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【小さなフクロウ】マルコ・ヴェッラッティは伝説となれるのか


マルコ・ヴェッラッティとペスカーラ

マルコ・ヴェッラッティ選手(以下、敬称略)は1992年11月5日生まれ。イタリアのペスカーラで生まれ、地元クラブであるデルフィーノ・ペスカーラ1936(以下、敬称略)のユースに入団した。

2008年、16歳でプロデビューすると、トップ下からボランチの位置へコンバート。このコンバートを指示したのは、ズネデク・ゼーマン監督(以下、敬称略)だった。ゼーマンは4-3-3のシステムを好み、攻撃的なサッカーを好む。
選手達には相手の攻撃に対してズルズル下がるのではなく、高い位置でプレッシングさせ、ロングボールを放り込まれればオフサイドトラップで、リズムを崩すことを徹底した。
攻撃時にもディフェンスラインを高く保つことで、陣形をコンパクトにし素早く前へ攻めることに比重を置いた。

ヴェッラッティがコンバートされたのも、このゼーマンのサッカーを体現するためのものだったように思える。後に詳述するが、ヴェッラッティはプレスとパス回しの双方を得意とする。そのため、彼をボランチに置けば、攻守のつなぎ目がなくなる。どちらにもスムーズに切り替えがいくというわけだ。

こうしてペスカーラは、ゼーマンとヴェッラッティにより調子を上げていく。2010-11シーズンには、見事19年振りのセリエA復帰を果たした。

イタリアを旅立つヴェッラッティとセリエAの憂鬱

ペスカーラを昇格に導いたヴェッラッティだったが、セリエAでプレーすることなく、2012-13シーズンに、パリ・サンジェルマンFC(以下、PSG)への移籍を決断する。
国内からはユヴェントスFC(以下、ユヴェントス)などの名門からも声がかかっていたが、どうやらその関心は本気ではなかったようだ。ヴェッラッティ本人はユヴェントスのファンと語ったようだが……。

ヴェッラッティの代理人は、PSG移籍が確定する前にこう語った。
「イタリアサッカーの敗北だ。フランスへの移籍はまだ決まっていない」としつつ、「メディアの想像がつかないほどの関心があるんだ。私に言えるのはヴェラッティがPSGに移籍することはイタリアサッカーの敗北を意味するということだけだ」と。
一方、ペスカーラの会長は国内のビッグクラブに放出したかったようだ。そうすれば、ペスカーラにレンタルで残しておける可能性があったからだ。しかし、本気度が窺えるようなオファーは結局届かなかった。

実は、彼の移籍の前後からセリエAのクラブは財政状況が芳しくなく、資金的な面で他のリーグからの遅れをとり始めていた。資金力で遅れるということは、選手のクオリティの面でも遅れをとるということと同義だ。将来を有望視されたヴェッラッティのような逸材を国外に放出することは、彼の代理人が語ったようにイタリアサッカーの敗北を意味する。

結局ヴェラッティは12億円ほどで移籍。逸材とはいえ、セリエAでもプレー経験のない10代の選手にこれだけの金額が支払われるのは異例だった。しかし、それは同時にPSGの本気の高さの表れでもあった。

なお、その半年後にはインテルナツィオナーレ・ミラノから、フィリペ・コウチーニョ選手がリヴァプールFCに移籍している。かくして、イタリアからは2人の逸材が国外へ流出してしまった。

ヴェッラッティのプレースタイルとPSGの強さ

ヴェッラッティの移籍前後のシーズンでは、PSGは積極補強を毎年のように敢行していた。顔ぶれは毎年豪華になっていき、2012-16シーズンまでリーグ4連覇を成し遂げた。

PSG移籍後のヴェッラッティは、コンバートされた時と同じように中盤の底や、機を見てもう少し高い位置へ飛び出してプレーするようになった。
ヴェッラッティの持ち味はたくさんあるのだが、視野の広さとパスセンスの高さが重要だろう。

