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C・ロナウドのユベントス移籍がサッカー界に与える3つの影響

2018 7/24 11:00SPAIA編集部
クリスティアーノ・ロナウド,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロナウドの新しい挑戦

9シーズンの間レアル・マドリードCFで戦ったクリスティアーノ・ロナウド。438試合451ゴール、3連覇を含む4回のCL制覇、バロンドール4回の受賞など、マドリードでありとあらゆる栄冠をつかんだ。 「人生で新たな時代を開く時が来た」と語ったロナウド。彼は新しい場所で新しい栄誉を得るため、ユヴェントスFC移籍を決断した。

世界最高峰の選手の一人であるロナウドが新天地に移ることでサッカー界にはどんな影響があるのだろうか。

前代未聞の玉突き移籍が起こる?

マドリードの柱であったロナウドの移籍は、サッカー界の玉突き移籍を引き起こす。 それはこれまでにない大規模なもので、100億円以上の移籍が立て続けに起こる可能性すらある。

ネイマール、エデン・アザールなどは彼の後釜筆頭候補だ。移籍金は200億円を下らないだろう。彼らの所属元はそれを簡単に許しはしないだろうが、実現してしまえば今度はその後釜探しに動かなくてはならない。そしてその後釜探しがまた別の後釜探しをといった形で連鎖する。この連鎖は移籍金の額が縮小するか、どこかのクラブが泣きをみるまで続く。

ロナウド1人の移籍が複数のクラブの混乱と大型移籍を多発させるのだ。

FFPで苦しむセリエA、ユヴェントスの選手はどこへ

セリエAの名門クラブは苦しい財政と伸び悩む成績の間で立ち往生している。

ACミランとインテルナツィオナーレ・ミラノはアジア資本を導入することで改善を図ったが、今度はクラブの移籍金や人件費によって生じた支出が営業利益超えてはならないとしたFFP抵触でやはり苦しんでいる。

多額の資本導入、それを元手にした多額の支出には、UEFAの主催試合出場権のはく奪や登録人数の制限など厳しい制裁というリスクがつきまとう。パリ・サンジェルマンやマンチェスター・シティはスポンサー収入と言う抜け道を使うことで回避しようとしたが、そこには疑惑が取りざたされている。

まっとうに回避するには収支の帳尻を合わせるしかなく、高額な年棒となるベテランや有望な選手を手放す必要に迫られる。復権を狙う名門の雲行きは依然として怪しい。

国内で盤石の地位を築き安定した経営を行うくユヴェントスもFFPからは簡単には逃れられない。

ロナウド獲得に要した約130億円は価値のある出費だが、決して簡単に支払える金額ではない。移籍金は「ユヴェントスお得意の…」とも揶揄される分割払いで支払われ、2019-20年シーズンの調査まで猶予が発生するが、2018-19シーズンから適用されるFFP2.0により、今夏の移籍市場で1億ユーロ以上の赤字を出した場合は、FFPに抵触していないか直ちに精査される。

FFP違反による制裁回避のためには早急に帳尻合わせを行う必要があり、そのために、ゴンサロ・イグアイン、ミラレム・ピアニッチなどユヴェントスを支えてきたベテラン選手、パウロ・ディバラやダニエレ・ルガーニといった有望株が放出される可能性が高い。

ユヴェントス選手たちは偉大な選手の到来に胸を躍らせているが、その到来によって彼らの去就は不透明になった。

「禁断の移籍」再燃。終わらないネイマール獲得の噂

ロナウドの後釜候補には複数の選手が挙げられるが、そのなかで最もネームバリューを持つのはやはりネイマールだろう。

2017年夏にバルセロナFCからパリ・サンジェルマンFCに移籍したネイマール。PSGで王様のごとく振る舞う彼には、移籍の噂は常についてまわる。そもそもPSGへの移籍は「バルセロナ→マドリード」という最悪のシナリオを回避するためのもので、「踏み台でしかないのでは?」とみる声も少なくない。

しつこいメディアの報道に嫌気が差したのだろうか。2018年7月、マドリードは公式声明で「ネイマールにオファーを出す予定はない」と発表。しかし、これでも報道が止まることはない。クリスティアーノ・ロナウドの後釜にネイマールや他の有名選手が挙がったことで再燃、まだまだ報道は続く。