全知全能のゲームメイカー 7番 遠藤保仁
長く日本代表を支え続けた遠藤保仁選手。プロ入りしたのは1998年、今はなき横浜フリューゲルスだった。開幕戦でいきなりデビューを果たすなど順調に見えた1年目だったがチームの解散に伴い京都サンガに移籍。京都でもポジションを掴んだがチームの降格を機に2001年ガンバ大阪に移籍。年代別の日本代表にも選ばれ続けていたがシドニー五輪では予備登録に終わるなど、同年代の選手(小野伸二選手や稲本潤一選手等)に比べると、それほど目立っていた訳ではなかった。
開花したのはガンバ大阪の監督に西野朗氏が就任した2002年以降。西野氏によって攻撃的なチームの組み立ての全権を任されると、その優れた戦術眼と正確なキックでチームを牽引。ガンバ大阪の栄光を作り上げた最大の功績者と言えるだろう。
近年日本代表からは遠ざかる事となったが、そのプレーは健在だ。
年代別ブラジル代表のエース 9番 アデミウソン
今シーズンは期限付き移籍でプレーし、来シーズンからの完全移籍加入も決定したアデミウソンは、年代別のブラジル代表でも常に10番を付けてプレーしており、マンチェスター・シティが目をつけていた世界でも注目を集める選手だった。
日本でプレーするきっかけとなったのはマンチェスター・シティと横浜F・マリノスとの提携。所属チームで出場機会を失っていた事もあって、マンチェスター・シティは横浜F・マリノスへの期限付き移籍を提案し来日。昨シーズンの活躍はサポーターが選ぶMVPにも選ばれた。
しかし今シーズンは高額な移籍金がネックとなり再びブラジルに戻る事に。そこに目をつけたのがガンバ大阪だった。
プレースタイルはまさにブラジルの10番。抜群のテクニックと得点力を兼ね備えながらもチームのためにプレーできるその能力は、現在のJリーグでナンバーワンと言っても過言ではない。
闘志溢れる守護神 1番 東口順昭
日本代表の中心選手を抱え、Jリーグを代表するチームとなったガンバ大阪の弱点は長らくゴールキーパーのポジションだった。就任後2年目のシーズンとなった2014年、長谷川監督が熱望したのは当然ゴールキーパー。そして白羽の矢が立ったのは、ガンバ大阪の下部組織出身でアルビレックス新潟でプレーしていた東口順昭選手だった。
東口選手の特徴は何と言ってもそのシュートストップ。ポジションの特性上受け身になってしまう事も多いゴールキーパーだが、東口選手に限っては全くそんな事はなく強気な姿勢でプレッシャーをかけ続け、驚異的な反応で相手選手の前に立ちはだかる。
ハリルホジッチも注目のハイタワー 20番 長沢駿
記者会見でハリルホジッチ日本代表監督が面白い選手だと名前を上げた長沢駿選手。彼はここまで決して恵まれたキャリアを歩んできた訳ではなかった。
プロ入りしたのは2007年、現ガンバ大阪監督の長谷川健太氏が監督を務めていた清水エスパルスに下部組織から昇格。しかしほとんど出場機会がなくJ2のロアッソ熊本に移籍。ここでは同じ長身FWとして名を馳せた高木琢也監督の下出場機会を掴む事ができたが、その後プレーした京都サンガや松本山雅では試合終盤のパワープレー要因としてのみのプレーに終わり、復帰した清水エスパルスでも出場試合数はシーズンの半分以下に終わっていた。
そんな長沢選手に声をかけたのはプロ入り時の指揮官だったガンバ大阪の長谷川監督。1年目はフィットに時間がかかったが、2年目の今シーズンは大ブレイク。高さだけでなく献身的なプレーで攻守に貢献している。
宇佐美貴史が怪物と称する注目の若手 21番 井手口陽介
ガンバ大阪で今最も注目を集めている若手選手は、下部組織出身で高校生ながらもトップ昇格したプロ入り3年目、リオ五輪代表にもチーム最年少で選出され、ルヴァンカップのニューヒーロー賞にも選ばれた井手口陽介選手だろう。
井手口選手の特徴は攻守の切り替えの速さと球際の激しいプレー。相手ボールになると一目散にボールを奪いに走り、また味方がボールを奪うと一気に前線に駆け上がる。
下部組織時代は背番号10番を背負っていた様にボールテクニックも抜群。ただ走るだけの選手ではなくパスで味方を動かす事もでき、さらには強烈なミドルシュートも持っている。
遠藤保仁や今野泰幸らの日本を代表する選手を抱えるガンバ大阪のボランチだが、今後は井手口が中心になっていくかもしれない。
まとめ
王者奪回を目指すガンバ大阪。2014年の3冠に貢献したエース宇佐美貴史選手はドイツに移籍、パトリック選手は負傷で長期離脱と厳しい状況は続くが、土台となる遠藤選手や東口選手は健在で、2年前にはいなかった新たな戦力も台頭してきており、注目のチームである事は間違いない。