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世界が認めるSBの現役選手!プレースタイルとクラブでの役割とは

2017 4/12 20:20dada
philipp lahm
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ティキタカ期待の星!セルジ・ロベルト

セルジ・ロベルト選手は名門FCバルセロナ(以下、バルセロナ)の誇る期待の右SBだ。元々は中盤でのプレーが本職の彼は優れたパスセンスを武器に、バルセロナの攻撃をバックアップし続けた。
バルセロナにはティキタカと呼ばれる独特のリズムの攻撃があり、それに順応できない選手は生き残ることができないとされる。しかし、セルジ・ロベルト選手はこれに難なく柔軟するばかりか、中盤だけでなく、サイドアタッカー、SBまで担当できるオールラウンダーな選手へと成長を続ける。
2016?17シーズンからはダニエウ・アウヴェス選手が抜けた穴を埋めるべく、SBを担当している。自身が攻撃も得意とするためか、相手の攻撃パターンを的確に先読みし、シャットアウトすることができている。

マドリーの偉大な左SB!マルセロ

レアル・マドリーCF(以下、マドリー)では、先輩左SBにロベルト・カルロス選手という偉大過ぎる存在がいた。スピード、フィジカル、そして代名詞ともいえる強烈なミドルシュートは、多くのサポーターの記憶に残っている。 そんなマドリーの左SBを2007?08シーズンから務めるのが、アフロヘアが特徴のマルセロ選手だ。
マルセロ選手は安定した守備に加えて、サイド突破、そして正確なクロスを持ち味とするSBだ。 ロベルト・カルロス選手とは同じブラジル代表で、彼の正統な後継者としても名高い選手である。 先輩の方が目立っているのは、攻撃性能の高さ故だろう。やはり、攻撃参加する選手の方が目立つのは仕方ない。
しかし、マルセロ選手は前述の通り正確なクロスが持ち味で、味方を活かす技術の高さに疑いの余地はない。クリスティアーノ・ロナウド選手との左サイドコンビは安定感があるし、2人でパス交換を繰り返しながら相手陣営を破壊していく様は壮観だ。クリスティアーノ・ロナウドは守備のタスクをあまりこなさないことでも有名だが、それが許されるのも後方に控えるマルセロ選手の活躍あってこそだ。

最高のキャプテン!フィリップ・ラーム

フィリップ・ラーム選手はFCバイエルン・ミュンヘン在籍の選手だ。同クラブとドイツ代表ではキャプテンを長年にわたって務め、間違いなく歴史に残る選手だ。キャリア通算で700を超える試合に出場しているが、一度もレッドカードによる退場はなく、その献身的なプレーでいつもチームメイトを支えてきた。
右SBが本職だが、ペップ・グアルディオラ監督指揮時には幼少期に経験していたボランチとしてのプレーも再び開花させた。 元々スピードはないSBだったが、彼の持ち味は的確な読みにある。相手の攻撃を一手先も二手先も読むような動きができ、守備時のポジショニングセンスの高さは誰もが圧倒される。グアルディオラ監督がボランチとしてラーム選手を起用できたのも、このセンスの高さにあった。
愛称は「ザ・マジック・ドワーフ」、魔法の小人だ。体が小柄でもラーム選手には一切関係ない。

SBの枠にはめるのはもったいない!ダビド・アラバ

ダビド・アラバ選手は前項のラーム選手と同じくバイエルンで活躍する左SBだ。オーストリア代表でもあり、同国の年間最優秀選手に2016年末時点6年連続で選ばれている。
彼は優れた身体能力を武器に高い守備力を発揮し、テクニック面も十分で、パス、シュート、ポジショニングのどれをとっても素晴らしい力を持っている。 そのクオリティの高さは、SBの枠にはめておくのがもったいないほどで、どのポジションでプレーできるといっても過言ではない。
ブンデスリーガにおいて圧倒的な選手層を誇るバイエルンだが、主力の誰かが欠けたとすれば戦力ダウンは免れない。しかし、アラバ選手ならどこにあてはめても問題はない。バイエルンの勝手知ったる彼は、どの役割もそつなくこなしてくれることだろう。

ガナーズの快足SB!エクトル・ベジェリン

イングランドの名門アーセナルFC(以下、ガナーズ)で活躍しているのが、エクトル・ベジェリン選手だ。 彼は持ち前の快足でガナーズの右サイドを上下動し続けることができる。 ガナーズには同じく快足のセオ・ウォルコット選手が、ベジェリン選手よりも少し前でプレーしている。ウォルコット選手とベジェリン選手の快足コンビに付いていける選手は少なく、相手DFは度々置き去りにされているようだ。
ベジェリン選手は、元々FCバルセロナの下部組織出身のスペイン人だ。この時のティキタカへの習熟度が高かったためか、異国のイングランドでも高い攻撃性能を発揮することができており、チームに欠かせない存在となっている。
バルセロナの右SBがセルジ・ロベルト選手になる前は、古巣復帰も取り沙汰されたが2017年冬現在、この噂は収束している。

強烈な大砲をお見舞い!アレクサンドル・コラロフ

アレクサンドル・コラロフ選手はマンチェスター・シティFCの左SBを務める選手だ。これまで紹介してきた4選手と比べると見劣りするかもしれないが、グアルディオラ監督が信頼を寄せる選手の1人だ。 2016?17シーズンは同監督によってCBにコンバートとされる一面もあった。コラロフ選手は見事この期待に応えてみせ、新たな持ち味を引き出すことに成功している。
ただ、彼の元々の持ち味は強烈なミドルシュートにある。その威力の高さは大砲から放たれた砲弾のようで、速くそして重いシュートを放つことができる。グアルディオラ監督は選手の持ち味を活かすことに加え、プラスαの魅力を引き出すことに長ける監督だ。コラロフ選手もご他聞に漏れず素晴らしい光を放ち始めたところだ。
SBというポジションは、守備的な一面と攻撃的な一面を併せ持つものだ。今回紹介した選手はいずれもSBの選手だが、元々別のポジションでプレーした経験があったり、別のポジションへの適正を開花させたりした選手が大半だ。これはSBに限らず、現代サッカーの全ポジションにおいても共通次項だ。できるだけ多くのポジションをこなせる選手が必要とされる。
またSBは1つの能力だけを持ち味にしていても、本当に必要とされる存在になることはできない。攻守のトランジション時には彼らの動き出し、ポジショニング、プレー、その全てに注目していただきたい。きっとこのポジションの奥深さや面白さに気付いていただけるはずだ。