PSGの前線にはズラタン・イブラヒモヴィッチ選手やエディンソン・カバーニ選手といった優れたストライカーがいるのだが、彼らはどちらかといえば守備には参加せず、常に前でボールを待つタイプの選手だ。中盤に下りてくることが少ないため、彼らのすぐ近くに正確で速いボールを出さなくてはならない。
ヴェッラッティは広い視野で彼らの位置を把握するだけでなく、彼らがどこに向かおうとしているのか、彼らがどこでボールを受ければゴールに繋がられるのかをいち早く察知できる。そして察知した瞬間に長短どちらのパスも、正確で速く出すことができる。

また、中盤の底においては、豊富な運動量と足元の柔らかさを活かし、ボールの奪取と持ち運びも得意とする。早い話、中盤であれば何でもできるのがヴェッラッティだ。ちなみに身長は165cmしかないのだが、プレスに関してはどんな大きな選手に対しても激しくぶつかっていく。

彼のような司令塔がチームに1人いることで、攻撃も守備も質は数段上がるのは間違いない。小柄でも高い技術を誇る彼のプレースタイルを称して、彼は「小さなフクロウ」と呼ばれる。

アンドレア・ピルロとの比較、伝説的な先輩に続け

ヴェッラッティは司令塔としてのプレースタイルだけでなく、その境遇からアンドレア・ピルロ選手(以下、敬称略)と比較されることがある。ピルロも司令塔として優秀な選手だったが、ヴェッラッティ同様にトップ下からボランチの位置へコンバートされている。
これには、ヴェッラッティ同様に何でもできるという理由もあるが、フィジカルの弱さもコンバートの理由になっていたようだ。

両者はとてもよく似ている。ヴェッラッティの力をもってすれば、すでに伝説的となったピルロに匹敵するだけの実力と名声を得ることもできるだろう。

しかし、ヴェッラッティには少々落ち着きがない。どんな選手にもボールを奪取しようと果敢に向かっていく姿勢は評価できるのだが、イエローカードをもらう回数が多過ぎるからだ。その確率は3、4試合に1枚。イエローカードの累積すれば出場停止処分をもらってしまうため、これはいただけない。
ケガの多さも気になるところで、コンディションの調整にもう少し気を配るべきだろう。

移籍の破談!ヴェッラッティの移籍は実現するのか

2017年夏の移籍市場では、ヴェッラッティの移籍報道が熱を帯びた。彼自身がバルセロナFC(以下、バルセロナ)への移籍をPSGの幹部に直談判し、「パリには戻りたくない」と伝えたからだ。

事実、バルセロナはヴェッラッティ獲得に向けて動いていた。シャビ・エルナンデス選手のいなくなった中盤には穴が開いたままで、彼と同じようにボール配給に秀でた選手を探していたからだ。また、ネイマール選手を放出したことで資金力にも余裕があったはずのバルセロナは、ヴェッラッティの獲得も容易にできたはずだった。

だが、PSG側が頑として首を縦に振らず、とうとうヴェッラッティの移籍は実現しなかった。しまいにはヴェッラッティが謝罪動画をクラブの公式SNSで公開することになり、「PSGに残留する」と明言。こうして騒動は幕切れとなった。

しかし、どうだろうか。ヴェッラッティがフランスから出たがっているのは明白になってしまった。PSGはCLなどの国際舞台でタイトルが獲れておらず、ヴェッラッティはそのことに満足していないのではないだろうか。もはやバルセロナに行くしか、彼がもうワンランク上の選手になれる手段はないのではないか。

思えばピルロもそうだった。ACミランで満足いくプレーと待遇に恵まれなかったがゆえに、ユヴェントスに移籍しクラブに欠かせない象徴的な選手となった。このレジェンドと同じ道をヴェッラッティが歩まないとは限らないだろう。
行き先はバルセロナであれば本人にとってベストだが、かつて関心を持ってくれていたユヴェントスでもよいのかもしれない。

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