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【2016-2017シーズン解説】トテナム・ホットスパーの現在地

2017 1/25 10:28
Tottenham
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Photo by CosminIftode / Shutterstock, Inc.

イングランドプレミアリーグの強豪、トテナム・ホットスパー。 現在のプレミアリーグ「ビッグ5」に次ぐ存在として広く認知されていますが、昨シーズンは過去最高タイの3位でフィニッシュ、今期の躍進が期待されます。 この記事では、そんなスパーズの展望を近年の歴史と合わせてご紹介します。

「あと一歩足らず」が魅力でもあるスパーズの特徴

トテナム・ホットスパー(通称:スパーズ)は、かつてトップリーグのビッグ5(他にリヴァプール、アーセナル、エヴァートン、マンチェスター・ユナイテッド)を形成した古豪チームです。
これまでにプレミアリーグを制覇した実績はなく、特に2009-10シーズン以降は毎年上位に食い込むもののあと一歩足らずという状況が続いています。しかし、逆にそれが魅力なのか、著名人にも熱心なサポーターが多いことで知られています。
2010-11シーズンにはチャンピオンズリーグに初出場、ベスト8と上々の成績を収めますが、以降はヨーロッパリーグ(旧UEFAカップ)の出場に留まっています。
スター選手の獲得よりも一芸に秀でた若手の発掘やユース出身選手の育成に力を入れており、身の丈に合った経営とリーグ戦の上位進出という難しいミッションで結果を残し続けているチームです。

ファンの誰もが頭を抱えた2015-16シーズン

マンチェスター・ユナイテッドの迷走、チェルシーの守備崩壊、勝ちきれないリヴァプールと、強豪が波に乗れない2015-16シーズンは「最も予測不可能なシーズン」と呼ばれました。
そんな中、地道に勝ち点を重ねていったのがスパーズです。終盤まで2位につけていたスパーズは、唯一その上を行く伏兵レスターシティが息切れするのを虎視眈々と狙っていました。ところが、毎試合倒れるほど走り回っているはずのレスターが強豪相手にもしぶとく勝ち点を拾い、なかなか逆転のチャンスは訪れません。
迎えた第36節、スパーズはチェルシーと引き分けてしまったことで、とうとうレスターにプレミア初制覇を許してしまいました。このショックが相当大きく、残り2節をスパーズは連敗、気が付けばすぐ後ろに迫っていた宿敵アーセナルにも抜かれ、このシーズンを3位で終えたのです。

スパーズが誇る強力攻撃陣は2016-2017シーズンも健在!

現在のトテナム・ホットスパーは、何といっても強力な攻撃陣が魅力です。2015-16シーズンはプレミアリーグで2位となる69得点を記録、そのうち25点を若きエースのハリー・ケイン選手が稼ぎ出しました。
攻撃に必要なすべての能力を高水準で備えるクリスティアン・エリクセン選手が抜群の存在感を発揮、若干20歳にしてトップ下を任されるデル・アリ選手はダイナミックなプレーを披露します。エリク・ラメラ選手やソン・フンミン選手、中盤から迫力ある攻撃を展開するムサ・デンベレ選手など、昨シーズン攻撃の核となった選手たちが軒並みスパーズに残り、チームの飛躍を期しています。

リーグ最少失点を誇るトテナム自慢のディフェンス陣

昨シーズンのトテナムは攻守が見事に噛み合ってリーグ3位の成績を収めましたが、失点数はリーグ最少と抜群の安定感を誇りました。
GKにはフランス代表主将のウーゴ・ロリス選手、センターバックにはベルギー代表でもチームメイトのヤン・フェルトンゲン選手とトビー・アルデルヴァイレルト選手、それに22歳のエリック・ダイアー選手が絡んで鉄壁の守備網を築いています。
左サイドには攻撃参加も魅力のダニー・ローズ選手、右はパワフルなスプリントとハードワークが魅力のカイル・ウォーカー選手が健在。中盤には新加入ながらここまで全試合に出場しているヴィクター・ワニヤマ選手が、高い身体能力を生かした守備でチームに貢献しています。

ポチェッティーノ監督が勝者の精神を植え付けられれば、悲願の初優勝も

トテナムの指揮官であるマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、現役時代にアルゼンチン代表として活躍した名ディフェンダーです。指導者としてスペインのエスパニョール、同じプレミアリーグのサウサンプトンで実績を残し、2014年からスパーズの監督に就任しています。
チームの一体感や選手全員がハードワークすることを求め、その哲学は迫力に満ちた攻撃や粘り強い守備に反映されています。
2015-16シーズンは最終盤で音を上げるように崩れてしまったスパーズ。就任3年目となるポチェッティーノ監督が現役時代に掴み取った勝者の精神を植え付けられれば、今シーズンの最後にスパーズの名が順位表の一番上を飾っているかもしれません。

まとめ

2016-2017シーズン14節が終わり、スパーズはまだ1敗しかしていません。 13節に首位チェルシーを相手に惜敗したものですが、ショックを引きずることなく次節のスウォンジー戦を5-0と圧勝しています。 状況に惑わされず目の前の一戦を全力で戦い続ければ、悲願のプレミア初制覇も夢ではありません。