最終節で劇的な逆転優勝を達成
前年にクラブ史上最長となる3年連続無冠に終わった鹿島アントラーズは、新監督としてオズワルド・オリヴェイラを招聘。内田篤人、柳沢敦、野沢拓也に加え、後に外国籍選手としてJリーグ最多得点を記録する事になるマルキーニョスを獲得して2007年は始まった。
大黒柱・野沢の怪我もあり開幕から出遅れてしまうが、野沢の復帰と共に成績が上昇。さらにイタリアから小笠原満男の復帰もありリーグ終盤には9連勝と猛烈な追い上げを見せ、最終節まで1度も首位にならなかったチームが最終節で逆転優勝を達成。
そしてここからJリーグ記録となる3連覇を達成する事となる。
「オズの魔法使い」名将オズワルド・オリヴェイラ
自身はプロ選手としての経歴を持たないオズワルド・オリヴェイラが優れていたのは、フィジカルコーチ出身らしくチームのコンディショニングと人心掌握術。
コンディショニングについてはシーズン後半に他チームがコンディションを落とす中、鹿島の選手は最終節までトップパフォーマンスを維持。試合終盤の逆転勝利も多くそれが逆転優勝に繋がったといえる。
また鹿島の監督に就任した初日、顔合わせの段階で選手全員の名前と顔を覚えていた事に代表されるように人心掌握術にも優れており、出場機会の少ない選手にも常に気を配り声をかけ続ける一方、ミスには厳しい指摘をするなど、スタッフを含めたチーム全員がチームの勝利を目指して戦う鹿島アントラーズのスタイルを徹底。その手腕から「オズの魔法使い」とも呼ばれる様になった。