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サッカー選手間に存在する「犬猿の仲」

2016 11/29 21:30
サッカー
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出典 Fabrizio Andrea Bertani / Shutterstock.com

サッカー界に存在する、選手同士の「犬猿の仲」にスポットを当てたいと思う。さまざまな理由でピッチの内外でいがみ合ってきた選手たちの人間関係を4項目紹介する。

【神様vs王様】ペレ(ブラジル)とマラドーナ(アルゼンチン)

サッカーの神様と称されるペレ(ブラジル)とマラドーナ(アルゼンチン)は、プレーした時代こそ違えど、ブラジルとアルゼンチン両国のライバル関係を肩代わりするような形で対峙している。
FIFAによる20世紀最高の選手を決める投票が行われた際、インターネット上での公開投票ではマラドーナが勝利、しかしFIFAの選考委員はペレを最高選手に選んだのだ。「世界が認めたのは俺様、ペレはブラジル国内でもアイルトン・セナの次だったじゃないか」と酷評。また、対するペレも「マラドーナは人間的には悪い見本」「右足を使えずヘディングゴールは神の手ゴールだけ」「代表監督を引き受けたのは金のため」ことあるごとにマラドーナ批判を展開してきた。
両国メディアに煽られて作られた関係にも見えるが、2016年のヨーロッパ選手権開幕前に慈善試合を組み、一応の和解を迎えたようだ。

【問題児2トップ】ロマーリオとエジムンド(ブラジル)

1990年代にFCバルセロナで活躍したブラジル代表FWのロマーリオ。小柄ながら華麗なドリブルとゴール前の勝負強さで、世界最強の点取り屋になったが、強烈なエゴイストとしても知られている。
同時代に活躍したエジムンドは「野獣」の愛称を持ち、問題行動がきっかけで数多くのクラブを転々とした。ブラジル代表で活躍した両者だが、2000年にバスコ・ダ・ガマでチームメイトになり、「バッドボーイズ」と呼ばれた。エジムンドはロマーリオがキャプテンマークを巻くと知ると出場を拒否したことがあり、ロマーリオは現役引退後に一緒にプレーした選手を振り返る場面で、エジムンドを「平凡な選手だった」とコメントしたこともある。
強烈な個性は相見えないことがよく分かる。

【ドイツのエースvsキャプテン】クリンスマンとマテウス

90年代に共にドイツ代表としてプレーしたユルゲン・クリンスマンとローター・マテウス。前者はエースストライカーで「優等生タイプ」、後者は長きにわたってドイツ代表キャプテンを務めながらも「自由奔放な悪ガキタイプ」。1994年のワールドカップから不仲が噂されたが、表面化したのが1995年。マテウスがケガで代表を離脱していた間に、クリンスマンがキャプテンを務めることになったことに立腹して、マテウスが代表招集を拒否し、さらにはメディアに向けて「監督とあの野郎が結託して俺を追い出した」とまくしたてたのだ。
しかし、そこはさすがのクリンスマン。優等生らしく反論はせず、沈黙を保つというより無視を決め込む形で、これ以上の関係悪化を未然に防いでいる。ただ、関係改善も見込めないほど冷え切っているのもまた事実だ。

【ピッチ外の三角関係】イカルディとマキシ・ロペス

アルゼンチン出身で、現在ともにイタリアでプレーする両者。イカルディはインテルのエース、マキシ・ロペスはセリエAに来て6年目、現在はトリノでプレーしている。マキシ・ロペスは、アルゼンチンのグラビアアイドルのワンダ・ナラと2009年に結婚したがこの年に離婚。離婚のきっかけはサンプドリアで元チームメイトだったイカルディとの不倫だった。同郷出身でかわいがってきた後輩に妻を奪われて、怒り心頭のマキシ・ロペス。しかも不倫発覚から約半年で、元妻は再婚してしまう。不倫騒動発覚後、最初の対戦ではイカルディとの握手を拒否。
以降、ことあるごとに冷戦関係がメディアに取り上げられている。なお、このワンダ・ナラ、かつてマラドーナとも噂になった過去がある模様。この女性がすべての元凶なのは否めないところだ。

まとめ

自分が一番と思っているからこそいがみ合っていたり、女性を巡って険悪になったり、サッカーの世界にもいろいろな人生が渦巻いている。ピッチの内外で犬猿の仲であっても、ペレとマラドーナのように時間の経過とともに和解の時を迎えられることが最良のゴールなのだろう。