技巧派SB!リカルド・ロドリゲス
歴代のスイス代表SBのなかでも、トップクラスの才能を誇るのがリカルド・イヴァン・ロドリゲス・アラジャ選手だ。VfLヴォルフスブルク (以下、ヴォルフスブルク)でも不動の存在となっており、クオリティの高いプレーを維持している。
彼は近年もてはやされるような、スピードがあり、よく走るSBというよりは、正確にスペースにボールを落とせる選手で、クロスと長短のパス、そしてFKを得意としている。鋭く速くえぐる弾道には驚かされる。
彼ほど技巧派のSBは珍しい存在で、多くのクラブが獲得を狙っている。おそらく現状では彼のようなタイプのSBは世界に存在していない。
獲得が最も有力視されているのは、インテルナツィオナーレ・ミラノ(以下、インテル)で、日本の長友佑都選手を脅かす要因になりそうだ。
もしこれが現実になれば、空中戦を得意とするマウロ・イカルディ選手らに精度の高いクロスを供給し、インテルの攻撃を活性化してくれるだろう。長友選手の出場機会が減るのは悔やまれるが、強いインテルを再びみたいというのも正直なところではないだろうか。
オーストリアの星はプレミアへ?ダビド・アラバ
FCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)に所属する、オーストリア代表のダビド・アラバ選手は同国の最優秀選手として6年連続で表彰されている。これはオーストリアに有力なサッカー選手がいないからといったネガティブなものでは決してなく、ダビド・アラバ選手のプレーの質の高さが要因だ。守備、攻撃においてどんなプレーも平均よりはるかに上のレベルでこなすことができる。
クロスの質も高く、味方との連携も得意だ。常に自分がどこにいるべきで、何をすべきかよくわかっている。世界最高峰のSBとして今後10年近くにわたってプレーする逸材であることに間違いはないだろう。
どのクラブも可能であれば彼を欲しているが、移籍金額は70億円以上になると言われている。レアル・マドリードCF(以下、マドリー)は2016-17シーズンの夏に獲得を打診したが、バイエルン側が拒否したようだ。
また、バイエルンは同シーズンのCL準々決勝で、マドリーに敗北。この敗北の裏には、数々の疑惑の判定もあったことから、マドリーへの態度も硬化させているはずだ。当然チームは、アラバ選手の放出にもより慎重になる可能性があり、マドリーとしては彼の獲得は容易ではないだろう。
育てのシャルケに別れ?セアド・コラシナツ
シャルケ04(以下、シャルケ)ユース出身のセアド・コラシナツ選手は、同クラブから移籍することが濃厚になっている。シャルケとは契約の延長に至っておらず、2017-18シーズン夏の移籍市場ではフリーでの獲得が可能になる見込みだ。
アーセナルFC(以下、アーセナル)が最も近い存在となっており、プレミアリーグへの挑戦が叶いそうだ。
アーセナルは負傷離脱によりシーズン途中でプレー不可能になる選手が多く、そのせいでリーグでの不振が恒常化している。その問題を回避するためにも、選手層に厚みをもたせなくてはならない。コラシナツ選手は183cmと小柄なCBだが、相手選手に対し一歩も引かない姿勢が魅力だ。これほど素晴らしい選手を、もしフリーで獲得できるのであれば願ったり叶ったりだろう。
対人戦を得意とするコラシナツ選手がケガをせずに活躍を続けてくれることや、その他選手の負傷離脱する可能性が減りさえすれば、アーセナルが上位に食い込む可能性も高くなるだろう。
国外に旅立つベテラン!デニス・アオゴ
前述のコラシナツ選手同様、シャルケでプレーしているのがデニス・アオゴ選手だ。アオゴ選手は1987年生まれで、すでにベテランの域に達している。
プレーには円熟味が増しており、的確な読みで攻守の切り替えを的確に察知、若いシャルケのメンバーたちを統率している。
これまでクラブ・代表ともにドイツで活躍を続けている。アオゴ選手は、プレースタイル・戦術的にもドイツの風土にフィットしている。
ただここにきて、プレミアリーグのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC(以下、WBA)への移籍説が急浮上している。WBAは世界最古のサッカークラブの一つだが、現状の選手のクオリティは低く、タイトルを狙えるような位置にはいない。
そこにアオゴ選手が加入するのは、WBAにとっては喜ばしいことであり、アオゴ選手にとってはキャリア終盤の大きなチャンスとチャレンジとなるはずだ。30歳を超えての挑戦はリスキーともとれるだろうが、 アオゴ選手ほどのクオリティとインテリジェンスがあれば、プレミアリーグでも見事にフィットするのではないだろうか。
2017-18シーズンのアオゴ選手は一体どのクラブに行き、どれだけの活躍を見せれるのか期待したいところだ。
溢れる才能は一ヵ所に留まらない!ジョシュア・キミッヒ
バイエルンに所属するジョシュア・キミッヒ選手は、中盤やSBなど複数のポジションでプレーすることができる。
1995年生まれととても若い彼だが、プレーには落ち着きがあり若さゆえの粗っぽさなどは感じない。安易に走り込むこともなければ、味方の位置を見誤ることも少ないのだ。
特にジョゼップ・グアルディオラ監督指揮時のバイエルンで重宝されるようになり、フィリップ・ラーム選手の後継者とまで言われるようになった。アンチェロッティ監督に指揮が移ってからも、チームに欠かせない選手として扱われている。
ただ、バイエルンには他にもレナト・サンチェス選手やハビ・マルティネス選手、チアゴ・アルカンタラ選手、アルトゥーロ・ビダル選手など、クオリティの高い選手が多くいる。キミッヒ選手が今以上に成長するには、そのライバルたちに打ち勝ち、一試合でも多く試合に出ることが必要だ。
放出される可能性は少ないとしても、彼を欲しがるクラブは多いし、彼自身が出場機会を求めて移籍を希望する可能性はゼロではない。市場価値は50億円以上になると見積もられているが、今後10年以上にわたってプレーできるほどの有望株だ。大金を投じても損をする可能性は少ないのではないだろうか。