コパ・アメリカとは?
JFA(日本サッカー連盟)は2019年6月にブラジルで開催されるCONMEBOL(南米サッカー連盟)主催のコパ・アメリカ2019への参加を発表した。日本代表がコパ・アメリカに参加するのはちょうど20年前にパラグアイで行われた1999年以来2度目。日本代表にとってはアウェーで本気の南米と対戦するという貴重な機会を得た。
コパ・アメリカとはCONMEBOL(南米サッカー連盟)が主催する南米の大陸選手権。アジアでのAFCアジアカップ、ヨーロッパでのUEFA欧州選手権にあたる大会である。
第1回大会はCONMEBOL(南米サッカー連盟)が設立された1916年で100年以上前。大陸間選手権としては最も長い歴史を持つ大会として知られている。
この大陸選手権に日本が参加する形になるのだが、これはコパ・アメリカでは1993年のエクアドル大会以降南米10カ国に加え招待国2カ国を加えた12カ国で開催されているから。
CONMEBOL(南米サッカー連盟)加盟国はわずか10カ国しかなく、かつては10カ国によるホーム・アンド・アウェー方式で行われていたこともあった。しかし招待国を加え12カ国とすることで、4カ国ずつをグループにわけて戦う現在のワールドカップと同じフォーマットでの開催が可能となり、エクアドル大会以降はこの方式が定着している。
この招待国制度をうまく活用しているのがCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)に加盟しているメキシコ。大陸選手権CONCACAFゴールドカップでも全22大会中10度優勝しているように実績・実力共にCONCACAF内ではメキシコが頭一つ抜けている。
そのためCONCACAF内の試合ではどうしても強化に繋がりにくい。そこでブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなどのワールドカップ優勝国と真剣勝負ができるコパ・アメリカに参加することで強化を図っているのだ。
1993年の招待国制度が始まって以降、メキシコは前回大会までの全てに招待国として参加しており、2019年大会で初めて招待国から外れることとなっている。
日本は3度招待のうち参加「1」、辞退「2」
コパ・アメリカという歴史ある大会に日本代表が参加できることには大きなメリットがある。
それはこれまでメキシコが行ってきたことでもあるワールドカップ優勝国と真剣勝負ができること。
この大会は普段のフレンドリーマッチではない。南米各国が威信をかけて戦う大陸選手権なのだ。
先日、日本代表がウルグアイに勝利したように日本国内で戦うフレンドリーマッチでは日本代表が南米国に勝利することはあるが、日本は南米勢を苦手としている。
ワールドカップではロシア大会でのコロンビア戦が初勝利。それ以前の4回の対戦では全敗している。ちなみにこの試合は日本だけでなくアジア勢がW杯で南米チームに初めて勝利した試合でもあった。
代表を強化する絶好の機会でもあるが、日本はこれまで1999年、2011年、2015年と3度招待されているが、参加したのは1999年の1度のみ。2011年は東日本大震災が発生したため、2015年は日程の都合で辞退している。
参戦理由は代表強化。欧州勢との対戦が困難に
来年2019年は1月にAFCアジアカップが開催されるため日程に余裕は無い。
その様な状況でありながらも今回参加を決めたのは、国際Aマッチを取り巻く環境が大きく変わったことだろう。
ロシアワールドカップ以降、日本代表は地震の影響で中止となったチリ戦を含め6試合をマッチメークしたが、その中にUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)加盟国は1つもないことを疑問に感じた方もいるかもしれない。
これはUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)では、ワールドカップ終了後から代表チームによる国際大会、UEFAネーションズリーグが開催されるようになったから。ヨーロッパの国々はインターナショナルマッチデーのほとんどがこの大会に使用されることになり、日本がUEFA加盟国と対戦すること自体が難しくなったのだ。
そんな中で受けたCONMEBOLからの招待。日本代表の強化を図る上でこの機会を逃す手はない。
2019年6月14日~7月7日にブラジルで行われるコパ・アメリカ2019。
組み合わせ抽選会は、来年1月24日のブラジル時間20:30(日本時間9:30)にブラジリアで行う予定となっている。