過去4年、夏の甲子園に出場していない早稲田実業。この事態を乗り越えて、西東京の強豪として輝きを取り戻してもらいたい。
元プロ監督率いる東海大菅生
過去10年の夏の西東京大会で4回の決勝進出、2回のベスト4入りを果たしているのが東海大菅生である。また、夏の甲子園には過去に3度出場し、2017年にはベスト4に食い込むなど、全国でも戦える実力校だ。前述の2校と比べるとまだまだ実績的には物足りないが、戦績は劣っておらず実力的にも肩を並べているといえるだろう。
そんな東海大菅生の監督は、元中日ドラゴンズ投手の若林弘泰氏である。若林氏はプロと高校野球の差をしっかりと把握した上で指導を行い、チームを西東京の強豪に育て上げた。特にコミュニケーションを大切にし、自ら選手に歩み寄ることでチームを一つにしたのである。
甲子園出場後も2年連続ベスト4と、一定の成績を収めている東海大菅生。名だたる強豪を撃破し、3年ぶりの甲子園出場を果たすか注目だ。
文武両道の国学院久我山
2019年、夏の甲子園に出場した国学院久我山。過去の実績をみてもベスト8の常連であり、地区内上位の高校だ。甲子園の舞台では、初戦で群馬の強豪・前橋育英を7-5で破り高校野球ファンを驚かせた。
そんな国学院久我山は、文武両道を掲げている。偏差値は71。私立の名門として都内でも有数の進学校だ。スポーツ推薦でもそれなりの学力が求められ、練習時間は平日、土日関わらず3時間以内とかなり限られる。また、練習場所はサッカー部と併用で、火曜日から金曜日は全面を使うことができない。
そんな中で選手たちに考える練習を指導し、短時間で効率的な練習を工夫したのが尾崎直輝監督である。どんな野球がしたくて、選手になりたいのか。そして、どんな人間になりたいのかを常に考えさせることで、限られた時間をしっかりと使い切る練習を重ねている。
2019年に夏の頂点に立ったことで、2020年は各チームから警戒されるだろう。その中で連覇を成し遂げられれば、強豪校として認められるはずだ。
春に強い国士舘
2年連続で秋季大会を制し、春の選抜に選ばれたのが国士舘だ。夏は過去10年で5回のベスト8、うち2回がベスト4と好成績を残しているが、無類の強さとまでは言えない。
2019年の秋季大会では、準々決勝で日大三を破った東東京の強豪・帝京との決勝戦に勝利。夏の甲子園出場は1995年の1回のみだが、春の選抜出場は10回となった。春の舞台で好成績を残し、勢いに乗れば2回目の夏の甲子園出場も見えてくる。
他にも創価、八王子、日大鶴ケ丘など強豪ズラリ
西東京には他にも、2019年準優勝でベスト4常連の創価、2016年優勝の八王子、2018年に準優勝し2019年もベスト8入りの日大鶴ヶ丘など、実績十分の高校が揃う。
日大三や早稲田実、東海大菅生が筆頭候補ではあるものの、どこが優勝してもおかしくない状態である。果たして群雄割拠の西東京を制し、甲子園の舞台に進むのはどの高校だろうか。