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J1残留が最大の目標となる北海道コンサドーレ札幌の2017年展望

2017 2/22 15:03Aki
札幌ドーム
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J2最多となる3度目のリーグ制覇

清水エスパルスやセレッソ大阪などJ1での経験も豊富なチームや、降格した松本山雅FCを抑えて2016年の明治安田生命J2リーグ優勝を達成した北海道コンサドーレ札幌。
前回J1に昇格した2012年には史上最速降格という厳しい結果に終わり、その2013年から昨年までJ2でも8位、10位、10位とプレーオフ圏内にも入る事ができていなかったので、この2016シーズンの躍進はある種予想外だったと言えるでしょう。
しかし今シーズンは11節に首位に立つと、翌12節のロアッソ熊本戦は震災の影響により延期となったため一旦は3位に順位を落としますが、13節の勝利で再び首位に返り咲き、その後は一度も首位の座を明け渡すことなくそのままJ2最多となる3度目の優勝。昇格回数5回もこれまで京都サンガ、湘南ベルマーレ、アビスパ福岡と並んでいた4回から抜け出し最多となりました。

先制試合での勝率がリーグナンバーワン

2016シーズンの北海道コンサドーレ札幌を支えたのは、得点数・失点数共にリーグ2位を記録した安定感。先制した試合数はリーグ3位となる26試合。そして先制した試合の勝率はリーグナンバーワンの88.46%を記録。先制した26試合中、23試合にそのまま勝利し、同点に追いつかれたのはわずか2試合、逆転負けに至ってはわずか1試合と圧巻の成績です。
サッカーは先制点が大きなアドバンテージになる競技の1つと言われていますが、先制試合での平均的な勝率は66%となっており、その勝率88.48%は特筆すべき数字。2015シーズンは先制試合数22試合と2016シーズンの成績には劣るもののそれでも半数以上の試合で先制、しかし先制試合での勝率が59.8%と平均以下の数字に終わっていたので、2016シーズンに大きな改善が見えた要素だといえます。

爆発した2トップ+トップ下のトライアングル

2016シーズンの北海道コンサドーレ札幌は3バックを採用。しかしその布陣は多くのチームで採用している1トップ2シャドゥの3-4-2-1ではなく、また一部のチームが使用し始めている3-1-4-2ではなくダブルボランチと2トップ+トップ下を配置する3-4-1-2。以前は使用するチームも多くありましたが近年は採用するチームが少なくなってきた形でもあります。
この布陣を採用した最大の要因はおそらく前線のタレントの能力を最も活かす事ができる形であったから。1トップではなく2トップで、トップ下を置く形に行き着いたのでしょう。
実際この3人による攻撃はかなり脅威で、このポジションに入る事が多かった都倉・ジュリーニョ・内村の3人は全て2桁得点を記録しています。またこの3人が中央にいる事で特に効果的だったのはカウンター。先制すると相手チームが前掛かりになる分、カウンターが効果的になり、それが先制した試合の勝率を高める事に繋がったのではないでしょうか。

攻撃陣を支えた守備陣の強さとハードワーク

北海道コンサドーレ札幌が2016シーズンに採用した3-4-1-2ですが、この布陣が近年あまり使用されなくなったのは守備のバランスが難しいからという理由がありました。
特に難しいのがサイドの守備で、3バックの場合左右の両WBは最終ラインに下がり5バックの形になる形がベースとなりますが、前線を2トップ+トップ下の形にした場合、どうしても前線の3人が中央に固まってしまいサイドの守備が間に合わなくなる。その結果最終ラインの5人とボランチの2人による7人と前線3人の距離が広がってしまい、チーム全体が分断してしまう事が増えます。2016シーズンのコンサドーレ札幌もその状態に陥ってしまう事がありましたが、そうなってしまった場合でも守護神ク・ソンユン選手の安定感と、最終ラインの中央を固める3バックの高さと強さで相手の攻撃を跳ね返し、ボランチの2人の献身的な動きでカバー。
そして3バックの左に入る福森選手が守備だけでなく攻撃の起点としても機能することで、この難しい布陣を機能させ続けました。

優れたバランス感覚を持つ四方田監督

そしてそれでもどうしても難しくなった場合は、試合中にも前線の布陣を変更。
2トップ+トップ下という形から1トップ+2シャドゥと前線3人のトライアングルの形を変える事でシャドゥに入った選手が両サイドのカバーに入る事ができる形も併用。
四方田監督は相手によってというだけでなく、試合の中でも時間帯や試合展開、試合の流れを読みながら臨機応変に前線の形を変えるという判断を行いチームのバランスを保ち続けました。
四方田監督はこの試合の流れを読みながら布陣を変えるというバランス感覚に非常に優れており、安易に守備的な布陣にすることもなく、あえて攻撃的な2トップのまま耐えきる事でカウンターの機会を作り追加点を狙いにいくという決断をする事も多く、この判断で勝ち点を掴んだ試合も多くありました。

悲願のJ1残留に向けて実績ある選手を獲得

北海道コンサドーレ札幌は5年ぶりとなるJ1での戦いに向けて、ほとんどの主力選手を残す事に成功。まずは昨シーズン積み上げた形のベースを残すという残留に向けての第一段階はクリアします。
そして昨シーズンの主力選手の中で唯一チームを去った堀米選手が努めた左サイドにはヴィッセル神戸でプレーした田中雄大選手を獲得。左足のクロスに定評がある選手です。
そしてさらに中盤の様々なポジションでプレーすることができ、2013年にはチームの中心選手としてJ1の優勝争いを支えた兵藤慎剛選手を横浜F・マリノスから、大宮アルディージャからは最終ラインでもボランチでもプレーすることができ、圧倒的な強さでJ1昇格を果たした2015年のチームの主力だった横山選手を、またベガルタ仙台から金園選手、サガン鳥栖から早坂選手という前線で輝ける実績ある選手を獲得。チーム力を上乗せしています。

四方田監督は最適なバランスを見つけることができるか

そして最大のポイントとなるのは、対戦相手のレベルが上がる事になりJ1で、このチームの最適なバランスを四方田監督が見つける事ができるかどうかでしょう。
J1ではJ2とは比べものにならないぐらい対戦相手が強くなります。となると昨シーズンはカウンターを狙うために前後分断になってもそれを承知で耐えるという計算で戦ってきましたが、鉄壁の強さと高さを誇った3バックが耐えられない場面が出て来る可能性もある。
またもしかすると、大きな武器であったカウンターもきっちり対応され武器にならないかもしれません。
チームの予算としては、共にJ1昇格を果たした清水エスパルスやセレッソ大阪ほど潤沢ではなく、大きな予算をかけて選手を補強することも難しい。
過去4回の昇格のうち、直近の3回は即翌年にJ2へ降格。初めてのJ1となった0
1年はなんとか残留することに成功したものの翌02年に降格と、こでまで北海道コンサドーレ札幌はJ1では厳しい戦いが続いています。
J1に定着できないクラブの歴史を来季こそは汚名返上できるかは四方田監督にかかる部分も大きくなりそうです。

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