選手の高額移籍は当たり前になった
2010年前後から、選手が移籍する際に高額の移籍金が支払われることが当たり前になってきた。30億、40億、50億と移籍金は山のように積み上げられていき、100億円規模の移籍も当たり前になりつつある。
2009年にマンチェスター・ユナイテッドFC(以下、ユナイテッド)からレアル・マドリードCF(以下、マドリード)に移籍したクリスティアーノ・ロナウド選手(以下、敬称略)には約120億円という値がつけられた。
ただ、その後2013年にはギャレス・ベイル選手(以下、敬称略)にもほぼ同額、もしくはロナウド以上の値がつけられたとされている。
その後も、2016年のポール・ポグバ選手が約130億円でユヴェントスFC(以下、ユヴェントス)からユナイテッドへ移籍。そして2017年にはネイマール選手が約290億円でパリ・サンジェルマンFC(以下、PSG)に移籍するなど、高騰の流れはとどまることを知らない。
なお、この年のPSGはキリアン・ムバッペ選手のレンタル移籍も成功させている。しかもこのレンタルには、約236億円という買い取りオプションまで付いている。
このPSGの一連の動きに対しては、多くのクラブが動揺し、選手の市場価値の底上げを招いた。どのクラブも安売りをしない、もしくはネイマールがFCバルセロナ(以下、バルセロナ)から離脱することによって生じる玉突き的な移籍の行方を追った。
結果としてバルセロナはネイマールの後釜探しに奔走するも、どのクラブも手頃な価格で売ってくれることはなかった。その状況下において、トランスファーリクエスト(移籍志願)まで出したフィリペ・コウチーニョ選手が移籍できなかったのはこの年の悲劇だった。