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サッカー日本代表とU22日本代表発表 顔ぶれは前回からどう変わった

2019 9/3 06:00中山亮
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日本代表、海外組は史上最多19人

日本サッカー協会(JFA)は8月30日に2022 FIFAワールドカップ カタール・アジア2次予選のミャンマー代表戦に臨む日本代表、および北中米遠征を行う東京五輪世代U-22日本代表のメンバーを発表した。

いよいよワールドカップ予選が始まる日本代表。予選ということで23人の招集メンバーの中に大きなサプライズはなし。中島翔哉や南野拓実、堂安律らの中心選手が順当に名を連ね、6月の代表戦やコパ・アメリカでは入らなかった吉田麻也、遠藤航も招集した。

またこの夏に海外移籍を果たしたシュミット・ダニエル、安西幸輝、久保建英もメンバー入りとなった。

その結果、今回の代表メンバーで海外クラブに所属する選手はなんと史上最多の19人。国内組はわずか4名にとどまり、ロシアW杯の海外組15名、国内組8名からさらに海外組の比率が高まった。

【日本代表】
☆は海外組
GK
☆川島永嗣(ストラスブール/フランス)
☆権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)
☆シュミット・ダニエル(シント・トロイデンVV/ベルギー)

DF
☆長友佑都(ガラタサライ/トルコ)
☆吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
☆酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
☆植田直通(サークル・ブルージュ/ベルギー)
☆安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)
 畠中槙之輔(横浜F・マリノス)
☆冨安健洋(ボローニャ/イタリア)

MF
☆原口元気(ハノーファー/ドイツ)
☆柴崎岳(デポルティーボ/スペイン)
☆遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
☆伊東純也(ヘンク/ベルギー)
 橋本拳人(FC東京)
☆中島翔哉(ポルト/ポルトガル)
☆南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)
☆板倉滉(フローニンゲン/オランダ)
☆堂安律(PSV/オランダ)
☆久保建英(マジョルカ/スペイン)

FW
 永井謙佑(FC東京)
☆大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)
 鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)

増えたのは守備陣で、ポジションごとに見ると海外組の比率が最も高くなったのがGK。ロシアでは3人中1人だったものが、3人全員が海外組になった。さらにDFも海外組4人国内組3人から7人中6人が海外組。国内組は畠中槙之輔1人だけとなった。

GKやCBはポジション柄どうしてもサイズやフィジカルの強さが求められるため、海外では難しいと考えられたこともあった。だが、これだけ海外組が増えると、日本サッカーが確実に進歩していることを感じられる。

日本代表序列はどうなる?

今回の日本代表メンバーには初招集の選手はおらず、これまでの中心選手が順当に招集されていることから怪我などがない限り大きく序列が変わることはないだろう。FWの中心は大迫勇也、中盤には南野、中島、堂安、柴崎岳、DFラインは酒井宏樹、冨安健洋、吉田、長友佑都。彼らが中心となることが予想される。

序列が変わる可能性があるとすればGKに加え、柴崎とコンビを組むボランチのポジションだろう。

GKはコパ・アメリカでは川島永嗣が2試合にプレーし、さすがの安定感を見せたが所属するストラスブールでは出場機会に恵まれていない。一方この夏にシント・トロイデンVVへと移籍したシュミット・ダニエルは移籍後即レギュラーポジションを確保していることを考えると、ポジションを掴む可能性は十分ある。

そしてかつては長谷部誠が長年勤めてきた柴崎とコンビを組むボランチのポジションだが、こちらは横一線。経験のある遠藤航、FC東京の首位躍進をささえる橋本拳人、東京五輪世代の板倉滉。彼ら3人のポジション争いは注目だ。

U-22日本代表はJでポジションを掴んでいる選手が中心に

日本代表と同時に北中米遠征を行うU-22日本代表も発表。こちらは22人中20人が国内組。海外組は前田大然と安部裕葵の2人のみ。五輪世代の富安、堂安、久保、板倉が日本代表に招集されていることや、移籍したばかりの三好康児の招集が見送られたこともあり、国内組の選手が中心となった。

とはいえ今回のメンバーで特徴的なのが、既にJでポジションを掴み結果を残している選手が中心になっていること。

今回のU-22メンバーの国内組20人中、今季トップチームでのリーグ戦出場がないのはGK小島亨介のみ。(カップ戦では出場している)直近5試合でも小島を除く19人が出場しており5試合の出場率がおよそ75%(途中出場も含む)。これはかなりの数字だろう。

【U-22日本代表】
GK
小島亨介(大分トリニータ)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)

DF
岩田智輝(大分トリニータ)
町田浩樹(鹿島アントラーズ)
大南拓磨(ジュビロ磐田)
立田悠悟(清水エスパルス)
岡崎慎(FC東京)
瀬古歩夢(セレッソ大阪)

MF
長沼洋一(愛媛FC)
遠藤渓太(横浜F・マリノス)
高宇洋(レノファ山口FC)
松本泰志(サンフレッチェ広島)
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
田中碧(川崎フロンターレ)
菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)
渡辺皓太(横浜F・マリノス)
齊藤未月(湘南ベルマーレ)
安部裕葵(バルセロナ/スペイン)
橋岡大樹(浦和レッズ)

FW
小川航基(水戸ホーリーホック)
前田大然(マリティモ/ポルトガル)
上田綺世(鹿島アントラーズ)

5月のFIFA U-20ワールドカップメンバーからステップアップする形で招集された瀬古歩夢と齊藤未月の2人もそれに該当。齊藤は以前から湘南の中心選手としてプレーしていたが、瀬古も昨季までのU-23チームから今季に入りトップチームに定着。さらに現在ではトップチームでポジションも確保している。

また、期待のFWでありながらも磐田であまり出場機会に恵まれなかった小川航基もこの夏にJ2水戸へと期限付き移籍しポジションを確保。コパ・アメリカで大学生プレーヤーとして話題になった上田綺世も夏に鹿島アントラーズに前倒し加入すると即途中出場で出場を重ねている。

これまで五輪世代ではどうしても出場機会に恵まれない層の薄いポジションがあり、本大会ではそこをオーバーエイジでカバーするという形になっていたが、この世代にそんな心配は必要なさそうだ。