「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

2018年のJリーグを牽引した川崎F、その強さをデータでみる

2018 12/23 11:00中山亮
中村憲剛,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

圧倒的な攻撃力を見せた川崎F

川崎フロンターレ攻撃表

ⒸSPAIA

川崎Fの特徴は華麗なパスサッカーであることは誰もが認めるところだろう。ボール支配率こそ横浜FMに次ぐ57.6%だが、パス数、パス成功率はナンバーワン。それもパス数2位の横浜FMよりも1試合あたり100本以上の差があるほど圧倒している。

ポゼッション率が2位でありながら1位の横浜FMよりもこれだけパス数に差がつくのはインプレーの時間、アクチュアルタイムが長いから。ボール支配率では2位だが、保持の時間としてはリーグトップ。川崎Fの試合はボールが止まっている時間が最も短いのだ。

そしてこのパスはただボールを保持することだけを目的としていないことはそのエリア別データでわかる。

自陣/敵陣で分けたときの比率も、自陣42.4%/敵陣57.6%敵陣比率が高いのが川崎F。

そしてこのデータはさらに細分化すると明確で、ピッチを3つに分けた最も自陣ゴールに近い位置、ディフェンシブサードのパス数はリーグ7位でしかないのだが、中央のミドルサード、相手ゴールに近いアタッキングサードではダントツ1位。

そしてフィニッシュのところ。敵陣ペナルティ内でのプレー数もリーグトップでシュート数もリーグトップ。そしてリーグナンバーワンの57得点へと繋がっていく。

ちなみに57得点中ワンタッチシュートでのゴールが35点(セットプレーを除く)となっておりこれもリーグナンバーワン。川崎Fは高さで勝負するチームではないので、この数字からシュートの局面にいたるまでに完全に相手ディフェンスを崩していることがわかる。

攻撃の基盤となった守備の進化

川崎フロンターレ守備表

ⒸSPAIA

攻撃面でこれだけの成績を残すことができた理由が守備面にある。

川崎Fのタックル数でリーグ6位。これはボール保持率が2位で、そもそも相手がボール保持している時間が短いことを考えると驚異的な数字である。

また特徴的なのがその場所。アタッキングサード、ミドルサードでのタックル数は共にリーグ3位でありながらディフェンシブサードでは12位となりチーム全体の平均タックルラインが41m。

この数字は前線からプレッシングを行う印象が強いFC東京、清水、広島、鳥栖や、さらにはFWの献身的な守備に特徴がある鹿島を上回りリーグで最も高い。

つまり最も早い段階で相手からボールを奪おうとしているのだ。

ボールを持ったときのことばかりに目が行きがちだが強さを発揮できるかどうかの大きなポイントとなるのははここ。ボールを持つということはボールを相手から早く奪い返す必要がある。

川崎Fはそこがグループとして徹底出来ていた。

アジアチャンピオンにつながる進化のポイントは?

今季の戦い方をみる限り川崎Fの強さは来季も続く可能性は高い。特に後半戦はそう思わせるほど圧倒的な強さを発揮していた。

しかし川崎Fには今季のリーグ戦で勝てなかったチームが2つある。それが浦和とC大阪で、特にC大阪には開幕前のゼロックススーパーカップにも敗れており3連敗。昨季もルヴァンカップ決勝をあわせた3度の対戦で1勝2敗。川崎Fがリーグ連覇しているこの2年間で1勝5敗と大きく負け越している。

この2チームに共通しているのがフィジカルの強い選手が中央を閉めた守備を行うこと。さらにここから奪ったボールを前線につけ基点を作り、サイドの選手のスプリントでカウンターを仕掛けてくるチームに圧倒的に分が悪いのだ。 そしてこれは比較的アジアのチームの戦い方にも近い。

実際にリーグチャンピオンとして出場したAFCチャンピオンズリーグでも川崎Fはグループリーグで0勝3分3敗の最下位。これは日本から出場した4クラブ中最低の成績だった。

昨季は浦和、今季は鹿島が勝ち取ったアジアチャンピオンは川崎Fにとっても大きな目標となるだろう。

そのために必要なのはフィジカルの強い選手がブロックを作る守備を行ってきた時にどう崩すか。一気に前線につけてくるボールに対してどの様にカウンターケアを行うか。

川崎Fが次の目指す進化のポイントはこのあたりになるのではないだろうか。

おすすめの記事