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【大型トレード】2018年冬に実現した注目の移籍に迫る

2018 2/6 15:58dai06
アレクシス・サンチェス
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半年待って実現した移籍!バルセロナ入りのコウチーニョ

リヴァプールFC(以下、リヴァプール)からは、フィリペ・コウチーニョがFCバルセロナ(以下、バルセロナ)へと移籍した。移籍金の金額は1億6000万ユーロ(約218億円)。この金額は夏に約290億円でパリ・サンジェルマンFC(以下、PSG)に移籍したネイマールに次いで、歴代2位の高額移籍である。これでリヴァプールからバルセロナへは、2014年夏のルイス・スアレスに続いて2人目の主力の流出となった。

バルセロナは夏にウスマン・デンベレを獲得しているが、彼は負傷離脱もありバルセロナではまだ満足にプレーができていない。加えて、すでに30代半ばを迎えようとしているアンドレス・イニエスタの後継者探しは急務であり、コウチーニョにかけられる期待には、この要素が大きい。

柔らかいボールタッチに味方との卓越した連携とチャンスメイク、自身でゴールに迫ることもできるコウチーニョならば、バルセロナのスタイルに適応することができるだろう。移籍を志願してからは半年かかっての加入となったが、その分彼には注目が集まっている。

いなくなった下部組織出身の兄弟、インテル入りのラフィーニャ

バルセロナには、下部組織出身のアルカンタラ兄弟がいた。チアゴ・アルカンタラとラフィーニャ・アルカンタラだ。
兄であるチアゴは出場機会を得るために2013年夏にバルセロナを退団し、FCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)に加入している。弟のラフィーニャもチアゴ同様に出場機会を求め、インテルナツィオナーレ・ミラノ(以下、インテル)にレンタル移籍した。
このレンタルには買い取りオプションがつけられており、3500万ユーロ(約45億5000万円)+300万ユーロ(約3億9000万円)での買い取りとなるようだ。

ラフィーニャはチアゴよりも中盤の深い位置でプレーするのが得意な選手だ。兄同様ドリブルも得意で前へ走ることができるが、それよりは深い位置でボールを回すことやディフェンスをすること、ミドルシュートを放つことに長ける。
イカルディやペリシッチら前線の選手に攻撃依存しがちなインテルにとっては、攻撃においてだけでなく守備においても戦略の幅を広げることができるだろう。

ただ、バルセロナの控え選手だったラフィーニャに対しては懐疑的な目も多く、この先活躍できなければ高額な取引は破断に終わってしまうだろう。

大型トレードで幸せになるのはどっちだ?サンチェス&ムヒタリアン

アレクシス・サンチェスは、2017-18シーズンにアーセナルFC(以下、アーセナル)との契約満了迎える予定であり、モチベーションの低下が危惧された。結果的に同シーズンにはアーセナルでリーグ19試合に出場し、7ゴールを記録。前のシーズンにリーグ38試合に出場し24ゴールを挙げていることを考えれば、ゴールを奪うペースが落ちていることは明らかだった。

結果的にサンチェスはアーセナルとの契約延長に応じることなく、ヘンリク・ムヒタリアンとのトレードでマンチェスター・ユナイテッドFC入りが決定した。ムヒタリアンもまた、ユナイテッドで調子を上げられずベンチを温めていた選手で、アーセナル入りで環境の変化を狙った形だ。
もっとも、サンチェスはマンチェスター・シティFC入りが噂されていただけに、あまりにも早い移籍の実現には大きな衝撃を与えた。

どちらの選手にとっても、どちらのクラブにとっても幸せな結果となるのが望ましい。

母国復帰の大ベテラン!PSG入りのラサナ・ディアラ

2017年の春よりUAEのアル・ジャジーラSC(以下、アル・ジャジーラ)でプレーしていた大ベテラン、ラサナ・ディアラは2018年冬に母国クラブであるPSGに移籍した。アル・ジャジーラとは契約を解除していたため、フリーでの加入となる。

かつてはチェルシーFCやアーセナル、レアル・マドリードCFなどでもプレーしたこの大ベテランは、いくつものクラブを渡り歩き、ここにきてフランスに帰ってきた。現在のPSGは世界でもトップクラスの資金力と戦力を持っており、ラサナ・ディアラのポジションがあるかどうかは不安が残る。

しかし、経験に裏打ちされた的確なプレスとオーガナイズにより、PSGの中盤には安定がもたらされるはずだ。まだまだ現役、ラサナ・ディアラのこれからに期待したい。

引き抜きで単独首位を継続か、バイエルン入りのヴァーグナー

バイエルンはこれからもブンデスリーガの頂点に君臨すべく、やはりライバルクラブから有力な選手を引き抜いて見せた。今回引き抜いたのはTSG1899ホッフェンハイム(以下、ホッフェンハイム)に所属していたサンドロ・ヴァーグナーだ。
移籍金の金額は1300万ユーロ(約17億円)とされる。ヴァーグナーはすでに30代を迎えている選手だが、ゴールへの嗅覚に優れる選手である上に元々はバイエルン出身の選手だ。バックアッパーとしての位置づけとはいえ、彼を獲得できたことの意味は大きいだろう。

バイエルンは、ヴァーグナー以外にもニクラス・ジューレをホッフェンハイムから獲得しており、その他にはシャルケ04からレオン・ゴレツカと事前合意していることも発表している。歴史をもっと振り返れば、マッツ・フンメルスやレヴァンドフスキもライバルクラブからの引き抜きであり、この動きを嫌う相手サポーターも多い。
それでもバイエルンはブンデスリーガの王者であり続けるために、これからも補強を続けるだろう。