日本の予選突破は3.75倍
6月14日にワールドカップ開幕を控えた2か月前に代表監督を変えるという決断を下した日本代表。主な理由は「監督と選手のコミュニケーション不足」と発表されたが、単刀直入に言えば日本サッカー協会が「このままでは勝てない」と判断したからだ。
勝つために迎えられた新指揮官、西野監督は6月12日のパラグアイ戦で初勝利を収めたものの、ガーナ、スイス相手には芳しくない結果を残してしまった。その日本代表は海外でどういう評価を受けているのだろうか。
ここでは世界最大手ブックメーカーの一つであるwilliam hillのデータから探ってみたいと思う。
まず下記が日本と対戦国の評価である。
パラグアイ戦以前に設定されているため、現在の評価とは若干異なってくるが、上記を見て分かる通り日本は予選リーグで敗退することが濃厚という評価を受けている。唯一いい材料があるとすれば、他の国もそこまで高い評価ではなく、「コロンビアやポーランドもベスト16止まりが妥当、よくてベスト8」という評価を受けている。「日本の評価は低いが他のチームの評価も高くない」という状況だ。
ゴールを期待されている日本代表は
次に日本のゴールについてみてみよう。
やはり岡崎、大迫、本田、香川の評価が高い。3番手に原口が記載されているのは4-3-3のデータが重視されているためか。パラグアイ戦の2得点で勢いのある乾の評価はもう少し上がっているだろう。
面白いのはDFの植田が真ん中あたりに位置していることだ。定評のあるセットプレーでの空中戦は海外でも評価されているようだ。
一方で、得点者無しが7番手と倍率が低いことが気になる。日本の攻撃力ではグループリーグに通用しないと考えている層が多いことも伺える。
対戦国の得点王オッズと対抗策は
最後にグループH各国の得点王候補のオッズをみてみる。
まずコロンビアについて。やはりファルカオ、ハメス・ロドリゲスの2枚看板が主な得点源とされている。コロンビアは攻撃が多彩で組織的に攻めてくるため、強化試合でもコンビを組んでいる吉田、槙野で柔軟に対応したい。
どの国も日本代表と比べ高い決定力を有するエースが存在していることが分かる。対抗策としては何が考えられるだろうか。
ポーランドにはレバンドフスキという絶対的エースがいる。ポーランドの中で得点王になるというオッズが1.5という事は逆を言えばここを押さえたら失点はほとんど抑えられるという事だ。一昨年のクラブワールドカップでクリスティアーノ・ロナウドをある程度抑えることができた昌子なら、レバンドフスキに対抗できるか。
セネガル戦ではマネを抑えることが最重要課題だ。マネの特徴はなんといってもスピード。ここでは長友をマッチアップさせる手が有効ではないだろうか。長友、長谷部、吉田の3バックで対応し、時には両ウイングを極端に下げて5バック気味にするという戦術も考えられる。
日本代表はオッズを覆せるか
オッズからはグループリーグ突破への厳しい現実が見えてきた。しかも初戦はグループ内最強のコロンビア。W杯ではグループリーグ初戦で敗戦したチームの突破確率が極めて低いことが知られている。負けたとしても「他の2チームに勝ち点で上回ればまだ可能性がある」という考え方もできるが、過去のデータは過酷な現実をつきつけている。
この試合で勝てば選手のモチベーションは大いに上がり、これ以上ない弾みがつくが……。
ラウンド16進出へいきなりの天王山となる日本代表の初戦は6月19日の21時から、日本代表が文字通り下馬評を覆すことを信じて応援したい。