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【2016-17ブンデスリーガ優勝】FCバイエルン・ミュンヘンを分析!

2017 8/3 12:07dada
FCバイエルン・ミュンヘン
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イレギュラーを跳ね返した王者

FCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)はやはり強かった。 34試合のブンデスリーガの試合のうち、勝利数は25、引き分け7、敗れたのはたったの2だった。最終的な勝ち点数は82で2位のRBライプツィヒ(以下、ライプツィヒ)の67に大差をつけて優勝を決めている。
もちろん、そのライプツィヒにしても、2016-17シーズンは素晴らしいシーズンだった。昇格組ということを感じさせない自信にあふれたプレー、そしてシーズンを通して維持した好パフォーマンス。素晴らしいとしか言いようがないだろう。イレギュラー中のイレギュラーだったと言える。
しかし、それでも勝つのがバイエルンだ。ブンデスリーガに君臨するこの赤い名門は、新参者にも容赦はしない。第1戦では3-0で勝利し、一時は敗北の危機に陥るも第2戦では、後半80分台からロスタイムに至るまでの間に3得点を挙げ、4-5で勝ち抜けた。
ブンデスリーガでは、現在のバイエルンに立ちはだかるクラブは見当たらない。「FCハリウッド」とも揶揄される厚い選手層は、ローテーションを組んだとしても見劣りすることはなく、シーズンを通して全力で戦えるようなメンバーが揃っている。有望なベテランと若手も入り乱れるバイエルンに抜け目はない。

グアルディオラのポゼッション戦術で変わったバイエルン

前シーズンまで指揮をとっていたグアルディオラ監督(以下、敬称略)が標榜していたのは、ポゼッションサッカーだ。
バイエルンの選手たちにボールを無駄にすることは許さず、徹底的にボールを保持させた。パスを回し続けることで、相手選手は対応に追われる。常に走らされることで、マークやポジショニングのズレが生まれる。その一瞬をバイエルンの選手たちは逃さずに、ゴールに迫っていった。GK(ゴールキーパー)であるマヌエル・ノイアー選手までもが、ボール回しに参加していたことは有名だ。そしてその光景はグアルディオラの戦術が浸透するにつれ、不思議なことではなくなっていった。
さらにグアルディオラは、可変的なシステムを採用するようになった。試合運びに応じて、4-2-3-1や4-1-4-1、3-4-3などを使い分けた。点を奪える時には激しく攻めたて、危ないとみればすぐさま選手とボールを後ろに戻し、堅い守備を展開する。変幻自在の動きでバイエルンは多くのライバルを倒していった。

前任者からの受け渡し!アンチェロッティのカウンター戦術

後任となったアンチェロッティ監督(以下、敬称略)は、このグアルディオラの戦術をそのまま踏襲した。 前任の監督が優秀であればあるほど、監督交代によって調子を崩すクラブは珍しくない。もちろん、アンチェロッティもグアルディオラと同じく名将と呼ばれる人材だ。しかし、まずは踏襲し選手を見極めること。彼の仕事はここから始まった。
選手の見定めが終わると、少しずつ自分のサッカーを取り入れ始めた。シャビ・アロンソ選手(以下、敬称略)やチアゴ・アルカンタラ選手(以下、敬称略)らを重用し、ロングパスで縦に速いサッカーをする場面が増えた。つまりカウンターだ。ポゼッションでボールを保持しつつ、相手に迷いが生じた瞬間にカウンターで一気に勝負を決める。
前線にはアリエン・ロッベン選手やフランク・リベリー選手、ロベルト・レヴァンドフスキ選手(いずれも以下、敬称略)ら、ボールタッチに優れる選手がいくらでもいる。ロングパスを放り込んでも高確率で上手く受け取り、ゴールへと繋げてくれる。
また中央には、運動量に優れるトーマス・ミュラー選手、アルトゥーロ・ビダル選手らがおり、中央から執拗にプレッシングをかけ、早い段階で自軍のボールにすることも可能だ。そうして何度も攻撃を繰り返し相手ゴールを脅かすことができる。
これらグアルディオラの戦術とアンチェロッティの戦術は、すんなりと融合することに成功した。ロッベンは「ポゼッションならグアルディオラ、カウンターならアンチェロッティ」としつつも、どちらの監督も評価している。2人の名将の交代は、優勝という素晴らしい形で果たされた。

2人の偉大な男の引退とクラブの歴史

バイエルンにはロッベンやリベリー、フィリップ・ラーム選手(以下、敬称略)などベテランと呼ばれる選手が何人かいる。彼らは、いつの時代も最前線で戦ってきた模範とすべき素晴らしい選手だ。多額の資金流入で選手の入れ替えが激しくなったバイエルンにおいても、彼らの存在感は別格だった。
そしてこの2016-17シーズンの終了をもって、ラーム、そしてシャビ・アロンソ選手の引退が決定した。ラームは小柄ながらもどんな大型FWにもプレスをかけ、技術力の高さでボールをかすめとっていった。グアルディオラの到来でボランチにコンバートされてからも、持ち前の戦術眼でボールを巧みに捌き続けた。
シャビ・アロンソは、リヴァプールFCやレアル・マドリードCFといった名門クラブを渡り歩き、最後にはバイエルンに腰を据えた。控えに回り続けるかと思いきや、圧倒的なボールタッチ数と前線へのパス供給で、変えの利かない選手であり続けた。引退の際しての彼の言葉「フットボールを生き、フットボールを愛した。さらば美しいゲームよ」は、後世語り継がれることだろう。彼によっていくつもの美しいゲームが紡がれたのだから。
この2人の引退で、サッカー界がまた一つ寂しくなったことは言うまでもない。バイエルンにとってもクラブを象徴のであった選手の引退は痛手だ。
だがベテランが2人も抜けたバイエルンには、優秀な新顔がやってくるはずだ。そんな時、ラームやアロンソの薫陶を受けたであろう選手たちが、彼ら新顔を、バイエルン色に染めてくれることを祈るばかりだ。そうしてクラブの歴史はまた築かれていく。

最優先課題!求められる若返りと軸に置くべき選手とは

バイエルンに求められるのは若返りだろう。
ベテラン選手の存在は欠かせない存在であることはすでに述べてきたが、いつまでもベテランに頼るわけにはいかない。
若手にもしっかりと出場機会を与えることで、クラブの新陳代謝を図るタイミングがやってきている。アンチェロッティのおかげで、リベリーは息を吹き返したように見えるがそれでもすでに30代半ば。キャリアの終わりは近付いている。
幸いなことにチアゴやジョシュア・キミッヒ選手など、これからのバイエルンを担える若き逸材は揃っている。戦術理解力に長ける彼らを軸に置けば、新しい選手がやってきても上手く調和を図ってくれるはずだ。
ブンデスリーガ屈指の強豪であるバイエルンが、これからも強豪としてのオーラを纏い続けることを祈りたい。

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