夢見るタイトル!バイエル・レバークーゼンの概要とは
バイエル・レバークーゼン(以下、レバークーゼン)は1904年の歴史あるクラブだ。ブンデスリーガでは強豪クラブの1つとして有名だが、これまで目立ったタイトルの獲得はなく、ドイツカップとUEFAカップのそれぞれ1回ずつのみだ。
2001?02シーズンにはリーグ2位、国内カップ2位、CL2位を記録。「準三冠」と揶揄された非常に悔しいシーズンも経験している。選手もサポーターも喉から手が出るほどタイトルを欲している。もちろん、一番欲しいのは悲願のリーグタイトルだ。
クラブ名にもある「バイエル」はドイツの有名な製薬会社で、レバークーゼンはこの会社の資金提供により少しずつクラブを成長させてきた。クラブ名が少々難しいことから、日本のサッカーファンの間ではレバークーゼンのことを「薬屋」と呼ぶこともある。
世界的オーガナイザー!アルトゥーロ・ビダルの古巣
ユヴェントスFCを経てFCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)で活躍するオーガナイザー、アルトゥーロ・ビダル選手は、レバークーゼンでその名を高めた。チリの名門クラブCSDコロコロから生まれたこのスターはレバークーゼンの主力に定着し、欧州の名だたるクラブへの扉を叩くようになったのだ。
奇しくも回り回ってレバークーゼンのライバルクラブであるバイエルンへの移籍が実現してしまい、レバークーゼンとしては頭が痛いところだ。ただ、これもサッカー界では少なからずあることで、誰も責めることはできない。
もちろん、ビダル選手が古巣のレバークーゼンに手を抜くことはあり得ない。
守備のキーマン!ヨナタン・ターの凄さ
レバークーゼンの守備の要ともいうべき選手が、ヨナタン・ター選手だ。ター選手は1996年生まれでドイツ国籍とコートジボワール国籍を有している。
ドイツ代表を選択しているものの、ルーツであるコートジボワール人としての優れたフィジカルとスピードを併せ持つCBだ。若さに似合わず落ち着いたカバーリングで相手の攻撃をことごとくつぶすことができる。192cm92kgという体格は、空中戦においても他の選手を圧倒する。
おそらく今後数年の間にブレイクする可能性の高い選手だ。国内外のビッグクラブからオファーが届いた時、レバークーゼンが彼を慰留させられるかどうかが心配だ…。
アイドルのチチャリートはレバークーゼンで輝く!
「チチャリート」ことハビエル・エルナンデス選手は、その愛らしい笑顔が評判となり、国内外でアイドル的な扱いをされることもある選手だ。
チチャリートは「小さなえんどう豆」という意味で、彼のお父さんの眼の色が緑によることに由来している。彼のお父さんは、「チチャーロ」の愛称で親しまれるサッカー選手だったのだ。
エルナンデス選手はマンチェスター・ユナイテッドFCやレアル・マドリードCFなど、世界屈指のビッグクラブを渡り歩き、2015?16シーズンからレバークーゼンに所属している。快足を持ち味とし、ボールを落ち着いてコントロールできるのがエルナンデス選手の持ち味だ。
ベテランの域に達しつつある彼が今後もレバークーゼンに留まり、得点を量産してくれることを祈る。彼ほどどこでも愛される選手も珍しく、もし手放すようなことになればサポーターはビダル選手の時と同様、大きく落胆することだろう。
天才的なフリーキッカー!ハカン・チャルハノールはどうなるのか?
レバークーゼンに所属する選手のなかでも、ずば抜けたテクニックを持っているのが背番号10のハカン・チャルハノール選手だ。
チャルハノール選手は主にトップ下の位置でプレーする選手で、チームにパスを供給する司令塔として活躍している。またセットプレー時には強く曲がるボールを蹴ることができ、特にFKの腕前はピカイチ。世界でも有数の天才的フリーキッカーとして知られている。
そんなチャルハノール選手に、2017年2月大事件が起こる。それはスポーツ仲裁裁判所の仲介によって下された「4ヶ月間の公式戦出場停止措置」だ。
これはチャルハノール選手は所属していた2011年のカールスルーエSC所属時の問題による罰則だ。10代の頃のチャルハノール選手は決まっていたはずのトラブゾンスポルへの移籍を反故にし、カールスルーエSCと契約を延長した。この訴えの結論がやっと出たわけだ。
この判決および罰則は、チャルハノール選手にとっても、レバークーゼンにとっても晴天の霹靂だっただろう。
彼はコメントを出し、4か月間分の給与を受け取らないことを申し出た。そしてレバークーゼンは試合に出場できなくとも、チャルハノール選手のコンディジョンが落ちないよう、サポートすると約束。両者は問題の解決に向かって、歩き出している。
移籍の噂もあるチャルハノール選手、新シーズンもレバークーゼンでプレーするのだろうか。
ブレイク間近?逸材ケビン・ホラント
前述のエルナンデスと前線でタッグを組んでいるのがケビン・ホランド選手だ。彼は、パスやシュート、どんなプレーもそつなくこなすことができる選手で、エルナンデス選手の引き立て役として躍動している。スピードやドリブル時の軸の安定感も十分だ。
主戦場は利き足が左ということもあり左サイドで、エルナンデス選手の陰から切り込む、シャドーストライカーとしてプレーすることもある。ドイツのU代表でも各年代で招集されており、これから更なる飛躍が期待されている。
タイトルを狙うにはタレントの慰留が大命題!
ブンデスリーガでは、バイエルンの選手層が最も厚く、毎シーズン優勝候補として君臨し続けている。この牙城を崩すべく、ブンデスリーガの全クラブが名乗りを挙げるわけだが、バイエルンはそんなライバルを尻目に豊富な資金力を披露し続けている。海外の有望株はもちろん、国内ライバルクラブの主力引き抜きにも熱心で、多くのクラブが対応にあくせくしている。
レバークーゼンにもバイエルンが欲しがるような逸材が多く所属している。レバークーゼンがタイトルを狙うには、彼ら逸材の活躍が欠かせないが、目立ってしまうとバイエルンが引き抜きを狙ってくるわけだ。これがレバークーゼンをはじめとした中堅クラブのやるせない部分だ。
若い頃からせっかく育てた選手も、他のビッグクラブに次々と去っていく。これは悲しくも避けがたい事実だ。引き抜きは覚悟しておくべきだし、引き抜かれた後のプランを常に練っておくべきだろう。そして、どうせ売るならできるだけ高額で売ることを心がけ、次の逸材を確保するための資金に充てるべきだ。
まだ時間はかかるかもしれないが、レバークーゼンがタイトルを獲得できる日が待ち遠しい!