支配率の意味と計算法
サッカー日本代表の試合をテレビ中継をしていたため観ていたが、実況アナウンサーの言う支配率の意味がわからなかった、そんな経験はないだろうか。支配率が高ければ強いチームのようにもみえるが、そう単純ではないのがサッカーの醍醐味だ。ここでは、そんな支配率の意味や勝利との関連性を解説したい。
支配率はボールポゼッションとも表現され、一方が試合時間のうちどれだけボールを保持していたかを示す指標である。つまり、50%であればそれぞれが同じ時間ボールを保持していたことになり、極端に表現すると100%なら一方がずっとボールを保持し続けていたことになる。
しかし、サッカーはずっとドリブルをし続けるわけではない。パスやセンタリングなど、ボールが人から離れていることもある。この場合、パスが成功している間はそのチームの支配率にカウントされる。
支配率が高いということは、チーム内で細かなパスを通し、ボールを保持できている場合が多く、試合を優位に運びやすい。そのため、ボール支配率を上げることがチームの勝率を上げることにつながると考える指導者も多い。
高い支配率で魅了したバルセロナ
ボール支配率が高いことで有名なのが、スペインのラリーガのFCバルセロナだ。サッカーに詳しくない方でも、天才プレイヤー・メッシの所属するチームといえばイメージが湧くのではないだろうか。
バルセロナは圧倒的なパス数とボール支配率を誇ることで有名であり、最高峰ヨーロッパチャンピオンズリーグで何度も優勝している。その華麗なスタイルから、「美しいサッカー」と表現されることもある。
高い支配率は万能ではない
FCバルセロナやスペイン代表が頂点に君臨していた時は支配率がもてはやされていた。しかし、その流れに疑問符が打たれ始めている。
2010年代前半は、支配率の高いチームが勝ちを重ねる傾向があったが、近年圧倒的支配率をもってしても敗退する例が増えている。例えば、ボール保持が目的化したり、点取屋が不在であれば勝ちにはつながらない。相手のカウンター一発で敗れるケースもあるのだ。
最近ではボール支配のデメリットがわかっているし、そもそもパスの出し所がなくて持たされているだけでも支配率は数字上高くなる。
しかし、かつてのFCバルセロナやスペイン代表がみせたように、美しいサッカーにはボール支配が欠かせない。これからも、サッカーにおける支配率の上昇は目的の一つであり続けるのではないだろうか。