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2018年J1王者が次節にも決定。川崎F連覇と残留の条件は?

2018 11/9 11:52中山亮
サッカーボールⒸShutterstock.com
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連覇達成目前、川崎フロンターレ

前節、首位川崎フロンターレが柏レイソルに3-0で勝利し、2位サンフレッチェ広島がジュビロ磐田に2-3で敗れたことで両チームの勝ち点差は今季最大となる「7」。

第31節終了時点で勝ち点56の広島が獲得できる最大勝ち点は65となるため、現在勝ち点63を獲得している川崎フロンターレの連覇が今節で決定する可能性がある。

川崎Fの優勝条件は、3つある。

・ヤンマースタジアム長居で行われるC大阪対川崎Fの試合で川崎Fが勝利
・エディオンスタジアム広島で行われる広島対仙台の試合で広島が敗北
・C大阪対川崎F、広島対仙台の試合がともに引き分け

優勝条件表

ⒸSPAIA

次節は今季の天敵と対戦

連覇へほぼ王手をかけた川崎Fだが、対戦相手であるC大阪との試合は芳しくない。 昨季C大阪がJ1に復帰し、尹晶煥監督就任からこれまでにリーグ戦3試合、昨季ルヴァンカップ決勝、今季開幕前のゼロックススーパーカップと、公式戦では合計5度の対戦があるが、川崎Fは1勝4敗と大きく負け越しており、最も苦手としている相手だ。

しかし川崎Fにとってポジティブな要素も多い。川崎Fは直近5試合で3勝2分と負けなしでチーム状態が上々であるのに対し、C大阪は1勝1分3敗。前々節、前節と今季初の連敗を喫しているようにC大阪のチーム状態は低調である。特に尹晶煥監督が今季限りで退任するとの報道が出てからのC大阪は厳しい状況だ。

さらに、優勝を争う広島は直近6試合で1分5敗とシーズン序盤の快進撃が嘘のように低迷していることが、川崎Fの連覇へ好条件を整えている。

川崎Fは自チームの結果にかかわらず広島が敗れた時点で優勝が決まるため、今節で優勝が決まる可能性は非常に高い。

17位以下が決まる可能性がある長崎

残留争いに目を移すと、今節で決定する可能性があるのがV・ファーレン長崎の17位以下だ。現在、入れ替え戦圏内となる16位鳥栖が勝ち点36、最下位長崎が勝ち点29で勝ち点差が7となっており、下記3つの場合に長崎の17位以下が確定してしまう。

・トランスコスモススタジアム長崎で行われる長崎対横浜FMの試合で長崎が敗北
・ノエビアスタジアム神戸で行われる神戸対鳥栖の試合で鳥栖が勝利し長崎が引き分け以下
・長崎対横浜FM、神戸対鳥栖の試合がともに引き分け

また、長崎と鳥栖の両チームが勝利した場合に関係してくるのが清水対名古屋、G大阪対湘南の試合。名古屋と清水がともに勝利すれば、17位以下が確定。引き分けとなった場合も、得失点差から長崎の17位以下がほぼ確定する。

残留条件

ⒸSPAIA

しかし、今節で決まるのはあくまで長崎の17位以下であって降格ではない。

というのも、ACLの関係で11月6日に前倒しで行われた柏レイソル対鹿島アントラーズの試合で柏が敗れたため、柏は長崎との勝ち点差4の勝ち点33で第32節を終えているということ。これによりたとえ長崎が今節敗れたとしても残り2試合を勝ち点差4の状態で迎えるため、まだ逆転が可能。17位となる可能性がある。

17位となった場合、J2の結果によっては残留の可能性が残る。J2の自動昇格圏となる1位・2位にJ1ライセンスを持たない(昇格要件を満たしていない)クラブが入った場合、J1の16位のクラブはJ1残留が決定し、J1で17位のクラブがJ2で3位から6位の間で行われるプレーオフに勝利したチームとの入れ替え戦に出場となる。この入れ替え戦に勝利すればJ1残留が決まるのだ。

そしてJ2では、J1ライセンスを保持していない町田ゼルビアが、首位松本山雅FCと勝ち点差1、2位大分トリニータと同勝ち点で並ぶ3位となっている。残り2試合となったJ2で町田が松本や大分をかわし1位か2位になると、17位の自動降格はなくなり入れ替え戦にJ1残留の望みが生まれる。

降格が決まるかもしれないチームがある一方で、今節J1残留を確定するチームも出てくる。14位の湘南、15位の名古屋、16位の鳥栖の3チームのうちいずれか1チームが敗れる、もしくは鳥栖が引き分けた時点で、8位C大阪までは自チームの結果にかかわらずJ1残留が確定。9位のG大阪、10位の仙台は次節に勝利した時点でJ1残留が決まることになる。

J1、J2ともにかつてないほどの混戦となっているため、昇格・降格に関連する条件はかなり複雑になっている。いよいよJリーグも大詰めを迎え、多くのことが決まりそうだ。