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ピサーロ、トッティ、ジーコ…各リーグの最年長得点記録保持者は

2019 2/24 07:00橘ナオヤ
クラウディオ・ピサーロ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

最年長得点記録更新

先日2月16日、ヴェルダー・ブレーメンのFWクラウディオ・ピサーロが決めたゴールが、ブンデスリーガ最年長得点記録を更新した。第22節ヘルタ・ベルリン戦、後半アディショナルタイムに決めた劇的な同点弾は、40歳136日でのゴール。実に22年ぶりの記録更新となった。

どのリーグでもこうしたメモリアルゴールは、記録だけではなく人々の記憶にも強く刻まれる。各国リーグの最年長得点の記録を揃えてみたが、いずれも偉大な名選手ばかり。リーグ第18節に生まれたゴールが多いという、不思議な偶然も見つかった。(2019年2月21日現在)

ブンデスリーガ

記録保持者:クラウディオ・ピサーロ(FW、ブレーメン)
年齢:40歳136日
試合:2018-19シーズン第22節ブレーメン対ヘルタ・ベルリン

元ペルー代表のピサーロは1999年にブレーメンに加入して以来、2007年にチェルシーに移籍した期間を除いて20年近くブンデスリーガでプレーを続けている。ブレーメンとは縁が深く、4度復帰している。バイエルン・ミュンヘン時代には数多くのタイトルを獲得。

セリエA

記録保持者:アレッサンドロ・コスタクルタ(DF、ACミラン)
年齢:41歳25日
試合:2006-07シーズン第18節ミラン対ウディネーゼ

その記録は、ミラン一筋で戦った男のキャリア最終盤に生まれた。PKを獲得したミランは、シーズン限りで引退を発表していたコスタクルタをキッカーに指名。彼が決めたゴールは、彼にとって実に15年ぶりのゴールだっただけでなく、1954年2月にシルヴィオ・ピオラが決めた40歳6カ月9日を塗り替え、セリエA最年長ゴールとなった。引退後はコーチや解説者を経て、2018年からはイタリアサッカー連盟の副会長を務めている。

プレミアリーグ

記録保持者:テディ・シェリンガム(FW、ウェストハム・ユナイテッド)
年齢:40歳268日
試合:2006-07シーズン第18節ウェストハム対ポーツマス

06-07シーズンのボクシングデー(12月26日)に行われたポーツマス戦で、シェリンガムが記録したのがプレミアリーグ最年長ゴール。90年代にトッテナムやマンチェスター・ユナイテッドで活躍したストライカーで、ユナイテッドでは3連覇に貢献。32シーズンにわたり現役でプレーし、イングランド代表としてワールドカップに2度出場。

リーガ・エスパニョーラ

記録保持者:ドナト(DF、デポルティーボ・ラ・コルーニャ)
年齢:40歳20日
試合:2002-03シーズン第18節デポルティーボ対アスレティック・ビルバオ

“スーペル・デポル”と呼ばれる黄金期を支えた名選手の一人であるドナト・ガマ・ダ・シウバ。キャリア晩年の02-03シーズン、ビルバオ戦の後半5分に決めたヘディングシュートは、この試合の決勝点になった。それだけでなく、43年前の1960年にバルサの伝説的選手セサルが決めたゴールを更新し、リーガ最年長得点に。それから16シーズン経ったいまも、ドナトのカベサッソ(ヘディングゴール)の記録は破られていない。

リーグ1

記録保持者:ロジャー・クルトワ(FW、トロワAC)
年齢:44歳4日
試合:1955-56シーズントロワ対サント=サヴィーヌ

フランスのリーグ1の最年長得点記録は長らく破られていない。詳細は不明だが、1956年6月3日にスイス生まれのフランス人ストライカーであるロジャー・クルトワが、フリーキックで記録したものだということだ。クルトワはワールドカップ1934年イタリア大会と1938年フランス大会で、フランス代表としてプレー。引退後、古巣トロワやASモナコで指揮を執った。

J1

記録保持者:ジーコ(MF、鹿島アントラーズ)
年齢:41歳105日
試合:1994前期シリーズ第22節ジュビロ磐田対鹿島アントラーズ

“神様”と呼ばれ、草創期のJリーグで鹿島をけん引したジーコ。94年前期最終戦となった6月15日のジュビロ磐田戦の前半21分に決めた追加点は、25年経った今も破られることなくJ1最年長ゴールとして記録されている。 ちなみに横浜FCの三浦知良は2017年、50歳14日でゴールを決めているが、こちらはJ2でのものだ。カズのゴールは、プロリーグで得点した最年長フットボーラーとしてギネス記録として認定されている。

UEFAチャンピオンズリーグ

記録保持者:フランチェスコ・トッティ(FW、ASローマ)
年齢:38歳59日
試合:2014-15シーズン グループE第5戦CSKAモスクワ対ローマ

CLの記録はローマの偉大な“王子”が保持している。そのゴールは、11月25日のグループステージCSKAへの制裁で無観客試合となったモスクワ(ロシア)のアレナ・ヒムキでの試合で生まれた。前半終了間際に叩き込んだ強烈なフリーキックで、最年長ゴール記録を更新。トッティが破った過去の記録とは、なんと2ヵ月前に自身が決めたマンチェスター・シティ戦での同点ゴールだった。

ワールドカップ

記録保持者:ロジェ・ミラ(FW、カメルーン代表)
年齢:42歳と39日
試合:1994年アメリカ大会グループB第3戦ロシア対カメルーン

ミラはカメルーンの伝説的ストライカーとして、フランスリーグを中心に活躍した。94年大会の時には既に40代。一線級の力は残っていなかったが、大統領の依願もあり代表招集に応じた。ロシア戦は、勝てばグループリーグ突破の可能性が残っていたものの、ロシアのサレンコに前半だけでハットトリックを決められてしまう。巻き返すべく後半開始からピッチに立ったミラは、直後の46分にゴールを決め、最年長ゴール記録を更新した。42歳39日という記録は最年長であるとともに、唯一の40代での得点でもある。