ヴァンフォーレ甲府の歩み
ヴァンフォーレ甲府は山梨県甲府市をホームとするチームで、1965年に誕生した甲府サッカークラブを前身としています。Jリーグへの参戦は1999年からで、その年に創立されたJ2からのスタートでした。2006年にJ1に初昇格を果たしたものの、その後はJ1とJ2を行ったり来たり。2013年以降は中位以下にとどまっているもののJ1で戦い続けていており、今後の活躍が期待されるところです。
そんなヴァンフォーレは幾つかの記録を持っています。まずは不名誉なものですが連敗記録。これは2000年に残された記録で、当時はJリーグ参戦2年目でした。この時選手数が不足してしまうなど戦力が足りず、結果としてこのような記録につながったものと思われます。
こんな不名誉な記録がある一方で、24試合連続無敗という誇らしい記録もあります。これは2012年に打ち立てた記録で、J2第19節以降最終節まで負けることがありませんでした。
このような、相反する記録を持つヴァンフォーレ。次章以降ではサポーターについて紹介します。
最古参のサポーター団体「HINCHAS」
ここではヴァンフォーレのサポーター団体の1つである「HINCHAS(インチャス)」について紹介します。
インチャスはヴァンフォーレの前身である甲府サッカークラブの頃からチームを応援し続けている、ヴァンフォーレサポーターの中でも最も古いサポーター団体です。Jリーグに参戦したばかりの2000年、ヴァンフォーレの経営危機が発覚し、チーム存続の危機に立たされた際には、1番に立ち上がり存続運動を行いました。この運動は試合会場や甲府駅での署名や募金活動に始まり、地元自治体の議員や他チームのサポーターにまで協力を願い、その結果約27000人もの署名を集めるなど、ヴァンフォーレの存続に一役買うこととなりました。
現在では経営危機とは無縁どころかJリーグの中でもトップクラスの健全経営を行うヴァンフォーレ。過去の存続危機が嘘のように感じられますが、今のチームがあるのはインチャスのおかげといえる側面があります。
スポンサーの危機には購買運動
ヴァンフォーレのメインスポンサーに「はくばく」という会社があります。はくばくは穀物加工商品を展開する山梨県の食品メーカー。ニュースなどでヴァンフォーレのユニフォームを見たことのある人は、ユニフォームの胸に書かれた「はくばく」の文字を目にしたことがあるのではないでしょうか?
このはくばくは先述の経営危機の際にスポンサーとなり、窮地に立たされていたヴァンフォーレを救った存在です。
ところがチームの存続が決定した2002年、はくばくの本社工場で火災が発生。はくばくは大きな損害を出し、ヴァンフォーレのスポンサーを継続できるか危ぶまれます。このスポンサーのピンチに立ち上がったのはまたしてもヴァンフォーレのサポーターでした。サポーター同士で声を掛け合いはくばくの商品の購買運動を展開。積極的な購買運動からチームの存続を強く願うサポーターの思いが通じたのか、はくばくは翌年以降もスポンサーを継続し、2016年シーズンまで16年連続でスポンサーとしてチームを支え続けています。
まとめ
ここまでヴァンフォーレ甲府のサポーターについて紹介してきました。これまでに何何度も窮地に立たされたチームを救ってきたのがサポーターです。サポーターのチームに対する愛情は計り知れません。ぜひ、試合だけでなくこのような熱い思いを持ったサポーターたちの応援する姿にも注目してみてください。