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W杯制覇は堅守速攻の仏か、脅威の粘りのクロアチアか 19歳ムバッペと32歳モドリッチのMVP争いにも注目

2018 7/15 10:02SPAIA編集部
ムバッペ,モドリッチ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロシアワールドカップ決勝は20年越しの再戦

ワールドカップ2018年ロシア大会も、いよいよクライマックスの時が近づいている。決勝戦は日本時間7月15日の24時と日曜の夜中だが、3連休の中日ということもあって安心して見られるサッカーファンも多いことだろう。

決勝の舞台はモスクワのルジニキスタジアム。ファイナリストはフランスとクロアチアだ。両チームともトップクラスの選手を揃えているだけでなく、団結力の強さも特徴だ。フランスはポグバやカンテ、グリーズマン、ヴァランらに加えて、今大会は19歳のムバッペの活躍も目立つ。対するクロアチアも、モドリッチ、ラキティッチ、マンジュキッチというスターを筆頭に、ヴルサリコ、ペリシッチら実力者が揃っている。

この組み合わせで思い出すのが、いまから20年間の98年フランス大会、その準決勝のことだ。クロアチアはこの大会がW杯初出場。グループステージでは同じく初出場の日本と同組となった。その初出場の大会で、クロアチアは見事3位となり、エースのシューケルは大会得点王に輝いた。当時のメンバーはいまもクロアチア代表最高の世代と称されている。

そしてクロアチアに準決勝で土をつけたのが、ホスト国であり、この大会で初優勝を果たしたフランスだった。クロアチア戦で2ゴールをあげたテュラムをはじめ、ジダン、ジョルカエフ、リザラズ、プティ、トレゼゲらスター選手を擁していた当時のフランス代表もまた、史上最高の世代とされる。今大会、決勝で再び相まみえた両者は、それぞれ98年世代に匹敵する世代だとして両国国民から大きな期待を一身に受けている。

堅守速攻、若手の爆発

今大会のフランス代表は堅守速攻がベースだ。決勝に至るまでの6試合で10得点4失点。アルゼンチン戦のような打ち合いに応じることもあれば、ベルギー戦のように守備に重きを置きつつ決定機を伺うサッカーもできる。デシャン監督のもとチームは団結し、相手の特徴に合わせた試合ができるだけの力を手にしている。

6試合中4試合をクリーンシートで終えているのは、バルセロナとレアル・マドリーでレギュラーを貼るセンターバック、ウムティティとヴァランの高い壁、そしてその前に立ちはだかるカンテの力が大きい。

そして攻撃ではグリーズマン、ムバッペ、ジルーの3トップが強力だ。なかでもグリーズマンは、得点能力はもちろんチャンスメークでもその才能を発揮し、3ゴール2アシストと結果を残している。ムバッペは抜群のスプリントで相手ディフェンスを置き去りにするプレーを今大会何度も見せてくれた。クロアチア守備陣でこのスピードを個で止められる選手はいない。

粘りに粘って決勝進出 クロアチア

クロアチアの今大会を一言で表すなら、「粘り」だろう。決勝トーナメントの3試合はすべて90分で決着がつかず、デンマーク戦とロシア戦はPK、そしてイングランド戦は延長後半に決勝点が生まれた。

単純な試合時間で言えば、フランスより1試合分多くプレーしていることになる。イングランド戦ではそれまでの2試合で疲労がたまっているからイングランド有利とする英国メディアもあったが、最後まで動き続けたのはクロアチア。前評判を覆すプレーで決勝へと進んだ。

またリカバリー数でもトップで、トップ10に3人が入っているなど、敵陣からボールに食らいつくプレーが特徴と言える。6試合で12得点5失点。その得点源はエースのマンジュキッチ、ペリシッチ、そして主将のモドリッチだ。特にモドリッチは2ゴール1アシストの活躍で、今大会MVPの呼び声も高い。

不安をあげるなら失点の傾向だ。決勝トーナメントでは3試合すべてで先制を許しており、決勝では立ち上がりから高い強度で試合に入らなければ、フランスの攻撃陣にあっという間に切り裂かれてしまう。

大会の主役はモドリッチかムバッペか

今大会の主役は、ロナウドでもメッシでも、ネイマールでもなかった。有力候補はフランスのムバッペ、そしてクロアチアのモドリッチだ。

ムバッペは10代選手ながら全6試合に出場、チームトップタイの3ゴールを決めており、決勝戦もキックオフからピッチに立つだろう。ベストヤングプレーヤー賞は余程の事態が起きなければ彼で決まりだ。

さらにゴールデンボール(大会MVP)の可能性も十分にある。初優勝を果たした20年前のフランス大会のときにはまだ生まれていなかったムバッペ。すでに歴史となっている前回の偉業を、自らの手で再び達成することはできるか。

一方モドリッチは、クロアチアを初の決勝へ導いた原動力。2得点1アシスト、そしてリカバリー12回と攻守あらゆる場面で顔を出しているが、その総走行距離はなんと63km、総プレー時間は604分に及ぶ。

グループステージ第3戦で後半途中交代した以外は、全ての試合で90分、あるいは120分走り続けてきた。守りと粘りを武器に勝ち上がってきたクロアチア。その中心には常に小柄な個の選手がいた。チームに悲願の初優勝をもたらせば、ゴールデンボールは彼の手のもとに行くことだろう。

多くの新星があらわれ、ベテランが最後の輝きを放った今大会。19歳と32歳、決勝の舞台でチームを世界の頂に連れていくのはどちらか。