クリスティアーノ・ロナウドの退団、年俸ランキング争いも終止符か
これまでクラブの成績や個人の得点数など様々な分野で上位争いをしてきた、リーガ・エスパニョーラのリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド。
今回比較するのは年俸金額だ。金額の大小が各々の才能を表すわけではないのだが、リーガ屈指のライバルと目されている以上、あらゆる面で比較されてしまう。しかし、この様々な争いもロナウドがユヴェントスFC入りしたことで終止符が打たれたと思われる。
今回は英国メディア『SOCCER LADUMA』の報道をもとに、リーガの年俸ランキングTOP10の選手と金額、その動向を紹介していく。なお、1ポンドは約147円で換算。同率の場合も同メディアの報道にしたがってランク付けを行っている。
1位 バルセロナのリオネル・メッシは約38億2700万円
アンドレス・イニエスタがバルセロナから退団したことで、一層存在感を強めたFCバルセロナ所属のリオネル・メッシ。神の子と呼ばれた彼は、約2600万ポンド(約38億2700万円)を稼いでいる。
もはや説明する必要もないサッカー界の大スターは30代を迎えてもなお、さらなる高みへと歩を進め、最高のパフォーマンスを維持している。2018-19シーズンからはロナウドがいなくなり、リーガは彼の独壇場となるかもしれない。CLでは3連覇を続けるマドリーにストップをかけられるかに注目が集まっている。
2位 レアル・マドリードのギャレス・ベイルは約27億円
一時は中国リーグへの移籍も噂されたレアル・マドリードCF所属のギャレス・ベイルは、約1820万ポンド(約27億円)を稼いでいる。
ロナウドの退団により移籍の噂も立ち消え、今はロナウドの代わりにゴールを量産することと、クラブのエースとしての自覚が求められている。負傷の多いベイルだが、ルーズボールを拾いに行くスピードやカットインする際のキレあるドリブルとポテンシャルは世界最高峰だ。ウィンガーとしての能力はロナウドよりも上だろう。
リーグで安定して出場を重ねながら、新しいエースにふさわしい活躍を見せてもらいたい。
3位 バルセロナのルイス・スアレスは約22億2000万円
バルセロナ所属のルイス・スアレスは、約1508万ポンド(約22億2000万円)を稼いでいる。
MSNを築いていた頃のバルセロナは、対戦相手からのマークをずらしにずらし、3人それぞれがゴールを量産していた。しかし、ネイマール退団後もスアレスの貪欲さに陰りはみられない。ネイマールがいなくなってからはターゲットマンとしてボールを保持し、味方の攻撃へ“確実に”繋げようという姿勢がうかがえる。つまり今のバルセロナは数少ないチャンスでも的確にゲームを組み立て、それをものするだけの攻撃の鋭さが備わった。
加齢によるスピードの衰えが見られるようになってきたが、スアレスにしかできないことはまだまだ多い。幾重にも複雑な技巧が絡み合うバルセロナの攻撃は、並大抵のストライカーでは務まらない。
4位 レアル・マドリードのトニ・クロースは約15億3000万円
レアル・マドリード所属のトニ・クロースは、約1040万ポンド(約15億3000万円)を稼いでいる。ロシアワールドカップでは辛酸をなめたが、それで彼のキャリアに傷がついたわけではない。
マドリーでは至極順風満帆な日々を過ごしており、まだまだ最前線でプレーできる選手だ。彼のロングパスに確実に反応できるゴールゲッターがいなくなったとも言えるロナウドの退団は、マドリーにとって痛手になったはず。
しかし、長いパスだけが売りではないクロースのショートパスは、「精密機械」「ミスター100%」とも呼ばれており、ゲームを中盤から支えることができる。今後もマドリーの根幹を支える選手として活躍してもらいたい。
5位 レアル・マドリードのセルヒオ・ラモスは約15億3000万円
レアル・マドリードのキャプテンにふさわしい選手とも言えるセルヒオ・ラモスは、約1040万ポンド(約15億3000万円)を稼いでいる。
闘争心をむき出しにしたようなプレーは常に味方を鼓舞し、ここぞという場面で勝利を引き寄せてきた。DFでありながら得点力も兼ね備え、2017-18シーズンもリーグ4得点を記録。マドリーの守備と攻撃の両方で欠かせない存在である。
