イタリアで花開いたCF!ゴンサロ・イグアイン
ゴンサロ・イグアイン選手は、イタリアのセリエAで花開いた素晴らしいCFだ。
かつてはレアル・マドリードCF(以下、マドリー)に所属していたが、クリスティアーノ・ロナウド選手やカリム・ベンゼマ選手らの牙城を崩すことができず、出場機会を満足に得ることができなかった。
結果、出場機会を求めてラウール・アルビオル選手やホセ・カジェホン選手らとセリエAのSSCナポリ(以下、ナポリ)に渡る。
ナポリに渡った彼らは出場機会を獲得し、スタメンを確保するようになる。なかでも、イグアイン選手の活躍はめざましく、加入1年目の2013?14シーズンにはCL出場権内の3位でフィニッシュ、加入3年目の2015?16シーズンには36ゴールをマークしセリエAの最多得点記録を66年ぶりに更新した。
イグアイン選手の持ち味はとにかく結果を出すことだ。これまでのシーズンでは出場機会の少なかったマドリー時代の2007?08シーズンから毎年2桁得点を記録し続けている。両足に、頭、胸、体のパーツのどこを使っても上手くボールを操り、シュートシーンに絡む姿は、どのストライカーにとっても良い手本だ。
2016?17シーズンからはナポリサポーターの大きな反感を買いつつも、ユヴェントスFCに移籍。シーズン開幕直前には「太った」とされつつも、開幕直後から得点を量産。セリエAで出場機会を確保したイグアイン選手の向かう所は敵なしだ。
シティの絶対的エース!セルヒオ・アグエロ
マンチェスター・シティFC(以下、シティ)は、年々多額の移籍金を使い顔ぶれが激しく変わるクラブで有名だ。
しかし、そんなシティでも絶対的なエースとして君臨し続けているのがセルヒオ・アグエロ選手だ。前所属のアトレティコ・マドリードで名を挙げ、2011年からシティに所属。2011?12シーズンの最終節には奇跡の同点ゴールを挙げ、シティの44年ぶりのリーグタイトル獲得を演出した。
優れたドリブルスキルに素早い抜け出しで、ゴール前へ躍り出るのがアグエロ選手だ。1対1の駆け引きにも強く、常にボールをゴールに沈めることができる。生半可な選手であれば、シュートをふかすこともあるのだが、アグエロ選手はそんな心配とは無縁で、チームメイトは安心して彼にボールを集めていくことができる。
2016?17シーズンの冬の市場からは新星ガブリエル・ジェズス選手がシティに加入し、スタメンが脅かされつつある。これからシティの前線ではスタメン争いが激化していくことが予想されるが、アグエロ選手にはこれからもエースで居続けてもらいたいところだ。
チェルシーのモンスター!ジエゴ・コスタ
長年エースストライカーを探し求めてきたチェルシーFC(以下、チェルシー)にとって、ジエゴ・コスタ選手の活躍はビッグニュースだった。これまで多額の資金を投じCFの選手を獲得しても、いまひとつ定着してこなかったのだから。
ジエゴ・コスタ選手は貪欲にゴールを狙う姿勢が持ち味で、相手に競られても引っ張られてもとにかく前に進もうとする。そして倒されるや否や相手を睨みつけ、主審に抗議する。このプレースタイルのせいで度々トラブルになることもあるが、この闘う姿勢に好印象を受けるチェルシーサポーターは多い。
移籍当初は自分ばかりで攻めようとする場面が多くあったが、チームメイトのエデン・アザール選手やウィリアン選手らとの戦術理解が深まると、上手くボールをやり取りしながら攻めることができるようになった。
度々古巣のアトレティコ・マドリードや中国リーグへの移籍が噂され去就が気になるのもジエゴ・コスタ選手の特徴の1つだ。少々強面な出で立ちも、そのプレースタイルもモンスターと評される彼は今後もチェルシーで点を決めてくれるのだろうか。
容赦なしの点取り屋!ロベルト・レヴァンドフスキ
ロベルト・レヴァンドフスキ選手は、FCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)不動のCFとして活躍している。目立ったドリブルスキルはないが、ポジショニングとシュートの決定力はずば抜けて優れており、次々と得点を量産することができる。チームメイトはレヴァンドフスキ選手にボールを集めるだけで、簡単にゴールが決まっていき、その様子はシュート練習をしているかのように飄々としている。
かつてはバイエルンの宿敵ボルシア・ドルトムントに所属しており、バイエルンへの移籍時には裏切り者の烙印を押されたこともある。この2クラブ間では、レヴァンドフスキ選手だけでなく、マリオ・ゲッツェ選手やマッツ・フンメルス選手などの移籍も実現しているため、古巣のサポーターから反感を買うのは致し方ないことだ。
とはいえ、レヴァンドフスキはプロのフットボーラー。古巣だからといって手を抜くことは一切なく、粛々と得点を量産し続けている。
赤い悪魔の首領!ウェイン・ルーニー
プレミアリーグの赤い悪魔「レッド・デビル」といえば、マンチェスター・ユナイテッドFC(以下、ユナイテッド)だ。そしてその赤い悪魔の首領がウェイン・ルーニー選手だ。
20代の頃は悪童としても有名なルーニー選手だったが、イングランド代表やユナイテッドでキャプテンマークを巻くようになると、ガラリと別の人間になる。プレーには落ち着きがみられるようになり、味方を上手く使うこともできるようになった。周囲をよく見回し、的確な選手に的確なパスを出すことができるようになった。
サー・アレックス・ファーガソン監督退任後のユナイテッドは不調を続けており、ルーニー選手のプレー位置は定まっていない。負傷したチームメイトがいれば、その穴を埋めるべくCFとしてプレーすることもあれば、中盤の高い位置も低い位置もこなす。監督の求めに応じて、サッカー選手としてのユーティリティー性を開花させ、どこでもプレーできるようになった。
また、ユナイテッドでの得点記録は1月に250となり、歴代1位で得点力も抜群であることを証明、彼は名実ともにチームの柱だ。
ルーニー選手に悪童という言葉を投げかけるのはもう時代遅れかもしれない。彼ほど万能でチームメイトを支えられる選手は他にはいない。
CFの選手の調子次第で、クラブの成績も大きく左右される。逆にいえば、CFの選手がブレイクすればクラブは思わぬ快進撃を続けることもある。極めて大きな影響力を持つCFの選手たちに、今後も注目いただきたい。