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ミシャシステムの進化、浦和レッズの戦術を分析する

2017 8/3 12:07Aki
urawa
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6シーズン目を迎えたミハイロ・ペトロヴィッチ体勢

2012年に浦和レッズの監督に就任したミハイロ・ペトロヴィッチ氏は、2017年で6シーズン目を迎える長期政権となっている。
ペトロヴィッチ氏はサンフレッチェ広島でも6シーズンに渡りチームを指揮しており、日本での監督のキャリアとしては12年でありながら、指揮したチームは僅か2チームのみ。一か所にじっくり腰を据え指導していくという、安定したスタンスがチームに安心感を与えている。
浦和レッズでの過去5年間は、3位2回、2位2回と常に優勝争いに絡む好成績を残している。特に2016年はチャンピオンシップに敗れ2位となったものの、J1が18チームによる2回戦総当りになって以降としては、「最多タイ」となる74もの勝ち点を獲得している。

毎年優勝争いに絡みながらもリーグチャンピオンには届かず、またカップ戦でもタイトルに届かない事が続いたため「勝ちきれない」「勝負弱い」と言われることもある。しかし、ペトロヴィッチ監督就任直前の2011年には残留争いに巻き込まれていたこともあることを考えると、現在リーグトップクラスの好成績を維持している手腕は評価に値するものだろう。
悲願のリーグチャンピオンを目指すミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いる浦和レッズの2017年を分析する。

ペトロヴィッチ監督の代名詞、「ミシャシステム」

ペトロヴィッチ監督の代表的な戦術は、サンフレッチェ広島監督時代に作り上げた守備時と攻撃時で選手の配置が変化する「可変システム」である。ペトロヴィッチ監督の愛称から「ミシャシステム」とも呼ばれる形だろう。
フォーメーション表記では最終ラインが3人で、その前にダブルボランチとウイングバック、そして前線には1トップ2シャドウとなる3-4-2-1で記載されている。この形を基礎とし、攻守においてフォーメーションを変化させるのだ。
まず守備の時は両サイドのウイングバックが下がり、2シャドウがサイドのスペースをカバーする5-4-1の形となる。前線からプレッシングをかける際に両サイドが前に出ることもあるが、スタート地点はあくまで5-4-1だ。

一方、攻撃の時には、ボランチの1人が最終ラインに入ることで4バックとなり、中盤にのこるのはボランチの1枚のみ。さらに前線には両サイドのウイングバックと両シャドウが前線に並ぶ、4-1-5のフォーメーションへと変化する。
前線で5人が横に並ぶことで、相手が4バックの際にはでディフェンスの間にポジションを取ることができ、あらゆる場所で数的な有利性を得ることができる。
また最終ラインでも4バックに変化し、ゴールキーパーを含めると5人になることで相手のプレッシングを受けた場合、ボールの避難場所も確保できている、という設計だ。

攻撃の形では、前線の5人と、ゴールキーパーも含めたディフェンス5人の中間に、「たった1人ボランチの選手を残す」事がポイント。
前後に5人ずつの選手を配置することで、相手チームの守備陣形を分断させ、ぽっかり空いた中央のスペースは、この1人残ったボランチの選手が使うこととなる。

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