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香川真司所属!黒と黄のボルシア・ドルトムントを徹底解説!

2017 4/12 20:20dada
borussia dortmund
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黒と黄の強豪!ボルシア・ドルトムントの概要に迫る

ボルシア・ドルトムント(以下、ドルトムント)は、日本の香川真司が所属することでも知られるブンデスリーガ屈指の強豪クラブだ。 愛称は「黒と黄」や「BVB」で、サポーターが非常に熱気的であることでも有名だ。
ドルトムントの発足は1909年のことで、舞台となったのはドイツ北部の「ツム・ビルトシュッツ」というレストランだ。
すでに100年の時を経ているものの、クラブ創設期を知る関係者たちの証言により、ドルトムントの創設期はドキュメンタリー映画化されている。作品の名前は『ボルジッヒプラッツに生まれて‐フランツ・ヤコビとBVBの誕生』だ。2015年に完成しているこの作品は、約2年の準備と製作期間を経て完成した。

スタジアムは超満員!大勢の観客で大合唱

ドルトムントの本拠地であるジグナル・イドゥナ・パルクは80,720人の収容人数を誇るが、このスタジアムは毎試合のようにほぼ満員状態となる。過去にはほぼ100%の80,463人という数字を出したこともあり、世界一の熱狂度となっている。
スタジアムはドルトムントサポーター一色となり、スタジアムが揺れるほどの歓声でいっぱいになる。 チャント(応援歌)の迫力も凄まじく、これを聞くだけでもスタジアムに足を運ぶ価値があるといえる。ジャンプする人の波の動き、独特の雰囲気には誰もが身震いするのではないだろうか。

強奪される運命?ドルトムントの抱える闇

ドルトムントはSDのミヒャエル・ツォルグ氏を筆頭に、素晴らしいスカウト陣によって支えられているチームだ。これまでに国内外から多くの有望株を獲得し、育成することによって運営を成功させてきた。 2016?17シーズンにスタメンを獲得し始めた、ユリアン・ヴァイグル選手や争奪戦の末獲得したウスマン・デンベレ選手、ラファエル・ゲレイロ選手らはその代表格だ。
他のビッグクラブが獲得に本腰を入れる際には、ドルトムントはすでに契約目前。他のクラブの追随を許さない圧倒的なスピード感で若手を発掘している。 2017年の冬には「黒のイブラヒモヴィッチ」こと、アレクサンドル・イサク選手の獲得に成功。この先も若手を育成することで、スタメンの刷新と地力のアップを図ることだろう。
しかし、これまでに多くの優秀な選手たちを宿敵であるFCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)に強奪されている。ストライカーのロベルト・レヴァンドフスキ選手や主将を務めていたマッツ・フンメルス選手は、泣く泣く手放した。やはりバイエルンの方が財政上も上で、ブランド価値も上、選手は更なる高みを目指し、ドルトムントを離れていくようだ…。
その度にサポーターは大いに悲しみ、去っていく選手に「裏切り者」の烙印を押す。

快足ストライカー!オーバメヤンはいずこへ

ドルトムントの攻撃陣を牽引しているのが、快足が持ち味のオーバメヤン選手だ。サッカー界でも屈指のこのスプリンターは、機を見た抜け出しとその圧倒的な速さで得点を量産し続けてきた。 ドルトムントにとっては外すことのできない選手の1人で、彼の調子の良し悪しがクラブの成績の良し悪しを左右するほどだ。
しかし、オーバメヤン選手はスペインの名門レアル・マドリードCFをこよなく愛する選手として有名で、度々移籍をほのめかしているようだ。これまでに正式なオファーはないものの、一度話が舞い込んでくれば移籍する可能性は極めて高いだろう。ドルトムントのヴァツケCEOもこのことを承知済みで、もしオファーがあれば交渉の席に着くことを公言している。
おそらく、いつこの移籍が現実のものとなっても良いように、前述のアレクサンドル・イサク選手を獲得したのだろう。イサク選手は足元も巧く、ポストプレーもできる逸材だ。もしオーバメヤン選手のポジションが空けば、ウスマン・デンベレ選手らと同様、若くても出場機会が与えられるはずだ。

どうなる?!ゲッツェ復帰で揺れる香川真司の行く末

ドルトムントでブレイクした香川選手は、やがてプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドFCに移籍し、2014?15シーズンにドルトムントへ復帰。恩師であるクロップ監督とも再会を果たし新たな一歩を歩み始める。
以後、調子に波があり満足に出場機会を得ることができないこともあったが、徐々にチームの主力として活躍するようになる。2015?16シーズンには29試合9得点9アシストを記録しブンデスリーガのベストイレブンにも選出されている。
しかし、2016?17シーズンは香川選手とポジションを同じくするマリオ・ゲッツェ選手がドルトムントへ復帰。2人は熾烈なポジション争いをすることになる。 香川選手は味方を上手く使いながら攻撃を行う選手で、ゲッツェ選手よりは独力での突破能力に欠ける。ただ一方のゲッツェ選手もフィジカルの弱さが弱点で、両者それぞれで一長一短がある。上手く共存ができるのが一番なのだが、結果が出せない日々が続けば、ゲッツェ選手に軍配が上がる可能性もある。

ドルトムントがブンデスリーガを制覇するために必要なこと

ドルトムントは2010?11シーズンの2011?12シーズン以降、ブンデスリーガおよびCLなど世界の舞台でも思うような結果が出せていない。
相次ぐバイエルンへの主力の流出は戦力ダウンとチームの戦術浸透に多大な影響をおよぼし、チームの柱が失われつつある。2016年にはマッツ・フンメルス選手やイルカイ・ギュンドアン選手、ムヒタリアン選手も去り、全く違ったチームとなりつつある。現在のドルトムントは、かつて栄光を共にしたクロップ監督の政権から解き放たれ、トゥヘル監督と歩む新しい時代を築きつつある。
若く有望な選手を相次いで獲得し、しっかりと出場機会を与えている。彼が上手く育てば、今後10シーズン以上ドルトムント牽引してくれるかもしれない。
そのためにもバイエルンからの強奪から選手を守ることは最優先すべき事項だ。せっかく育てた選手をライバルクラブに奪われることは、本来決してあってはならないことだ。もしどうしても放出せざるを得ないのであれば、国外に放出すべきだろう。そうすれば少なくともブンデスリーガでは、放出した選手による直接的被害は被らずに済む。バイエルンの動きには常に敏感でいるべきだ。