爆発的スプリンター!アリエン・ロッベン
アリエン・ロッベン選手は、世界でも有数のスプリンターだ。過去に試合中たたき出した速度は時速37kmで、これを100m換算した場合のタイムは10.28秒だ。
この足の速さはサイドを主戦場とするアリエン・ロッベン選手の一番の持ち味だ。それでいて、ドリブルスキルにも長けており、多くの相手選手を置き去りにすることができる。ロッベン選手は「爆発的な」スプリンターといって差し支えない。
シュートの威力やコントロール技術も素晴らしく、得点力も十分。ロッベン選手は紛れも無く世界最高峰のSMFだ。
2009?10シーズンから所属するFCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)では、独善的なプレーを批判されることもある。自己犠牲とチームプレーを重んじるペップ・グアルディオラ監督就任時には、放出される噂もあった。
しかし、その心配をよそにチームのために働き続け、監督の信頼を獲得している。
ドルトムントを愛する男!マルコ・ロイス
BVボルシア09 e.V. ドルトムント(以下、ドルトムント)に所属するマルコ・ロイス選手は、クラブの象徴ともいうべき存在だ。
ブンデスリーガでは、ドルトムントとバイエルンの選手層が最も厚く、タイトル争いも熾烈を極めている。
ただ、バイエルンの方がブランド力と資金力でも優位でドルトムントの選手がバイエルンによって強奪されるような移籍も頻発している。ドルトムントの攻撃陣を牽引していたマリオ・ゲッツェ選手やロベルト・レヴァンドフスキ選手、キャプテンのマッツ・フンメルス選手らは相次いで宿敵の手に渡った。そんな状況においても、ロイス選手はクラブへの愛を語り、クラブに留まり続けている。
少々負傷がちなのが心配の種だが、ロイス選手が本領を発揮した時のドルトムントは間違いなく輝いている。サイドをスルスルと突破し、美しいクロスを味方に供給することができる。
これからもドルトムントでキャリアを積んでいけば、いずれはフロント入りもあり得るのではないだろうか。
攻撃の演出家!ダビド・シルバ
ダビド・シルバ選手はマンチェスター・シティFC(以下、シティ)に所属している選手だ。主にサイドを主戦場とし、細かなタッチで突破していくことを得意としている。それほどスピードがあるというわけではないのだが、無駄のないドリブルには相手DFの付け入る隙がなく、「自然とサイドを支配している」というのが彼の真骨頂だ。
また、どんな体勢からもパスを出すことができるため、相手の不意を打つキラーパスと、攻撃のテンポを早める鋭い楔のパスを通すことも得意だ。シティの攻撃の根幹を担っているのは、このシルバ選手の活躍あってのものだ。彼がいなければ、試合運びは単調になり、試合としても退屈なものになりがちだ。
柔らかな笑顔に好印象を受けるサポーターも多いシルバ選手、実は日本人にルーツを持っている。同様の事例としては、2017年冬の移籍で中国リーグへ渡った、ガエル・カクタ選手が有名だ。
母国復帰の天才!ディミトリ・パイェ
ディミトリ・パイェ選手は2017年冬の移籍でオリンピック・マルセイユ(以下、マルセイユ)に移籍した選手だ。マルセイユは前所属のウェストハム・ユナイテッドFC(以下、ウェストハム)所属前に所属しており、今回の移籍は古巣への復帰ということになる。パイェ選手の日本語表記には様々あり、他には「パイェット」、「ペイェ」などがある。
シーズン途中でウェストハムを退団するまでには、「公式戦への出場拒否」という大事件があった。高給を受け取るサッカー選手にとって、試合への出場は大命題であり、許されることではない。しかし、パイェ選手は母国への復帰を希望し、拒否を続ける。マルセイユはウェストハムに何度もオファーを出し、実に3度目にして獲得を成功させた。サッカー界の三顧の礼といったところだろうか。
これだけ聞くと、パイェ選手はただの問題児のように思える。ただウェストハムが彼を保持しようとしたのは、パイェ選手が大変価値のある選手だったからだ。類稀なドリブルスキルに鋭く曲がるFKは相手選手を恐怖に陥れる。パイェ選手の母国開催であったEURO2016でも持ち味を全て発揮し、パイェ選手の市場価値をグッと押し上げる要素となった。
安住の地に戻ったパイェ選手がマルセイユを上位に押し上げることができるかに注目が集まる。マルセイユが戦うリーグ・アンではパリ・サンジェルマンFCとASモナコの牙城を崩すのがとても難しい。ここを崩す活躍を見せることができれば、以前の問題で持ち上がった彼への非難も吹き飛ぶことだろう。
全てを備えた最高のSMF!エデン・アザール
チェルシーFCに所属するエデン・アザール選手は、攻撃的なSMFが手に入れるべき技術の全てを持っている選手だ。
凄まじいドリブルスキルは相手陣営をえぐり取るかのようで、ディフェンスラインをつぶすように走り抜けていく。特にカットインする際のスピード感と細かなタッチは、他のドリブラーよりも頭一つも二つも抜き出るほどハイクオリティだ。
また、味方選手とのパス交換を行っての突破も得意としている。アザール選手が相手DFを釘付けにしているうちに、チームメイトのマルコス・アロンソ選手やジエゴ・コスタ選手にボールを預け、ワンツーで抜け出すイメージだ。この動きには一切の無駄がなく、確実に相手ゴールに近付くことができる。ドリブラーは独善的なプレーをしがちだが、彼にそんな心配は無用だろう。
ちなみに、弟のトルガン・アザール選手もサッカー選手だ。トルガン・アザール選手は、兄のエデン・アザール選手に比べればストライカー寄りの選手で、中央でボールを保持することを得意としている。ただ、ドリブルが得意という要素はこの兄弟双方に共通することのようで、どちらも素晴らしいスキルを持っている。「いずれは兄弟で共演を」との期待の声も多い。
SMFの選手はドリブラーであることが多く、サイドを突破しゴールに近付くことを得意とする。ただ味方を上手く使いながら、あるいは自分自身を囮としながら、味方の攻撃を演出することに長けているところもある。華麗で観る者の目を奪うSMFの選手にこれからも注目いただきたい。