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本田圭佑が挑む3度目のW杯 日本にはやはりこの男が必要だ

2018 5/29 07:00SPAIA編集部
本田圭佑Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

W杯日本代表トップスコアラー 本田圭佑

5月31日、ワールドカップロシア大会の日本代表23人がついに決まる。本田圭佑は自身3度目となる大舞台を「最高の状態」で臨めると意気込んでいる。W杯過去2大会を振り返る。

ACミラン退団後、ヨーロッパを離れメキシコの地で新たな挑戦に臨んだ2017-18シーズン。本田圭佑はキャリアではじめてトップリーグで2ケタ得点をあげ、その高いクオリティを示し復活を印象付けた。6月には自身3度目となるフットボール最高の舞台、ワールドカップロシア大会に臨むことがほぼ確定している。

その強烈な個性、そして決してスピードがあるわけではないプレースタイルなどを巡って、本田についてはさまざまな議論が巻き起こってきた。しかし数字はこの男がW杯で何をしてきたのかハッキリと示している。本田圭佑は近年の日本代表で、とくにW杯で目を見張る実績を残している。2010年大会では世界中を驚かせた直接FKを含む2ゴール1アシスト、失意の14年大会でも1ゴール1アシストを決めている。過去2大会で日本があげた6得点のうち実に5得点に絡む。海外メディアや選手から、日本代表といえば本田圭佑という声が多いがそれもそのはず。W杯での日本の得点シーン、その中心には本田の姿があったのだ。

前評判を覆したベスト16入り。原動力は本田の2G1Aだった

2010年南アフリカ大会で日本は大会前に崩壊の危機にあるとされながらも、02年日韓大会以来となるベスト16という成績を残した。DFリーダーの田中マルクス闘莉王や中澤佑二らとともにチームの中心にいたのが当時24歳の本田だった。この大会で日本は4ゴールを決めたが、本田はうち3得点に絡んでいる。

グループステージ第1戦のカメルーン戦、前半終了間際にMF松井大輔から右サイドからのクロスを利き足で合わせ、本田が先制ゴールをあげた。この1点を守り切り、日本は8年ぶり、そして母国以外の地で初となる白星を手にした。さらにデンマークとの第3戦で日本は世界を驚かせた。GKソーレンセンが守るゴールを本田と遠藤保仁が直接FKで破り前半で2-0としたのだ。さらに後半、本田はもう一仕事を果たす。中央でボールを受けると、ドリブルから途中出場の岡崎慎司にラストパスを送り3点目をアシスト。3-1の勝利に導いた。

本田が絡んだ3得点、そのすべてが異なる形だ。流れからの得点、直接FK、そしてドリブルからのアシスト。どの形でも点に絡めるという能力の高さを示し、世界中に本田圭佑の名を知らしめた。

失意のGL敗退も、1G1Aで一矢報いる

CSKAモスクワからイタリアの強豪ACミランに移籍を果たし、大きなステップアップとともに迎えた2014年ブラジル大会。高いモチベーションで臨んだものの、結果は1分2敗。未勝利でグループステージ敗退という失意の結果となった。

そんな中でも本田圭佑は結果を出した。日本が決めたのはわずか2ゴールだったが、どちらも本田のプレーから生まれたものだった。

初戦コートジボワール戦では長友佑都のパスを受けて左足で先制。10年大会のカメルーン戦の再現かと思わせる利き足でのゴールだった。だがその後2失点を喫し逆転負けと、試合自体は前回大会の再現とはならなかった。そして勝利が不可欠となった第3戦。前半アディショナルタイムに右サイドからクロスをあげて、岡崎の同点ゴールをアシスト。強豪コロンビア相手に先制されていた中でも諦めない姿勢を示した。

コートジボワール戦のゴールで、W杯3得点目を決めた本田。稲本潤一、岡崎の2得点を上回るW杯における日本人トップスコアラーとなった。また2大会連続で得点した日本人選手としても、岡崎とともに記録に名を刻んでいる。

本田とW杯の相性は抜群

14年大会を失意の結果で終え、ミランでも順風満帆とは言えない日々を過ごした本田。スピードがある選手ではないため、ハリルホジッチ前監督が標榜した素早いカウンターサッカーに完全にマッチせず、ベンチを温めることもあった。

メディアもクラブ、代表での不遇を取り上げ、不要論も出始めた。

しかしキープ能力や得点に絡む力はいまも日本トップクラスで、数字は冷静にそのことを示している。過去2大会7試合で3得点2アシストの実績と経験は十分だ。

そして30歳をこえベテランの域に入ったいまもその能力は衰えていない。18年大会アジア予選で日本人トップとなる7ゴールをあげた。また17年夏に移籍したパチューカではすぐにチームの主力となり、リーグ戦2ケタ得点をあげるなど調子は良い。

実績、経験、そして調子の良さも勘案して、本田圭佑がいまの日本代表に欠かせない選手というのは間違いないだろう。ロシア大会でゴールを決めればW杯得点数更新はもちろん、日本人初となる3大会連続ゴールは果たすことになる。

日本を引っ張る存在として、そして1人のフットボーラーとして、本田圭佑はキャリア最大の大舞台に臨む。