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【裏事情】今知りたい! サッカー選手の市場価値と選手起用の秘密

2018 3/9 11:58dai06
サッカー選手 市場価値
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「価値の高い選手」にかけられる期待と、約束された高待遇

選手の移籍に、数十億円というお金が動くのが当たり前になったサッカー界。2017年夏には、ネイマールが約290億円もの金額でパリ・サンジェルマンFC(以下、PSG)へと移籍し、大きな話題となった。PSG移籍以降のネイマールは、その大金に見合うだけの活躍をしているが、フロントや監督が彼に出場機会を約束しているおかげだとも言える。

どれだけ実力のある選手でも、プレーする機会が与えられなければ、宝の持ち腐れになってしまう。「実力がある」というだけで起用されることもあるが、実際はそれだけが起用の理由ではない。

「高いお金をかけたのだから、使わないともったいない」。このもったいない精神は、サッカー界にも通じる。こうしたフロントの思惑が、監督の起用を左右するのだ。もちろん、我々サポーターの目に直接ふれることは少ないのだが、「どうしてあの選手は活躍しないのに、スタメンに選ばれることが多いのだろう?」と思った際には、こうした裏事情があるのかもしれない。

0円移籍の功罪、活躍した場合と活躍しなかった場合の未来

移籍が行われる際には、前述のネイマールのように多額の移籍金が動くこともあれば、移籍金の動かない”0円移籍”もある。0円移籍がとり行われた際、選手を放出する側は「損をした」と嘆き、選手を獲得した側は「得をした」と喜ぶ。しかし、選手自身のこれからを考える人は多くない。

0円移籍は、獲得した側からすれば得な話だ。実力のある選手だとしても、契約の都合上タイミングさえ合えばかっさらうことができる。ただ、「0円で獲得された選手には、0円で獲得されただけの待遇しか待っていない」という可能性があることを忘れてはいけない。

フロントの考えはこうだ。「0円で獲得した選手が活躍すれば儲けもの。0円でやって来てくれたのだから」。一方で「0円で獲得した選手が活躍しなくても痛手ではない。0円でやって来たのだから」となる。こうした事情を背景に、0円でやって来た選手は、数十億円でやって来た選手よりも扱いが軽くなりがちだ。限られた起用だとしても、活躍できなければ「儲けものではなかった」と判断され、出場機会を減らされる。高額な移籍金でやってきた選手は「適応に時間がかかっているだけ」と、活躍しなくても起用されるというのに。

残念なことだが、0円の選手には0円なりの扱いが待っていても仕方がないということになる。これは誰が悪いということではない。非情だが、サッカーを取り巻く市場が自然とそうさせているのだ。0円移籍には光もあれば影もある。この事実に、私達はもう少し目を向けるべきだろう。

監督の変更で変わる選手起用とブレイクのチャンス

ここまでお話させていただいたように、選手起用には監督の意向だけでなく、フロントや移籍にかかった金銭が影響を与えるという事実は確かにある。ただ、やはり絶対の実権を握っているのは、あるいは握るべきなのは監督に違いない。監督が起用したいと思った選手を起用すべきで、起用された選手は結果を出すことで次の出場機会を得る。これこそが健全な選手起用のあり方だろう。

監督が実権を持つということは、監督が変われば戦術が変わり、起用の仕方も大きく変わるということだ。直近の例を挙げるなら、2015-16シーズンにモウリーニョ指揮下で絶不調に陥ったチェルシーFCでは、フース・ヒディンクを経て、アントニオ・コンテが新監督になった。コンテはチェルシーに3バックシステムを導入すると、それまでローンで他クラブでのプレーを余儀なくされていたヴィクター・モーゼスをWBとして起用。モーゼスは見事スタメンとして返り咲いたのだ。

こういった選手起用こそがサッカーを面白くし、選手にとっても好機となる。監督に強い実権があることは、やはり望ましいことなのだ。

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