ASローマ、優勝の軌跡
ASローマは1927年に創設された歴史のあるクラブです。1929年にスタートしたセリエAにおいて、1951-52シーズンを除くすべてのシーズンで出場し続けています。
優勝(スクデット)は1941-42、1982-83、2000-01シーズンの3回。そのうち直近に獲得したスクデットである2000-01シーズンは、当時日本代表としても活躍していた中田英寿選手がレギュラー格として在籍していました。
ヨーロッパの主要大会では1960-61シーズンに現在のUEFAヨーロッパリーグを優勝しています。
激闘の先に待ち受けていた歓喜!2000-01シーズンのスクデット
2000-01シーズンのローマはタイトル奪還を至上命題としていました。なぜならその前年、チームはファビオ・カペッロ監督を招聘して優勝争いに加わるも後半に失速、最大のライバルであるラツィオに優勝をさらわれてしまったからです。
雪辱を期すローマは、ガブリエル・バティストゥータ選手やエメルソン選手、ワルテル・サムエル選手といった世界的スターを獲得してこのシーズンに挑みます。
ターニングポイントは終盤の第29節、優勝候補ユヴェントスとの直接対決です。後半で0-2と劣勢のローマは絶対的存在のフランチェスコ・トッティ選手に代えて中田選手を投入。その3分後、中盤でボールを奪った中田選手がミドルシュートを叩き込み反撃を開始すると、ロスタイムには再び中田選手のミドルシュートからモンテッラ選手が押し込み同点。この試合で勝ち点1を得たローマは、最終的に勝ち点差2をつけてユヴェントスを下し、歓喜のスクデットを手に入れたのです。
2016-17シーズンを戦うASローマの主力選手たち(1)
16年振りとなる悲願のスクデットに照準を定めるASローマ。その中心となる選手を抜粋してご紹介します。
GKはイングランドの強豪アーセナルからレンタルで獲得したポーランド代表のヴォイチェフ・シュチェスニー選手がリーグ戦のゴールマウスを守っています。
CBには堅守で知られるギリシャ代表のコスタス・マノラス選手と、新戦力で195cmの身長を誇るフェデリコ・ファシオ選手など実力者が揃います。攻撃的な右SBのブルーノ・ペレス選手も新戦力です。
今シーズン、ローマのDF陣はレンタルを含め6人もの選手を新加入させました。
2016-17シーズンを戦うASローマの主力選手たち(2)
中盤には重鎮のダニエレ・デ・ロッシ選手とオランダ代表のケヴィン・ストロートマン選手、トップ下も担うベルギー代表のラジャ・ナインゴラン選手が中心。
サイドには世界最高クラスのスピードに決定力も併せ持つエジプト代表モハメド・サラー選手、アルゼンチン代表のアタッカー、ディエゴ・ペロッティ選手、イタリア代表のステファン・エル・シャーラウィ選手といった一流が名を連ねます。
センターFWはマンチェスターシティから移ってきた大物エディン・ジェコ選手、そしてローマの王様トッティ選手が控えています。
今シーズンのローマが乗り越えるべき問題点
2016-17シーズン、ローマがスクデットを獲得するにはいくつかの問題を解決する必要があります。
1つはユヴェントスに引き抜かれてしまったミラレム・ピアニッチ選手の穴埋めです。ローマには優秀なMFが揃っているものの、いずれも激しいプレースタイルで推進力を長所としています。ピアニッチ選手のようなゲームメーカーがいれば、より攻撃が多彩になり、特に膠着状態にある試合展開では有効です。
守備陣に故障者が出ていることも懸念材料です。右サイドで活躍していたアレッサンドロ・フロレンツィ選手やドイツ代表のアントニオ・リュディガー選手、ほかにも完調に至っていない選手が散見されます。守備のバランスが崩れてしまわないうちに復調してくれることを願うばかりです。
まとめ
2016-17シーズンのセリエAは16試合を消化、ASローマは11勝3敗2分けで2位という好位置につけています。
首位のユヴェントスとは勝ち点4差と、逆転の可能性は十分に残されています。
ここまでの試合ではプロビンチャを相手にいくつかの取りこぼしがありました。
それをなくしていくことができれば、ローマのスクデットはさらに近づきます。