日本の偉大な司令塔 中村俊輔と遠藤保仁
日本の司令塔として名高いのが、中村俊輔選手と遠藤保仁選手ではないだろうか。中村選手は横浜F・マリノス(2017年ジュビロ磐田に移籍)、遠藤選手はガンバ大阪で、長きにわたって中心選手としてプレーしている。代表では常にたぐい稀なテクニックを発揮して、前線に目を奪わえるような美しいパスを量産し続けた。
年齢は中村選手が2つ上(学年は1つ違い)と同世代であり、今まで何度となく比較されてきた。そのため、ライバル関係にあるとみるサッカーファンも少なくはない。
バラエティ番組に2人で仲良く出演するなどしており、本人同士は至って良好な関係だ。しかし、ピッチに立つとなると話は別だろう。お互いが全身全霊をかけて技術をぶつけ合う。
一触即発 槙野智章と高山薫の熾烈な戦い
Jリーグには他にも「因縁の関係」がある。2015年シーズン、8月に行われた浦和レッズと湘南ベルマーレの試合は記憶に残る試合となった。
浦和レッズのムードメーカ、チームの顔とも言うべき槙野智章選手は、随所でギリギリの守備を披露。対峙する湘南ベルマーレのシャドーストライカー、高山薫選手の攻めを抑え続けた。
後半26分、カウンターで抜け出してきた高山選手。必死にゴールに走るが、そこに割って入ったのが槙野選手。体を入れて高山選手からボールを奪取するとクリア。競り勝った相手の高山選手にガッツポーズといったシーンがあった。
当時、槙野選手のプレーに対しては「よく守った」「やり過ぎでは」と賛否様々な声もあった。このことをきっかけにサポーターは、2人を「因縁の関係」と位置付けるようにもなった。
白熱の兄弟対決 佐藤勇人・寿人兄弟
Jリーグに所属する選手で、「兄弟対決」が実現することがある。中でも有名なのが佐藤兄弟、兄の佐藤勇人選手と弟の佐藤寿人選手の対決だ。彼らは二卵性双生児の双子であり、森崎兄弟と共にJリーグ初の双子選手だった。
佐藤勇人選手はユース時代からジェフ千葉ユナイテッドで育ち、プロ生活も長きにわたってこのクラブと共にあった。中盤での安定した守備は多くのサポーターを安堵させてきた。
対して佐藤寿人選手はサンフレッチェ広島での活躍が有名(2017年名古屋グランパスに移籍)。2013年にはJリーグ史上初の10年連続2ケタ得点を成し遂げた選手だ。この記録はその後も更新され、「12」まで伸びた。
ポジションの違う佐藤兄弟。しかし、兄は守り、弟は攻めということもあってか、「盾と矛」としての対決が注目されているようだ。
破壊力抜群の得点王 ピーター・ウタカとレアンドロ
2016シーズン、得点王に輝いたのはレンタルでサンフレッチェ広島に加入していたピーター・ウタカ選手と、ヴィッセル神戸のレアンドロ選手だった。両選手は共に19得点を獲得した。
2017シーズンも得点王争いが期待される2人。ウタカ選手は積極補強で注目されたFC東京に移籍している。
一方のレアンドロ選手は、ウタカ選手よりも少ないシュート本数ながら得点を量産。しかし、シーズンで5枚ものイエローカードをもらっており、少々気迫が激しすぎることも。冷静なプレーが求められている。ヴィッセル神戸初のJ1得点王なので、今後も安定した成績を残すことが期待される。
彼ら外国人選手同士の得点王争い、そしてそこに食らいつく日本人選手の登場にも注目したいところだ。
どちらがより長く現役を続行 キングカズとゴン中山
意外なライバル関係(?)として、キングカズこと三浦知良選手と、ゴン中山こと中山雅史選手の対決がある。
三浦選手は2017年1月に横浜FCと契約を更改。Jリーグの新シーズンが開幕する2月26日には50歳を迎え、また3月12日のザスパクサツ群馬戦ではゴールを記録し、自身が持つJリーグ最年長得点記録を更新している。このことは世界でも大きく報じられ、キングカズの名をまた一躍高めることになった。
対して中山選手は一度スパイクを脱いだものの、2015年に現役復帰。アスルクラロ沼津に所属している。同クラブは2016シーズンにJリーグ入りが決定。中山選手は49歳で新シーズンを迎えることになる。
どちらも日本のレジェンド級選手だ。いったいどちらがより長く現役を続行することができるのだろうか。
まとめ
Jリーグでは様々な場面でライバル関係が生まれている。しかし、そこにあるのは選手のサッカーに対する熱意。彼らのエネルギーはここから生まれている。
サッカーファンはそれを楽しむと共に、優しく見守ってあげることが一番だ。今後もライバル同士の熱い戦いに注目したい。