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イニエスタのいないバルセロナ 起こりうる4つの変革

2018 5/11 15:00dai06
アンドレス・イニエスタ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

変わるバルセロナ

2017-18シーズンを最後にアンドレス・イニエスタがバルセロナを去ることが決定した。イニエスタのいなくなったバルセロナはどのように変わり、どのように戦っていくのだろうか。

「主将」「後継者」「ポジション争い」「下部組織の行く末」。起こりうる4つの変革を考える。

クラブの象徴!リオネル・メッシが新主将へ

シャビ・エルナンデスが去った後、アンドレス・イニエスタはFCバルセロナのキャプテンとしてクラブを支えてきた。

彼が世界から評価されてきたのはそのプレーの美しさだけでなく、世界最高峰のクラブであるバルセロナを精神的な面でもサポートしてきたからだ。

そんなイニエスタの後を引き継ぐのは、やはりリオネル・メッシだろう。

イニエスタと同じくバルセロナで多くの時を過ごし、サッカー史上最高の選手の1人であるメッシ。すでに副キャプテンとしてチームをけん引するメッシはクラブの象徴であり、バルセロナの魂そのものである。近年のイニエスタは黒子としてのプレーに徹していたが、メッシはまずプレーで味方を鼓舞するはずだ。メッシのドリブル、パス、シュートはどれも破壊力があり、彼がいる限りバルセロナはこれからも勝利を手にする。チームメイト、フロント、サポーター、周囲の支持を一身に受けるメッシのキャプテン就任を疑うものはいない。

イニエスタの穴を埋める?フィリペ・コウチーニョの存在意義

アンドレス・イニエスタはバルセロナの中盤として機能してきた。ボールを持たせれば柔らかなタッチとターンでプレスをかいくぐり、針に糸を通すようなパスでいくつものチャンスを生む。優れた才能を持ちつつも決して主張し過ぎず、淡々とプレーをこなす姿は敵味方を問わず多くの支持を集めている。

イニエスタが30代を越え、バルセロナは彼の後継者を探すことが至上命題となった。その答えはなかなか見出だせずにいたが、2018年1月になってリヴァプールFCからフィリペ・コウチーニョを獲得した。 彼の獲得こそ、バルセロナが見出した答えであり、コウチーニョの存在意義といえる。イニエスタ同様にドリブルとパスのスキルに長け、強力なロングシュートやFKも彼の持ち味だ。

バルセロナに加入してから出場した15試合では3ゴール5アシストを記録。前線にメッシとルイス・スアレスという点取り屋がいるため、イニエスタが健在中は彼の出番やプレースタイルは限られていた。 イニエスタが去った後、コウチーニョはより多くのプレー時間と前線への攻撃参加が求められるだろう。

期待のスペイン人MF!デニス・スアレスの待遇も変わる

従来のラ・マシア(下部組織)からの引き上げよりも、国外クラブからの引き抜きが顕著になりつつあるバルセロナでは、トップチームの面々も多国籍化している。勝てるに越したことはないのだが、クラブの伝統やスペインクラブの背景を考えると、自国のスペイン人選手を育てたい気持ちは間違いなくある。

現在は出番が限られているデニス・スアレスも、イニエスタの退団後はその待遇が変わりそうだ。彼は元々セルタ・デ・ヴィーゴのユースで活躍し、マンチェスター・シティFCに加入した選手だ。 2013年にバルセロナBへの加入後、他クラブへのレンタルを経て2016年にバルセロナへ復帰した。2017-18シーズンは16試合、517分と極めて限定的な出場だが、今後はその状況も変わってくると思われる。

イニエスタ退団後は、コウチーニョを含めポジション争いをするライバルは多いだろう。そして長短のパスを器用に扱えるデニス・スアレスの起用が増える可能性は十分にある。

ラ・マシアは終焉?再度の繁栄?選択を迫られる時がくる

バルセロナはこれまで「ラ・マシア(カンテラとも)」と呼ばれる下部組織出身者を重用してきた。

アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシ、シャビ・エルナンデスをはじめ、他にも多くの選手がバルセロナのトップチームへと昇格し、多くの試合でプレーし勝利している。2010年のバロンドールでは、イニエスタ、メッシ、シャビの3人が最終ノミネートを独占した。

しかし近年、ラ・マシアからの出身者は減少の一途をたどっている。バルセロナをすでに退団しているシャビが、カンテラを軽視しているという旨をコメントしたことも記憶に新しい。そこにイニエスタの退団である。シャビの発言はより現実味を帯びてくる。メッシもすでに30代を迎えており、キャリアは折り返し地点にある。

トップチーム入りが今後期待されるのは、バルセロナBでプレーするカルレス・アレニャだ。しかし、トップチームの競争の激しさや、国外から即戦力を引き抜く補強方針を鑑みると、トップチーム定着への道程は簡単なものではない。

こうした現状をバルセロナのフロントがどう判断するのか、そしてエルネスト・バルベルデ監督はどのような起用を行うのか。バルセロナの文化ともいうべきラ・マシアのあり方は、イニエスタ退団後に大きな選択を迫られるだろう。

下部組織時代を含めれば、22年もバルセロナで過ごしてきたイニエスタ。その存在は偉大で、すでにレジェンドと呼ぶにふさわしい。イニエスタが去った後もバルセロナが強大なチームであることに変わりはないが、退団の影響は大きく変革は必ず訪れる。彼がのいないバルセロナは今後どこへ向かうのだろうか。

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