ジネディーヌ・ジダン(フランス)
現在レアル・マドリードの監督を務めるジネディーヌ・ジダン。現役時代はボルドー(フランス)、ユベントス(イタリア)、レアル・マドリード(スペイン)を中心に、長きにわたり活躍した。
ルーレットに代表されるように華麗なテクニックで相手選手を翻弄、司令塔としてだけでなくフィニッシャーとしても活躍。点の取れるトップ下として、キャリアを通じて公式戦122得点、フランス代表でも108試合に出場し31得点23アシストを記録した。98年ワールドカップ・2000年のヨーロッパ選手権制覇の原動力となった。
ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)
言わずと知れたサッカー界の王様。ワールドカップでの5人抜きゴールは、来世にまで語り継がれる伝説となるはず。
ほとんどのプレーが利き足である左足から繰り出されていたが、足にボールが張り付いたかのようなボールタッチ、爆発的な加速で相手を一気に抜き去るドリブル、小柄ながらも強靭なフィジカルを有していただけでなく、パス能力も併せ持っていた文句のつけようがないトップ下の選手だった。
アルゼンチンのボカ・ジュニアーズからヨーロッパに渡り、バルセロナ(スペイン)やナポリ(イタリア)で活躍。フリーキックの正確さも手伝って現役通算307ゴールを達成した。
ミシェル・プラティニ(フランス)
優れた得点力が魅力で「将軍」とも呼ばれたミシェル・プラティニは、1980年代にフランス代表を牽引したサッカー選手。
フランスのナンシーでプロデビュー、サンテティエンヌからイタリアのユベントスへ渡ると、3年連続でセリエA得点王に輝き、バロンドール(欧州最優秀選手賞)も3年連続で獲得。本人も「自身の絶頂期はこの時期にあった」と認めている。
1984年のヨーロッパ選手権で頂点には立ったものの、ワールドカップ優勝は達成できず。それでもバロンドールを3度獲得するなど、プレーヤー個人としては圧倒的な力を見せつけた。
カカ(ブラジル)
17歳でサンパウロからACミラン(イタリア)にやってきたカカ。ナンバー22を背負い、6年間にわたりトップ下を中心にチームの攻撃の核として活躍。
スピードに乗ったドリブルと卓越したパスセンスを生かし、2007年はチームをチャンピオンズリーグ優勝に導いた。また、同年にバロンドールとFIFA年間最優秀選手賞をダブル受賞。キャリア最高のシーズンを過ごした。
2009年、紆余曲折を経てレアル・マドリードに移籍。愛するミランを離れる苦渋の決断をしただけでなく、スペインでは何度もケガに泣く不遇の時を過ごしたが、2013年に再びACミランに復帰。2シーズンを過ごし、ベテランとしてチームを牽引した。
現在は、アメリカ・MLSのオーランド・シティSCでプレーしている。
メスト・エジル(ドイツ)
現在、英プレミアリーグ・アーセナルでプレーするドイツ代表の選手。母国シャルケ04でプロキャリアをスタートし、ブレーメンへ移籍。ライバルチームへの移籍とあって議論を呼んだが、当時ブラジル代表だったジエゴとダブル司令塔として活躍し大きく成長する。
その後、2010年ワールドカップでの活躍が評価されレアル・マドリードに引き抜かれると、3年間で159試合に出場し、27ゴールを挙げる。そして、2013年9月からクラブ史上最高額の移籍金で英プレミアリーグのアーセナルに移籍し、現在に至る。
左足から繰り出されるパスは幾多の決定機を演出してきたが、前線に構えているだけでなくフリーランニングをこなす「しっかり走れるトップ下」として、現代サッカーに新たな価値観を生み出した。これからが楽しみな選手だ。
まとめ
戦術面で進化を続ける現代サッカーは、トップ下が担う役割も変わりつつある。ピッチの中の王様ではなく、ゴールに直結する仕事ができるイレブンの中の1人。走力や守備意識も求められるが、ジダン・マラドーナ・プラティニのようにかつて活躍した選手たちへの憧れが根底にはあるはずだ。新世代のトップ下にもぜひ注目して欲しい。