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FC東京、横浜FM、川崎F、鹿島で上位争い C大阪がJ1後半戦の台風の目に?

2019 7/12 15:00中山亮
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久保の穴を埋める選手が見つかったFC東京

2019年明治安田生命J1リーグは6月29日、30日に行われた第17節で前半戦が終了、7月6日、7日の第18節から2巡目の対戦となる後半戦へと突入。どのクラブもますます気の抜けない局面になってきた。その中で注目となるのはFC東京、横浜FM、川崎F、鹿島、C大阪だ。

勝ち点差3で迎えた第17節、横浜FMとの首位攻防戦を制したFC東京。久保建英がレアル・マドリードへと移籍し、第15節、第16節と連敗。昨季も夏場失速したことから今季も不安を感じさせたが第17節、第18節と連勝し再び上昇気流に乗り始めた。

この連勝期間に永井が7試合ぶり、ディエゴ・オリヴェイラが8試合ぶりと強力2トップが再び得点を決めたこともポジティブな話題だが、それ以上に久保の抜けた穴が埋まる目途が立ったことが最大のポイントだろう。

久保離脱後、停滞気味だったFC東京の攻撃を活性化させたのは左SHに入ったナ・サンホ。久保とナ・サンホはプレースタイルが全く異なるが、ナ・サンホには縦への推進力がある。ディエゴ・オリヴェイラ、永井の2トップに加え3本目の槍が加わった。

FC東京に不安点があるとすると2点。1つはチャン・ヒョンスに移籍の噂があること。2つ目はラグビーワールドカップの関係でホームスタジアムが使えず第24節からアウェイ8連戦が待っているということだ。

チャン・ヒョンスの移籍問題はいかんともしがたいところではあるが、アウェイ連戦についてはそれまでにどれだけ貯金できるかどうかだろう。アウェイ連戦があるということは当然ホーム連戦もある。現在の第17節〜19節に続き、第21節〜23節とホーム3連戦が2度続く。どちらも連勝でアウェイ連戦前にリードを広げたい。

追い上げる横浜FM、川崎F、鹿島。本命はやはり川崎Fか

FC東京を追いかけるのは、勝ち点差「6」「7」「8」で続く横浜FM、川崎F、鹿島。この3チーム、横浜FMが最もFC東京に近い位置にいるように見えるが、川崎Fと鹿島はACLの関係で第16節を未消化。この試合で勝ち点3を奪うことができていると仮定すると両チームともに横浜FMの上に行くことになる。

この中で有力なのは、やはり川崎Fになるだろうか。

今季の川崎Fはボール支配率でもリーグ4位、パス数でもリーグ3位となっており、実は昨年までの様なボールを保持し、ショートパスで崩すというスタイルからは変わりつつある。そんな中でも前線の人数を増やすことで得点力を維持。守備もリーグ最少失点を記録しているように堅固さは変わらずだ。

鹿島に関しては、安西のポルトガル移籍が決定。さらに安倍や鈴木にも移籍の噂がある。おそらく補強に動くことになるだろうが、この時期にこれだけ抜けてしまうとさすがに厳しいが、果たしてどうなるか。

後半戦台風の目になりそうなのはC大阪

後半戦で台風の目になりそうなのがC大阪だ。昨季まで東京Vを率いていたロティーナ監督が就任し、シーズン序盤は勝ちきれない試合が続いていたが、ようやく戦術も浸透し調子を上げている。

注目はやはりリーグ2番目に少ない失点数を支える堅守だろう。4-4-2のゾーンディフェンスの精度はかなり高い。その中でも特筆すべきは前半の失点数。C大阪はここまでの18試合で前半の失点数はなんと1。リーグ平均が8.9であることからを考えるとこの数字は驚異的だ。

これは単に守備に重きをおいているからではない。戦術が徹底され始めてからのC大阪はビルドアップの精度が格段に上がっており、ボールを支配し試合をコントロールすることで失点を減らしているのだ。

ただし、まだ完成度が足りない面もある。第15節の鹿島戦のように前半は完全に試合を支配しチャンスを量産するも決められず、後半圧力をかけられ失点してしまう試合などがそうだ。しかし、先制点を奪った試合での黒星はわずか「1」であり、徐々に得点力も向上している。

首位FC東京との勝ち点差は12もあり、ここから首位争いに加わるのは難しいだろうが、上位チームにとってもC大阪戦は難しい試合になることは間違いない。上位チームにとってはこのC大阪戦の結果が残りシーズンを左右することになるかもしれない。