勝利に最もこだわる40番 小笠原満男
リーグ優勝6回、天皇杯3回などJリーグの誰よりも多い21ものタイトルを経験してきた小笠原満男選手は、プロ入り19年目の37歳となった今シーズンも衰えを感じさせず、タイトルを義務付けられたクラブを引っ張っている。
時間が止まったようなアシストや美しいフリーキックなど、若い頃に見せていたような華麗なプレーを見せる事は少なくなったが、年齢を重ねる毎にポジショニングの精度が高まり、相手からボールを奪い攻撃を組み立て、さらにはゴール前にも出て行くなど、必要な時に必要なプレーができる鹿島の魂だ。
元鹿島アントラーズの内田篤人選手が「ボスというかドン」と語る小笠原選手のリーダーシップに注目だ。
33番を背負うストライカー 金崎夢生
以前は切れ味鋭いドリブルを武器とするアタッカーとしてプレーしていた金崎夢生選手は、2013年にドイツに移籍するも出場機会に恵まれず、その後ポルトガル2部に移籍。海外では思い描いていた様なプレーができていなかった。
しかし2015年に鹿島アントラーズに加入すると、石井監督にFWとしての適正を見いだされ、シーズン途中からFWにコンバート。するとその才能が開花し、日本代表入りだけでなくベストイレブンにも選出される活躍を見せる。
プレーの特徴は何と言ってもゴールへの貪欲さ。これまでの貪欲な選手といえばどうしても技術をハートでカバーするタイプの選手が多かったのだが、元ドリブラーだけあって技術も抜群。熱い気持ちが空回りした結果現在は日本代表から離れているが、能力はもちろん代表クラス。現在Jリーグでプレーする日本人選手の中で最も期待されるストライカーの1人だ。
エースナンバー10を背負う 柴崎岳
ジーコやビスマルク、本山雅志がつけた鹿島アントラーズの背番号10を今シーズンから背負うのは、鹿島一筋6年目のゲームメイカー柴崎岳選手。日本代表からはハリルホジッチ監督の就任以降少し遠ざかっているが、遠藤の後継者として常に名前が上がる期待の選手だ。
プレーの特徴は、何と言っても長短織り交ぜた華麗なパス。また、チームを支える小笠原選手の隣でプレーする事で学ぶ事も多いようで、パスだけでなく、時には少し低い位置から一気にゴール前にまで飛び出してくる運動量も持ち合わせ、走れるゲームメイカーとして日々スケールアップ。加えて抜群のルックスでも人気を集めている。
日本代表復帰の期待も大きく、将来的には海外でプレーする可能性が高い選手の1人だ。
日本代表入りを果たしたダイナモ 6番永木亮太
今シーズン湘南ベルマーレから加入した永木亮太選手。加入直後ファーストステージでは途中出場が続いたが、セカンドステージに入りポジションを確保すると、2016年9月にワールドカップ予選を戦う日本代表メンバーに初選出された。
プレーの特徴は何と言っても豊富な運動量とボール奪取力。危ない場所をしっかりカバーしながらも、ピンチには味方ゴール前で身体を張り、チャンスには相手ゴール前へ飛び出していく。抜群の走力をベースに90分間攻守に関わり続けられ、ハリルホジッチ監督も評価するように、しっかりボールを奪う技術も持ち合わせている。
さらに湘南ベルマーレ時代はキッカーも務めていた様に正確なキックも持っており、豪快なロングシュートも魅力の1つだ。
リオ五輪代表のディフェンスリーダー 23番植田直通
厳しい結果となったリオ五輪のディフェンス陣の中で、唯一存在感を見せていたのは、闘志を前面に出してプレーしていた強面の背番号5番だったのではないだろうか。その選手こそが鹿島アントラーズでは背番号23番を背負う、プロ4年目の植田直通選手だ。
中学時代にはテコンドーで日本一に輝くという異色のキャリアを持つ植田選手の特徴は、高さと強さに加えてスピードも併せ持つ身体能力と、その身体能力を活かす強いメンタルだ。昨シーズンまではプレーが直線的だったため老獪なベテラン選手にやられてしまう事も多かったのだが、リオ五輪も経験した今シーズンは完全に一皮剥けた様で、2016年9月には日本代表にも選出。ハリルホジッチ監督が最も期待を寄せる若手ディフェンダーだ。
まとめ
ヤマザキナビスコカップ(現ルヴァンカップ)等の優勝はあるものの、リーグ優勝からは2009年以来遠ざかっている鹿島アントラーズ。今シーズンは若手選手の成長もあり、若手からベテランまで、そして各ポジションにご紹介した5人を始めとするタレントが揃い絶好のチャンスを迎えている。