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日本、無敗でグループ突破  田川、齊藤の2トップ負傷は不安材料【サッカーU-20W杯】

2019 5/30 10:51中山亮
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負けても突破濃厚の日本と突破確定のイタリア

U-20ワールドカップ グループリーグ最終節、日本対イタリアの一戦は0-0の引き分け。これで日本は1勝2分の勝ち点5となり、2勝1分勝ち点7のイタリアに次ぎ2位でグループリーグ突破を決めた。日本はこの試合でもし敗れたとしても、同時キックオフのエクアドル-メキシコ戦でエクアドルに得失点差4をひっくり返されない限りグループ突破が決まる状況だった。

先発メンバーはメキシコ戦から4人を入れ替え。メキシコ戦で2得点の宮代(川崎)、2アシストの藤本(東京V)、ライネスを完封した鈴木(湘南)、そしてここまでの2試合で最終ラインを牽引した瀬古(C大阪)が外れ、西川(桐光学園・C大阪内定)、伊藤(名古屋)、東(広島)、三國(福岡)が入った。

伊藤、東は初戦に続き2度目の先発、西川は今大会初先発、三國は今大会初出場となる。

一方のイタリアは既にグループ突破が決定。残るは日本との順位争いのみで、引き分け以上で首位突破が決まる優位な状況に立っていることもあり3番トリパルデッリ、と7番フラッテージを残し前節から9人を入れ替え。

ここまでの2試合で強烈なインパクトを残していた11番スカマッカと9番ピナモンティはベンチスタートとなっている。

田川が好プレーも負傷交代

日本はこれまで同様に4-4-2の布陣だったのに対し、ここまでの2試合の3バックから4-3-3の布陣に変えたイタリア。守備の時は4-4-2へと立ち位置を変化させる興味深い戦い方を採用していたが、選手の入れ替えの影響か、日本が齊藤未月(湘南)のロングシュートでイタリアゴールを脅かすと、直後には小林(神戸)の不用意なバックパスであわやオウンゴールという慌ただしい立ち上がりとなる。

そんな中で最初にビッグチャンスを迎えたのは日本。最終ラインからのロングフィードで飛び出した田川(FC東京)をイタリア5番ボンジョルノがペナルティエリア内で倒し日本がPKを獲得する。しかし伊藤がこのPKを失敗。日本は絶好の先制機を逃してしまう。

しかしそれでも日本はボールを保持し攻勢を保つ。

20分に田川が目を見張るスピードで最終ラインの裏に飛び出し、GKと1対1の状況を作ったが、この場面でもGKカルネセッキがセーブ。しかも田川が一連のプレーの中で右足の腿裏を痛めてしまい途中交代を余儀なくされる。

田川の負傷により日本は中村(G大阪)を投入。最初はFW、途中から西川とポジションを入れ替えた中村の積極的なプレーでこの後も日本は右サイドからの攻撃を中心に攻勢をかけるも、ボール保持は相手に委ねながらも時折鋭いカウンターをみせるイタリアがうまく試合を運び0-0で前半を折り返す。

齊藤光毅まで負傷で先発2トップが交代

後半に入るとイタリアははっきりとカウンターを狙う動きを見せる。日本もチャンスを作るが65分に三國が背後を取られる場面もあり一進一退の攻防が続く。そんな中77分に、今度は斉藤光毅(横浜FC)が肩を痛め鈴木(湘南)と交代。日本は先発2トップが2人とも負傷交代というアクシデントに見舞われる。

日本は86分に西川に変え前線に高さのある原(FC東京)を投入するも、試合はそのまま修了。ボールを持つことができ、シュート数でも上回った日本だったがイタリアの巧妙な試合運びの前に得点を奪えずスコアレスドローに終わった。

これで日本はグループ2位で突破が決定。現地6月4日に行われる決勝トーナメント1回戦はグループFの2位との対戦となる。グループFは現在第2節までが終了。現在首位は勝ち点6のアルゼンチン。次いで共に勝ち点3で韓国とポルトガルが並んでおり、最終節は現地5月31日に行われる。

日本にとって気になるのは田川と斉藤光毅の負傷の状態。次戦が6月4日ということで日程的には比較的余裕はあるが、もし田川が肉離れ、斉藤光毅が脱臼ということであれば長引く可能性もあり日本にとっては大きな痛手となる。