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ネイマールの移籍騒動と、禁断のレアル・マドリード移籍へのシナリオ

2018 3/26 19:30dai06
ネイマール
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Ⓒゲッティイメージズ

脱バルセロナ、脱メッシの影!ネイマールの移籍騒動

2017年夏、ネイマールは移籍金290億円と目される金額でバルセロナを後にした。向かったのはフランス王者、パリ・サンジェルマン(PSG)だ。イブラヒモヴィッチを失ったPSGは、彼に代わる絶対的存在を必要としていたのだろう。ライバルのモナコに王座を奪われた2016-17シーズンの二の舞になるわけにはいかなかった。

そういった意味でも、ネイマールは間違いなくクラブのリーダーであり、アイコンであり、看板となる選手に違いなかったのだろう。そして彼もまた、メッシの影になることをよしとはしていなかった。両者が求める利益が一致したわけだ。PSGの強大な資金力をもってすれば、290億円もポンと払えてしまう。バルセロナも、このような事態は予想していなかったはずだ。

ネイマールはPSGの選手となるが、その後もかつての契約延長ボーナスの未払いの有無により、バルセロナと揉めに揉めている。蜜月を過ごしていたかに思われた両者の関係は冷え切り、もはやネイマールはバルセロナの選手ではなくなってしまった。

ネイマールは本当にメッシの影だったのか?データで考えるその活躍

ネイマールはPSGに移籍した2017-18シーズン、リーグ20試合に出場し、19ゴール13アシストという驚異的な数値を記録した。シーズン終盤に負傷してしまったものの、移籍初年度でここまでの活躍は素晴らし過ぎる。もっとも、PSGで彼を超えるインパクトがある選手がいないことも、その数値に影響しているのだが……。

ネイマールのバルセロナ在籍最終年度となった2016-17シーズン、彼はリーグ30試合に出場し13ゴール11アシストを記録。このデータから、現在のPSG時代よりもゴール数が少ないことがわかる。バルセロナでの哲学では、独善的なプレーを極限まで押し殺し、チームのためにボールを回してゴールを奪うことに重きを置くからだ。ネイマールがボールを持ったとしても、安易にドリブルやシュートを仕掛けるよりも、その哲学に則ってボールを大切に運ばなくてはならない。もしくは、クラブの生ける伝説であるリオネル・メッシにボールを託さなければならなかったはずだ。

メッシはバルセロナの大黒柱だ。いかに他のクラブから有力な選手がやってこようと、その存在を脅かすことはできないほどの力を持っている。それは当然のことと言えるだろう。彼のキャリアはバルセロナと共にあり、バルセロナもまた彼と共に近年の栄光をものにしている。2016-17シーズンのメッシは、リーグ34試合に出場して37ゴールを記録、アシスト数はネイマールよりも少ない9だった。

メッシが存在する限り、ネイマールの影響力が彼を上回ることはあり得ない。当事者であるネイマールは、そのことを誰よりもわかっていたのだろう。

始まったカウントダウン、レアル・マドリードへの禁断の移籍

PSGの選手となったネイマールだが、このクラブでのキャリアは当初フロントが予定していたほど長いものにはならない可能性がある。そう、ネイマールにはすでに移籍の噂がある……、候補に挙がっているのは古巣バルセロナの宿敵、レアル・マドリードCFだ。

もしこの移籍が実現してしまえば、禁断の移籍となる。しかも、その対象はネイマール。現代のサッカー界を牽引する存在で、おそらくメッシやクリスティアーノ・ロナウドに次いで、名実ともにスーパースターと呼ばれる選手だ。

いくら間にPSGというクッションを挟んだとしても、バルセロナサポーターの怒りを買わないわけがない。もちろん、あれほど大金を積んで買った選手をPSGが簡単に手放すはずはない。PSGはマルコ・ヴェッラッティの移籍志願を跳ねのけ、最終的には謝罪動画を出させるほど頑ななフロントがいるクラブである。

しかし、マドリード側も必死だ。2021年に契約満了を迎えるロナウドに代わるエースを必要とする彼らにとって、ネイマールは十分過ぎる存在だろう。敵として対戦したとはいえ、マドリードは彼のプレーを知っている。彼もまた、マドリードというクラブを知っている。マドリードであれば、PSG側を納得させるだけの金額を払える可能性が高い上に、交渉材料としてロナウドを加えることもできるはずだ。

このように考えれば、ネイマールがマドリードへ移籍するシナリオは机上の空論とは言い切れない。シナリオ実現へのカウントダウンはすでに始まっているのだから。