DFとしてはなかなかの高給取りだが、それを支払うだけの価値は十分にある。
6位 バルセロナのフィリペ・コウチーニョは約15億3000万円
アンドレス・イニエスタの後継としてバルセロナにやってきて、約1040万ポンド(約15億3000万円)を稼いでいるフィリペ・コウチーニョはシーズン途中の加入であったため、彼にとっては2018-19シーズンこそが本当のスタートとなるだろう。
バルセロナでのキャリア終盤は、黒子に徹していたイニエスタ。それに対し得点力があるため、もっと前に出ても問題がないコウチーニョ。彼がメッシやスアレスでさえゴールを奪えないような状況を打破してこそ、バルセロナが獲得した価値があるというものだ。年俸だけでなく210億円超えといわれる移籍金にも見合う活躍が求められる。
7位 アトレティコ・マドリードのアントワーヌ・グリーズマンは約15億3000万円
ロシアワールドカップでは見事優勝を果たし、今最も勢いに乗った選手といえるアトレティコ・マドリード所属のアントワーヌ・グリーズマンは、約1040万ポンド(約15億3000万円)を稼いでいる。
W杯でも見られたように純粋なゴールゲッターだけでなく、中盤での組み立てにも参加できることを示したグリーズマン。今夏のアトレティコはジェルソン・マルティンスやトマ・レマルなどアタッカー陣を大型補強したこともあり、グリーズマンと巧みに連携しながらのゴールショーも増えるかもしれない。
リーガきっての大スターであるメッシを追い越すような活躍に期待したい。
8位 レアル・マドリードのルカ・モドリッチは約13億8000万円
ロシアワールドカップではクロアチア代表を準優勝に導き、個人ではゴールデンボール(MVP)を獲得したレアル・マドリード所属のルカ・モドリッチ。彼は約936万ポンド(約13億8000万円)を稼いでいる。
8下旬にはUEFA最優秀選手賞、9月下旬にはFIFA最優秀選手賞を獲得し、この夏最も評価が高まった選手だ。マドリーではトニ・クロースとタッグを組み、エレガントなプレーを連発している。
一時はインテルナツィオナーレ・ミラノ入りが噂されたが、マドリーがこれを徹底的に否定。不当な接触があったとしてインテルを訴える騒動にまで発展した。つまりはそれだけモドリッチが、マドリーに欠かせない存在だということだ。モドリッチの側も「レアル・マドリードでは幸せではない。とても幸せだ」と語っており、相思相愛の関係を築いている。
9位 バルセロナのセルヒオ・ブスケツは約13億8000万円
約936万ポンド(約13億8000万円)を稼いでいるバルセロナ所属のセルヒオ・ブスケツ。
バルセロナではリオネル・メッシやジェラール・ピケなどと同様、”勝手知ったる” バルセロナの古参だ。2008年のトップチームデビュー以来攻守のリンクマンとして機能し、バルセロナの攻撃を影から支え続けている。イニエスタ退団後は第2主将としてメッシを支える存在でもある。
昔からのバルサイズムを知る貴重な選手として、ブスケツの存在感はまだまだ高まっていくことだろう。
10位 バルセロナのアルトゥーロ・ビダルは約12億6300万円
約858万ポンド(約12億6300万円)を稼ぎ、ユヴェントスやFCバイエルン・ミュンヘンでオーガナイザーとしてプレーしてきたバルセロナ所属のアルトゥーロ・ビダル。
戦いの舞台をバルセロナに移しても、ユーティリティ性に優れる彼なら問題なくプレーできるはずだが、これだけ各国の名門を渡り歩ける選手も稀だ。
加入にはパウリーニョの再度の中国移籍も影響しており、ビダルには彼を上回るような働きが求められる。サポーターの間では「プレーよりも私生活が心配」との声もある。
偉大な選手の退団、変化の生じる存在意義
2018-19シーズンのリーガにはクリスティアーノ・ロナウドだけでなく、アンドレス・イニエスタもいない。
リーガを代表してきた2選手の退団は、今回紹介した多くの選手の存在意義に影響を与えそうだ。ある者は彼らと同等かそれ以上のリーダシップを求められるだろう。また、新たなチャンスを得る者もいるだろう。
彼らがリーガで見せてくれるプレーや動向などに今後も注目しながら、新しいスターの登場にも期待したいところだ。