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【アジアの頂点】AFCチャンピオンズリーグの概要と歴史を解説

2017 11/10 12:24dai06
サッカーボール
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AFCチャンピオンズリーグはアジアのクラブが集まる大会

AFCチャンピオンズリーグは、アジアサッカー連盟であるAFCが主催して行う、アジアのクラブチームによって競われる大会だ。略称はACL。その前身にはアジアクラブ選手権があり、前身時代には21回、AFCチャンピオンズリーグとなってからは2017年大会を含めて15回開催されている。計36回開催されている大会であり、かなり歴史のある大会だ。

ヨーロッパで開催されるチャンピオンズリーグと同じ位置付けにあり、AFCチャンピオンズリーグで勝利したクラブはアジア最強の名を有することになる。

参加クラブ数は32で、アジアサッカー連盟に加入する国々から強豪が集まる。参加できるのは、各国リーグの上位のクラブがグループステージに出場できる。この出場枠は国によって異なり、各国のカップ戦の成績によっては予選から参加できる場合もある。

この規定については度々議論がなされており、今後も変更の可能性がある。

優勝回数が多いのは韓国のクラブ

これまで優勝した回数が最も多いのは韓国のクラブで、その総数は11回、2位の日本は5回、3位のサウジアラビアが4回だ。しかし、サウジアラビアの場合は準優勝を含めると12回、日本は8回であるから、日本は少々出遅れている印象を受ける。

11回優勝した韓国のクラブのうち、最も優勝しているのは浦項スティーラースの3回だ。このクラブは韓国の国内リーグであるKリーグクラシックでも上位に食い込む常連クラブだ。

ちなみに2016年大会の優勝クラブも韓国で、全北現代モータースが2回目の優勝を経験。韓国の自動車メーカーであるヒュンダイを母体に持つこのクラブもやはり強豪で、国内リーグだけでなく、AFCチャンピオンズリーグでも上位に食い込むことが多い。どちらも警戒すべきクラブといえよう。

Jリーグのありがたみと世界に開かれた舞台

アジアのサッカーは、ヨーロッパのサッカーと比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまうという方もいるだろう。ゆえに、「サッカーは好きだけれど、海外のサッカー、特にヨーロッパしか見ていない」という日本のサッカーファンも多い。

それは大変残念なことだ。アジアのサッカーは近年そのレベルを高めつつあるし、日本にはJリーグという立派なプロサッカーがあるではないか。しかもAFCチャンピオンズリーグでも、Jリーグのクラブは着々と成績を残しつつある。

JリーグがJ1、J2、J3といったようにそのカテゴリーが分けられるにつれ、各クラブは年間のリーグタイトルだけでなく、昇格や残留をかけた激しい争いを繰り広げるようになった。そして上位に食い込むことが宿命づけられたクラブは、さらなるタイトルを求める。それが今回紹介しているAFCチャンピオンズリーグだ。

日本のサッカーは確かに20数年前まで全体的なレベルは低く、限られた舞台でしか戦うことができなかった。だが、今はどうだろうか。Jリーグだけでなく、AFCチャンピオンズリーグの存在のように世界に開かれた舞台が整っているではないか。

この舞台を目指して戦う選手のプレーは熱く、我々を大きな感動の渦に巻き込むに違いない。

高まるアジアのプレーレベル、広州恒大の躍進

アジアのサッカーは、各国の経済成長とサッカー市場の高まりを受け、プレーレベルが上がっている。

ボーダレス化の進む世界情勢では、国内選手だけでなく、世界のあちこちから選手を集めることができるようになった。そういった選手のなかには、欧州の第一線で活躍する著名な選手や往年の名選手も含まれている。
彼らを加えることで戦術には多様性が生まれ、チームは競争心が生まれ、プレーレベルは確実に向上する。

また、アジアのサッカーのなかでも、中国のサッカーは近年急成長を遂げている。数十億円の資金を投じ、タレント集団を揃えるようなクラブが続出しているのだ。カルロス・テベス選手、エセキエル・ラベッシ選手、フッキ選手などなど、名前を耳にしたことのある選手も多いはずだ。彼ら中国クラブのスタメンを一度観て欲しい。非常に豪華だ。

AFCチャンピオンズリーグでも中国のクラブが躍進を続けており、これまでには優勝3回、準優勝2回を経験。特に広州恒大淘宝足球倶楽部(以下、広州恒大)は2013年と2015年大会という近々の大会で優勝を成し遂げている。

日本のクラブも、ディエゴ・フォルラン選手やルーカス・ポドルスキ選手のように欧州でも活躍した名選手を連れてくるようなケースも出てきている。その頻度は必ずしも高いとはいえないが、彼らがやってくることで起こるフィーバーは非常に大きな影響力がある。プレーレベルも当然のことながら向上する。

こういった一連のムーブメントが、アジアのサッカーを今後、面白くしAFCチャンピオンズリーグを盛り上げてくれるはずだ。

思い出される感動!クラブワールドカップへの道

AFCチャンピオンズリーグで優勝すると、世界最強のクラブを決定するための大会、FIFAクラブワールドカップ(以下、クラブワールドカップ)に出場することができる。各大陸から集まる王者が一堂に会し、短期決戦を行う。

世界最強のクラブを決めるとはいえ、その位置づけはこれまであまり高くなかった。特にヨーロッパのクラブがそうだ。彼らはヨーロッパのリーグや大会をこなすのに必死で、端的にいえばクラブワールドカップを軽視する傾向にある。興行に近い感覚なのかもしれない。

しかし、どうだろうか。2016年大会の決勝戦、鹿島アントラーズ(以下、アントラーズ)VSレアル・マドリードCF(以下、マドリード)戦を思い出してもらいたい。
日本で行われたこの大会では、横浜の会場に大勢のサポーターが押し寄せ、Jリーグクラブの躍進を盛大に祝った。なにせ、対戦相手はあのマドリードだ。クラブワールドカップでなければ、実現することのないカードである。

マドリードはゆっくりと試合に入っていった。前半9分という早い段階でカリム・ベンゼマ選手がネットを揺らし、明らかに余裕綽々といった様子だ。だが、どうだろうか。
前半44分、後半52分には柴崎岳選手(以下、敬称略)が立て続けにゴール。あのマドリードからリードを奪い、ゲームをコントロールし始めた。この状況にスタジアムは歓喜。「もしかしたらあのマドリードに勝てるかもしれない」。そんな空気が漂い始めた。

余裕の表情を見せていたマドリードは焦りはじめ、ジネディーヌ・ジダン監督がテクニカルエリアで声を挙げるシーンもあった。「これはまずい」、そんな空気を察したのだろう。
最終的にマドリードは4点までスコアを伸ばしアントラーズを破ったが、各国のメディアはアントラーズの健闘ぶりを称賛。アジアのサッカーのレベルの高さを知らしめる大会となった。日本のサッカーファンも、どのクラブのサポーターであるなしに関わらず大興奮。大きな感動を呼んだ。

さらに一躍ヒーローとなった柴崎選手は、スペイン行きの機会を獲得。惜しまれつつ、新たな高みを目指して旅立った。

AFCチャンピオンズリーグは、このクラブワールドカップに続く道だ。
多くのクラブが競い合い、より大きな賞賛をより大きな感動を求めて戦う。観たことがない方には、ぜひ一度観ていただきたい。