清武弘嗣のこれまで
先日の代表戦で活躍をみせた清武弘嗣は、大分県出身だ。大分トリニータのユースチームからトップチームに昇格し、1年目からスーパーサブとして起用されたということもあって、当初から注目されていた。
知名度が一気に上がったのはセレッソ大阪に加入してからだった。後継者として香川真司から4人しかつけたことのないエースナンバー8番を引き継ぎ、クラブを率いた。ちなみに清武の後は柿谷曜一朗が引き継いだ。
日本代表には2011年からコンスタントに選出されており、2012年のロンドン五輪で活躍した後にドイツへ移籍した。
スペイン南部を代表する都市セビリアにあるセビージャFC
清武の加入が決まったセビージャFCはスペイン南部アンダルシア地方の都市セビリアにある。地中海性気候なので、夏は太陽が降り注ぎ雨はほとんど降らない。セビリア大聖堂やスペイン広場といった観光名所のほか、闘牛やフラメンコの本場としても人気が高い観光都市だ。
現地では「セビリア」ではなく「セビージャ」と発音するため、日本ではセビージャFCと呼んでいる。同じ街にライバルのレアル・ベティスも存在するため、この両クラブによる戦い「セビリアダービー(アンダルシアダービー)」はスペインで最も熱いダービーマッチと呼ばれている。
世界最強リーグ リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)
リーガ・エスパニョーラを代表するクラブはレアル・マドリードとFCバルセロナだが、近年はこの2クラブにアトレティコ・マドリードを加えて「BIG3」と呼んでいる。
しかし、強いのは「BIG3」だけではないのがリーガ・エスパニョーラの奥深いところ。チャンピオンズリーグに出場できないクラブやリーグ中堅チームの大会であるヨーロッパリーグでも、過去10大会中6回はスペインのクラブが優勝している。そして、そのうち4回はセビージャFCが優勝している。またクラブ別優勝回数も最多の5回と、近年のセビージャFCはヨーロッパの大会で最も結果を残しているのだ。
世界で最も商売上手とよばれるセビージャFC
セビージャFCは現在スペインが不況ということもあり、ヨーロッパで成績が同レベルのクラブに比べ資金にあまり余裕がない。そのようなクラブが好成績を残せているのは戦術的質の高さはもちろんだが、スポーツディレクターであるモンチ氏の存在が大きく影響している。
モンチ氏の選手を見る目は確かで、非常に優れている。実際、スペイン代表のキャプテンを務めるセルヒオ・ラモスやブラジル代表のダニエル・アウベス、クロアチア代表のイヴァン・ラキティッチのようにセビージャFCで成長し、世界のビッグクラブに移籍していった選手は数えきれない。
清武選手はどれぐらい期待されているのか
清武は移籍金650万ユーロ(約8億円)でドイツのハノーファーから移籍する。移籍金は元のクラブと契約解除する違約金のようなものだ。つまり、セビージャは給料とは別に650万ユーロをハノーファーに支払い、清武との契約をまとめた。
セビージャが清武の獲得に動いたのは、アルゼンチン代表のバネガや元スペイン代表のレジェスらの移籍が決定したからだ。モンチ氏が彼らに代わる選手として清武獲得に動いたということは、かなり期待が大きいと考えられる。
セビージャはこれまで清武が所属してきたどのクラブよりも格上だ。レベルが高いスペインリーグでは、プレーしてきたドイツや日本のサッカーとは違い戸惑う事もあるだろう。しかし、モンチ氏が目をつけた才能と活躍できるだけのポテンシャルは十分にあるはずだ。