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J1最後の席を争うトーナメント J1参入プレーオフ1回戦はどうなる?

2019 11/29 11:00中山亮
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J1参入プレーオフ、レギュレーションをおさらい

J2全日程が終了し最終順位が確定。J1参入プレーオフにJ2から参加する4チームは、3位大宮アルディージャ、4位徳島ヴォルティス、5位ヴァンフォーレ甲府、6位モンテディオ山形に決まった。

ここでまずはJ1参入プレーオフのレギュレーションから振り返っておこう。

J1参入プレーオフは年間順位上位チームのホームスタジアム1試合のみで対戦するトーナメント戦。1回戦は12月1日の13時、年間順位3位大宮ホームでの大宮対山形。年間順位4位徳島ホームでの徳島対甲府が行われる。この試合で勝利したチームが2回戦進出。90分を通して引き分けとなった場合は延長戦やPK戦は行われず年間順位の上位チームが勝ち抜けとなる。

2回戦は12月8日の13時に1回戦を勝ち抜いたチーム同士が対戦。ルールは1回戦と同様で、年間順位上位チームのホームスタジアム1試合のみで対戦し、引き分けの場合は年間順位上位チームの勝ち抜けとなる。

2回戦を勝ち抜いたチームが次に戦うのはJ1リーグ16位チーム、12月14日13時キックオフで行われるJ1参入プレーオフ決定戦。こちらも1、2回戦同様に上位チームのホームスタジアムで開催となるため、J1リーグ16位チームのホームで行われ、引き分けの場合J1リーグ16位チームが勝ち抜け。J2リーグから参加するチームは90分間で勝利した場合のみJ1昇格となる。

1回戦 大宮アルディージャ対モンテディオ山形 NACK5スタジアム大宮

順位的にも共に比較的安定した戦いを続けてきた両チーム。基本の布陣は3-4-2-1。ボール支配率でも大宮が47.2%(リーグ15位)、山形が46.7%(リーグ17位)と比較的スタイルも似ている。

リーグ戦での2回の対戦では共にホームゲームで勝利し1勝1敗と互角だった。印象的だったのが2度目の対戦となった大宮ホームの第26節。山形がセットプレーから先制するも、大宮はシモビッチの2得点で逆転。しかしここから山形が攻勢をかけ同点に追いついたが、最後は大宮の茨田がGKのパンチングしたボールをダイレクトでゴールに突き刺し3-2で大宮が勝利。どちらに転んでもおかしくない大熱戦だった。

注目は山形の右サイドからの攻撃を大宮がどの様に対処するかだろう。引き分けでも勝ち抜くことができる大宮はあまりリスクをかける必要はなく、普段通りのボール保持にこだわらないサッカーをする可能性が高い。

一方の山形は勝たなければならず、ボールを持って攻撃する必要がある。となると仕掛けるのは山形のストロングサイドである右サイド。右サイドからのクロス、もしくはファールをもらってのセットプレーで山形が先制することができれば山形に勝ち抜けのチャンスは広がるだろう。しかし0-0で進む時間が増えると大宮の思うつぼ。パワフルなFW陣を中心としたカウンターが火を吹く可能性が高まる。

インテンシティの高い両チームの対戦だけに、エキサイティングな試合となりそうだ。

1回戦 徳島ヴォルティス対ヴァンフォーレ甲府 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム

こちらは共に終盤戦で一気に調子を挙げてきたチーム同士。徳島は第28節以降の15試合でわずか1敗のみ。甲府は第23節以降プレーオフ圏の6位に入ったのは第35節終了時点の1度のみというギリギリの戦いが続いていたが最後の最後に6位に滑り込んだ。

布陣は共に3-4-2-1だが、ボール支配率で56.2%(リーグ2位)の徳島と、46.8%(リーグ16位)の甲府という数字からもわかるように全くスタイルが異なる。リーグ戦での2回の対戦では共に1勝1敗だが、どちらもアウェイゲームで勝利している。

印象的だったのが徳島ホームの第27節。けが人の関係もありこの試合では4バックを使った徳島がボールを動かしながら甲府の強固な守備ブロックの隙をうかがうものの、甲府の守備ブロックは全く動かず徳島の侵入を許さない。反対に甲府は両サイドを幅広く使った攻撃でピーター・ウタカ、内田健太がゴールを奪い0-2で甲府が勝利した。

ただし今回の試合では甲府がこの試合と同じ様に戦うことは出来ないだろう。徳島は引き分けでも勝ち抜くことができるからだ。それを踏まえてこの試合での注目ポイントは、甲府は何度徳島からボールを奪うことができるかだろう。

第27節に徳島も跳ね返され続けた様に、甲府の守備の堅さはリーグでもトップクラスだ。 しかしタックルラインは低め。ピッチを3分割した場合、最も自陣ゴールに近いディフェンシブサードでのボール奪取が多いチームで、引いて守る形を得意としている。だがこの試合では下がって守っているだけでは勝ち抜くことは出来ないので、ボール保持が得意な徳島からボールを奪いに行かなければならないのである。

ただし、ボール奪取に成功し先制点を奪うことができれば甲府はチームの特徴を思う存分発揮できる環境となる。スタイルがハッキリとわかれる両チームの対戦だけに、先制点が他の試合以上に大きな意味を持ちそうだ。

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