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躍進を見せるチリがコンフェデレーションズカップに挑む

2017 5/1 19:13Aki
サッカー
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Photo by AGIF/Shutterstock.com

2015年自国開催のコパ・アメリカで初優勝を飾ると、2016年のコパ・アメリカ100周年記念大会センテナリオでブラジル、アルゼンチンなどの強国を下し連覇を果たすなど、その躍進が止まらないチリ。コンフェデレーションズカップではどのような活躍をみせてくれるのだろうか?

中堅国から強豪国へと躍進を遂げたチリ

チリのサッカー協会設立はブラジルより早く、アルゼンチンに次ぐ2番目の1895年とサッカーの歴史がある国だ。
また、コパ・アメリカ、ワールドカップ第1回大会に出場している古豪なのだが、その名が世界にとどろくようになったのは、サッカーが世界的にも大きな市場を持つようになっていった1990年代後半だ。イバン・サモラーノ選手とマルセロ・サラス選手のZaSaコンビがヨーロッパのクラブシーンで活躍をしたのも、この時期だ。
国際舞台では南米の中堅国の1つでしかなかったが、マルセロ・ビエルサ監督の下、2010年南アフリカワールドカップに3大会ぶりに出場を果たすと、その後監督を務めたホルヘ・サンパオリ氏の下でさらに躍進する。
2015年の自国開催となるコパ・アメリカでは悲願の初優勝を達成した。

サンパオリ監督の後を引き継ぐピッツィ監督がコパ・アメリカ連覇を達成

サンパオリ監督が2016年1月に退任し、その後任に就任したのは同じアルゼンチン出身のフアン・アントニオ・ピッツィ監督だった。
ピッツィ監督は現役時代スペインで活躍したフォワードだ。1995-1996シーズンには得点王となり、その後バルセロナでもプレーした。当時のチームにはロナウド選手やフィーゴ選手がいたため、絶対的な存在ではなかったがスーパーサブとして活躍を見せ、スペイン国籍を取得すると1996年の欧州選手権、1998年のワールドカップにスペイン代表として出場している。
ピッツィ氏がチリ代表の監督に就任したのは、前任者が初優勝した直後というプレッシャーのかかる状況だったが、2016年のコパ・アメリカ100周年記念大会センテナリオでそのプレッシャーをはねのけ連覇を達成。監督としての能力を証明することに成功した。

花開いた世界屈指のタレント軍団

チリ代表の躍進のきっかけとなったのは、現在リーガ・エスパニョーラでも監督としてセビージャの躍進を支えているサンパオリ氏だ。元チリ監督であるビエルサ氏の信奉者としても知られ、現在バルセロナの次期監督としても噂される攻撃的なサッカーが信条の監督だ。
サンパオリ監督の後を引き継いだピッツィ監督もその方針を踏襲し、コパ・アメリカ連覇によってチリ代表は世界屈指のタレント軍団へと進化した。
バイエルン・ミュンヘンでプレーするアルトゥーロ・ビダル選手、バルセロナからマンチェスター・シティへ移籍したクラウディオ・ブラーボ選手、アーセナルのアレクシス・サンチェス選手、インテルのガリー・メデル選手、レバークーゼンのチャルレス・アランギス選手など、ヨーロッパのトップクラブに在籍する選手が複数存在している。

初出場となるコンフェデレーションズカップではグループBに

2016年11月に行われた組合せ抽選会でオーストラリアはグループBに振り分けられることが決まり、最後の出場チームが決まるアフリカネイションズカップ2017ではカメルーンが優勝を決め、すべての参加チームが決定した。
チリ代表が入るグループBに同居するのは、アフリカネイションズカップ2017王者カメルーン、AFCアジアカップ2015王者オーストラリア、FIFAワールドカップ2014王者ドイツの3チーム。
大会屈指の好カードといえるチリ対ドイツがグループリーグで見られることになった。

コパ・アメリカ同様の旋風に期待が集まる

2015年にコパ・アメリカ初制覇ということは、当然コンフェデレーションズカップには初出場だ。しかし、2017年3月のFIFAランキングでは4位にランクインしており、大会出場チームとしてはドイツの3位に次ぐ高順位となっている。
また、チリ代表のプレースタイルはハードワークとテクニックが融合した現代スタイルの攻撃サッカー。メンタル面でもビダル選手やA・サンチェス選手など世界のトップレベルで何年にもわたって活躍している選手も健在なので、初出場ながら旋風を起こす可能性は十分あるといえるだろう。

まとめ

コンフェデレーションズカップ初出場。野心に溢れるチリ代表は、ハードワークとテクニックが両立する現代的な選手を複数抱えた今最も注目の代表チームだ。 初戦は現地時間6月18日アフリカ王者のカメルーン戦、注目のドイツ戦は現地時間6月22日となる。