SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.
サッカー・J1清水エスパルスは5月12日、オープンイノベーションプログラム「SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.」の会見を行い、参加チームの募集開始を発表した。このプログラムではファンとの交流やパートナー企業との連携を強化するアイデアなどを5つの領域で公募し、清水エスパルス、パートナー企業、街や市民の発展、地域コミュニティの活性化を目指す。日本IBMがアクセラレータプログラム(新たなビジネスモデルを開発する起業の支援)とデジタルテクノロジーを提供することも決定している。
募集領域は5つ。
・スタジアムでの観戦体験(新しい顧客体験)
・ファンとのエンゲージメント(ファン層拡大)
・パートナーシップ(地元活性化)
・サポーター360(ファンエンゲージメント)
・ワイルドカード(領域を問わずエスパルスに関わる全ての人・組織・地域が幸せになるサービス)
「観客席でスタジアムグルメをオーダーし待ち時間なく購入できるシステム」「ファン層拡大のための潜在層に対するアプローチ」「清水エスパルスサポーターがさらに深くチームに接することができるサービス」などが想定される。IAIスタジアム日本平での実証実験や、検討のためのワークショップをフットサル事業を行うドリームフィールド、商業施設であるドリームプラザで開催する予定となっている。
今回の「SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.」で特徴的なのが参加グループをベンチャー企業に限定していないこと。
参加条件は5名以上のチーム単位となっており、法人格であれば同一企業内から複数のグループで応募することも可能。さらにメンター(助言者)を清水エスパルスのパートナー企業から選出する計画もあり、実業界からの知見をもってサポートをする予定。清水エスパルスと静岡の街・市民・法人が力を合わせ互いの発展を目指す。
オープンイノベーションは、MLBのロサンゼルス・ドジャースや、イングランド・プレミアリーグのアーセナルFC、プロ野球でも横浜DeNAベイスターズが取り組むなど、近年スポーツ界で広がりを見せつつある。その中でも今回の取り組みは、サッカーの街清水に生まれた清水FCを母体にし、親会社を持たない「地域型クラブ」清水エスパルスだからこそのプロジェクトだと言えるだろう。
目標としていた売上40億円超を達成した清水エスパルスが、ビッグクラブへとキャッチアップするため、新たな挑戦に取り組む。