サッカー史に名を刻む神童!リオネル・メッシ
世界最高峰のWGといえば、やはりリオネル・メッシ選手の名前を挙げないわけにはいかない。
名門FCバルセロナ(以下、バルセロナ)の門をたたいて以来、「神の子」として大切に育てられ、クラブの看板とサッカー界の期待を背負う素晴らしい選手になった。蜜月の時を過ごす両者には堅い絆があり、「バルセロナがあるからメッシがある、メッシがあるからバルセロナがある」ともいえる関係性だ。
メッシ選手は、幼少期に成長ホルモン分泌不全症にかかっているが、この治療をクラブは完全サポート。小柄ながらも、年々フィジカルを強化していき簡単には倒れない選手となった。
安定感があり小刻みなドリブルは、多くの選手を手玉にとるかのようでファウルでなければ止められないといっても過言ではない。4,5人に囲まれても容易に突破するシーンが多く見受けられるため、身体の全方向に目が付いているのではないかとも疑ってしまう。
これまでにはSTやCFとしてプレーすることが多かったのだが、ルイス・スアレス選手やネイマール選手とのトリオからなるMSN結成時からは、右WGでのプレーがメインとなっている。
また、メッシ選手とクリスティアーノ・ロナウド選手は、度々ライバルであるかのように扱われ比較されることもあるが、タイプ的には全く別の選手だ。どちらが劣っているとも優れているとも断定できない。本人同士もライバル関係にあることを否定しており、リスペクトしていることを公言している。
ブラジルが誇るファンタジスタ!ネイマール
ネイマール選手はブラジルが生んだ至宝で、これからのサッカー界を背負って立つ選手だ。鋭く機転に富んだドリブルを持ち味とし、バルセロナ右WGで躍動する選手だ。時折あまりにもトリッキーなドリブルをするため、相手選手やサポーターの反感を買い、非難されることさえある。それでも、ネイマール選手のドリブルは間違いなく一流のものであり、世界屈指のレベルだ。
日本では2011年のクラブW杯で来日し、奇抜な髪形で話題になった。かつてのベッカムヘアーのブームを思い起こした方もいらっしゃるのではないだろうか。この時のネイマール選手はまだ10代で、奇抜なファッションだけが話題で終わってしまう選手と感じ取ったメディアもいた。当時の彼は身体も細く、運動量もいまひとつの選手だったし、無理もないだろう。
しかし、バルセロナに渡ってからの彼は世界最高峰の攻撃陣であるMSNの一角を担い、押しも押されもせぬ名選手の仲間入りを果たす。前項のメッシ選手と共存できるかが心配もされたが、素晴らしい関係を築くことに成功している。
タイトルを総なめ!クリスティアーノ・ロナウド
2016年のクリスティアーノ・ロナウド選手は、キャリアのなかで最も素晴らしいシーズンを過ごした。所属するレアル・マドリーCF(以下、マドリー)のCL制覇、さらには2016年度のFIFA最優秀選手賞など、素晴らしいタイトルの獲得を連発した。
切り裂くようなドリブルに力強いフィジカルとシュートは、常に相手のゴールマウスを捉え多くの勝利をもたらしてきた。
30代を迎えてからは、WGの位置からの攻め上がりの速さは少し遅くなった。とはいえ、元々卓越していたゴールへの嗅覚はさらに凄みを増し、ストライカーとしての力を発揮しつつある。打点の高いヘディングシュート、両足を器用に使えること、少し振り抜いただけで弾丸のように飛ぶミドルシュート、彼のゴールパターンはとても豊富で、どんなチャンスも逃しはしない。
マドリーではギャレス・ベイル選手、カリム・ベンゼマ選手らとBBCという攻撃トリオを築く。ベイル選手と織りなす両翼からの鋭い切り込みは相手DFの対応にブレを生じさせ、中央のベンゼマ選手が抜け出す機会を用意する。
ちなみにロナウド選手は『CR7』という名のブランドを自身で手掛けており、自身もモデルとしてPR活動を行っている。まだまだ先であることを願いたい彼の引退だが、次のキャリアも大勢の人を驚かせてくれそうな気がする。
ウェールズの魂!ギャレス・ベイル
ギャレス・ベイル選手は前項のロナウド選手らと築くBBCの右WGを担当する選手だ。
爆発的なスピードでサイドを駆け上がるスプリンターとして有名で、ボールを大きく蹴り出し一気に加速することができる選手だ。その上フィジカルにも優れるため、圧倒的な突破力を武器にゴールに迫ることができる。さらには高精度かつ高威力のFKも持ち味としている。
元々がSB出身の選手ということもあり、守備への貢献も他のWGに比べれば高い質を期待できる。高い攻撃力を誇るマドリーの選手陣のなかでも、ベイル選手がこなす攻守のタスクは極めて重要だ。
2016年のEUROでは躍進の続けたウェールズを牽引し、素晴らしい活躍をみせた。彼の気さくさで人当たりの良い性格は誰もが知るところであり、人格者ということでも有名だ。
神出鬼没のWG!アントワーヌ・グリーズマン
アントワーヌ・グリーズマンはアトレティコ・マドリード(以下、アトレティコ)の誇る素晴らしいアタッカーだ。機をみた抜け出しにより得点を量産し、移籍した2014?15シーズンから22ゴールという活躍をみせる。
プレーする際はWGであることもあればCFであることもあり、神出鬼没な働きを得意としている。
2016年のCL決勝では宿敵マドリーを前に敗れ、フランス代表として出場した同年のEURO2016でも決勝で涙をのんだ。いずれも立ちはだかったのは宿敵マドリーとポルトガル代表のエース、クリスティアーノ・ロナウド選手だ。この時の悔しさは彼の中でよほど大きかったのか、2016?17シーズンは不調に陥り思うように得点を挙げられていない。親指と小指を立てて躍る、彼独特のセレブレーションをまた観たいものだ。
2017年の夏にはマンチェスター・ユナイテッドFCへ移籍するのではないかと噂されている。このクラブにはかつてから敬愛するベッカム氏が所属していたし、将来的な移籍の可能性はゼロではないだろう。
WGで活躍する選手はサイド突破とゴールに絡むプレーを期待される。自身で得点することも多いため、よく目立ち世界的にも有名な選手が名を連ねる。メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手は間違いなく歴史に名を遺す選手となるだろう。この2人を同時に観ることができる時代に生まれたことは、私たちサッカーファンにとっては、ある意味奇跡だ。