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セリエA最強はビアンコネロ!ユヴェントスFCを徹底解説

2017 5/17 09:55dada
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ビアンコネロの誕生と懐かしのピンク

セリエAの強豪ユヴェントスFC(以下、ユヴェントス)の創設は1897年のことだった。高等学校の生徒によって創設されたクラブは、1923年に地元の自動車会社に買い取られてから本格的に成長を遂げ始めた。

クラブ創設当初は黒とピンクのユニフォームを使用していた。しかし、当時のピンク色は色褪せしやすく、あっという間によくわからない色になる少々拙いものだった。そこで使用する色を黒と白に変更、この配色を「ビアンコネロ(ビアンコネーロ)」と呼び、「イタリアの貴婦人」などと並んでクラブの愛称の一つになっている。

ちなみにピンク色のユニフォームは度々復刻されており、直近だと2011−12シーズンのショッキングピンクに黒の星をあしらった2ndユニフォーム、2015−16シーズンの優しい色合いの2ndユニフォームなどが有名だ。

これらはいずれも賛否両論あり、2011−12の2ndユニフォームは「ユヴェントス史上最も奇抜なデザイン」とも言われた。このユニフォームは2012−13シーズンの3rdユニフォームにも使用されている。

カルチョポリで奪われたスクテッドと史上初の降格

ユヴェントスの歴史において2006年に起こったスキャンダル、「カルチョポリ(カルチョスキャンダル)」には忘れがたいものがある。カルチョポリは、ユヴェントスのかつてのGMであるルチアーノ・モッジ氏によって主導された、審判の買収・脅迫事件だ。

ユヴェントスはこの問題の発覚により、2004−06の2シーズンのタイトル(スクテッド)を剥奪される。さらにはクラブ史上初の降格が決定し2006−07シーズンをセリエBからのスタートが決定した。

チームからは、当時急成長を遂げていたズラタン・イブラヒモヴィッチ選手や、レアル・マドリードCFでも活躍したファビオ・カンナバーロ選手らが流出。GMのモッジ氏は、イタリアサッカー界からの永久追放が確定した。

セリエAで最強を誇っていたユヴェントスの権威は地に堕ち、世界のサッカークラブやファンからは厳しい目が注がれることとなった。

残留したスター選手、サッカー界の光と闇

2006−07シーズン、セリエBで戦うことになったユヴェントスには、日本でもお馴染みのアレッサンドロ・デル・ピエロ選手やダヴィド・トレセゲ選手、後にクラブの副会長となるパベル・ネドベド選手、伝説的GKジャンルイージ・ブッフォン選手らが残留する。

そしてユヴェントスは1年でセリエAに復帰。2007−08シーズンにはCL出場権を獲得するまでに復活を遂げた。そこからは当時イタリアで珍しかったチアリーダーによる盛り上げや、クラブOBのアントニオ・コンテ監督らを招聘し徐々にチームの基盤を再構築。オーナーにも増資を促すなどしながら、セリエAの名門へと返り咲くために着実に歩みを進めてきた。

現在でこそ「セリエA最強」の声名高いユヴェントスだが、その歴史の裏には闇があること、それによって多大な苦労と時間を要したことも事実だ。 サッカー界には時折こうした闇があるが、サポーターはそこから目を逸らすことなく応援することが大事なのかもしれない。

セリエAを5連覇!アッレグリがつくるユヴェントス

ユヴェントスは2011−15シーズンまで実に5連覇もの偉業を成し遂げている。もちろん、全てのシーズンが1年を通して安定していたわけではないが、セリエAにおいては一際質の高いサッカーを展開し、有力な選手を数多く抱えているクラブだ。

2014−15シーズンからはライバルクラブであるACミランを率いていたマッシミリアーノ・アッレグリを招聘。就任当初はサポーターから批判を集めるも、積極的かつ的確な補強と勝負強いサッカーで求心力を高めることに成功している。

2015−16シーズンには、カルロス・テベス選手やアンドレア・ピルロ選手、アルトゥーロ・ビダル選手ら主力を相次いで放出するも、すぐさま逸材パウロ・ディバラ選手やマリオ・マンジュキッチ選手、サミ・ケディラ選手らを獲得。適度な若返りと足りない戦力を補った。
さらに2016−17シーズンは、前シーズンの得点王(36得点)であるゴンサロ・イグアイン選手を100億円超えでSSCナポリから獲得。サッカー界を大いに賑わせた。

ユヴェントスの最前線はスピード&パワー?

ユヴェントスやセリエAの最前線、トップの位置でプレーするFWは、それぞれスピードとパワーを持ち味とする選手が置かれる場合が多いだ。 近年ではディバラ選手とマンジュキッチ選手らの組み合わせがわかりやすいかもしれない。

ただ、2016−17シーズンに入ってからは、テクニックに長けるイグアイン選手らがおり、ユヴェントスでは珍しい4ー2-3-1のシステムが採用されることも増えた。このシステムではトップの位置にイグアイン選手が、トップ下には抜け出しを得意とするディバラ選手が、そしてなんとサイドにマンジュキッチ選手が置かれることがある。
「マンジュキッチをサイドに置くというのはいかがなものか」という声もあったが、29節終了時点では2位ASローマと勝ち点差8の73ポイントで首位。さすがユヴェントスといった強さをみせている。

アッレグリ監督はこのシーズンを最後に退任の意向を示しており、もしかすると最後の遊び心か、あるいは後任の監督のために、一種のシミュレーションを行っているのではないかと思われる。 来季からどんな攻撃陣が築かれるか楽しみだ。

悲願のCL獲得!その可能性はあるのか

ユヴェントスはCLのタイトル(ビッグイヤー)獲得を悲願としている。 2014-15シーズンには決勝まで進みながら、FCバルセロナ(以下、バルセロナ)相手に1-3と敗北。スタメン控えともに盤石の陣容で臨んだが、61%ものポゼッションを奪われバルセロナの倍である24ものファールを計上。終始試合をリードされる形で終了を迎えた。

ユヴェントスが今後も本気でCLの獲得を狙うならば、更なる陣容の補強と若返りを図らねばならないだろう。マンチェスター・ユナイテッドFCに引き抜かれたポグバ選手の穴は大きく、後方のキエッリーニ選手、バルツァーリ選手らで形成される守備陣には老化の兆しが見え始めている。 CLはグループステージを含め、とても長い期間にわたって開催される。ユヴェントスはリーグでのタイトル獲得も絶対条件だから、どちらか一方に注力することは許されない。

最上のローテーションを繰り返すことで、勝ち点と経験を積み重ねチームとしての成熟度を図らなくてはならないわけだから、チームの若返りと一層の拡充が必要となるだろう。

スペインリーガやブンデスリーガが獲得を重ねるCL、セリエAのユヴェントスが獲得してくれることを願ってやまない。