開催国ロシアはグループA!注意すべきはウルグアイか
開催国であるロシアは、サウジアラビア、エジプト、ウルグアイと同居するグループAに入った。ロシアは開催国の特権で予選無しでのワールドカップ出場であり、そのコンディションの向上には若干の不安が残る。
そういった意味では、グループAで対戦する国々の顔ぶれはロシアにとってはありがたいものだったかもしれない。最も注意すべきは間違いなくウルグアイだろう。ルイス・スアレスやエディンソン・カバーニらを擁するウルグアイの攻撃は苛烈そのもので、一瞬の油断が命取りとなる。
逆に絶対に勝たなくてはならないのは、サウジアラビアだ。2017年12月末時点でのFIFAランキングはロシアが64位、サウジアラビアは1つ上の63位であり、ランキング上ではその強さはほぼ同じと受け取れる。
ちなみにウルグアイは21位、エジプトは31位であるから、やはりロシアはサウジアラビアに勝っておかなくてはグループステージの突破は難しい。もちろん、データだけでは語れない展開が起こる。そこがサッカーの面白さでもある。
ロシアが戦うグループAの日程を確認
それではここでロシアが戦うことになるグループAの日程を確認しておこう。なお、開催日時は変更のおそれもあるので、開催直前にはよくご確認いただきたい。
- 6月15日開催 日本時間 0:00キックオフ ロシアVSサウジアラビア
- 6月15日開催 日本時間 21:00キックオフ エジプトVSウルグアイ
- 6月20日開催 日本時間 3:00キックオフ ロシアVSエジプト
- 6月21日開催 日本時間 0:00キックオフ ウルグアイVSサウジアラビア
- 6月25日開催 日本時間 23:00キックオフ ウルグアイVSロシア
- 6月25日開催 日本時間 23:00キックオフ サウジアラビアVSエジプト
開催国のロシアの初戦はFIFAランキングでほぼ同位置につける、サウジアラビアとの一戦だ。
エジプトが掴んだ悲願のワールドカップとモハメド・サラー
エジプト代表にとってロシアでのワールドカップは夢の舞台だった。前回の出場は28年前。実に7大会も前の話である。
アフリカでの予選大会で苦戦を強いられたエジプトだったが、第5節のコンゴ共和国との一戦で夢のチケットを手にすることになる。プレミアリーグのリヴァプールFC(以下、リヴァプール)でも活躍するエース、モハメド・サラーが終了間際にPKを沈めたのだ。
その瞬間スタジアムは大いに沸き、観客がピッチになだれ込みそのまま試合終了。その喜びを噛み締めた。
元々はチェルシーFCやASローマを経てのリヴァプール加入となったサラーだったが、ここにきて彼のキャリアはノリに乗り始めている。彼の活躍には、ウィンガーの不調にあえぐレアル・マドリードCFも注目するほどだ。
この絶好調の波が、ワールドカップそしてその後も長く続くことを願いたい。
日本とも対戦したサウジアラビア!監督退任とそのビジョン
今大会でのロシアとの対戦だけでなく、今まで日本との対戦経歴もあるサウジアラビア。彼らは3大会ぶりのワールドカップとなるが、出場を決定した裏ではファン・マルバイク監督の退任が進められていた。
このオランダ人監督はサウジアラビアの若い選手を取りまとめ、流動的かつ攻撃的なビジョンのあるサッカーを展開。見事な手腕でワールドカップへの出場を決めたのだが、その直後からマルバイク監督にはある”邪魔”が入ってしまう。
彼の功績を讃える一方で、サッカー協会はサウジアラビアへの永住を求めていたのだ。結果的に監督のビジョンはサウジアラビアでの永住と指揮の続投はなく、惜しまれつつも退任を決定してしまう。
退任から10日以内には
ワールドカップの開幕まで時間はあまり残されていない。ピッツィ監督はマルバイク監督らのビジョンを引き継ぐことができるのだろうか。
強いウルグアイと開催国ロシアのスモロフ
グループAの突破の大本命はやはりウルグアイだ。ウルグアイ以外の3ヶ国にも1位突破の可能性がないわけではないが、戦力的に見てもこれまでの実績から見てもウルグアイが確実視されている。
前述のスアレスやカバーニといった世界最高峰のストライカーを擁していることに加え、コパ・アメリカなどの国際舞台での躍進も素晴らしい。
※2011年大会までにウルグアイはコパ・アメリカを15回優勝。2018年時点においても最多の優勝回数を誇っている。
こういった成功の積み重ねによる自信は、ウルグアイのメンバー達を勇気づけるだろう。では、2位突破がどこになりそうかというと、これは予想が難しい。
できることなら開催国であるロシアが突破を決めるのが画的には良いのだが、サウジアラビアやエジプトが簡単に敗れるとも思えない。エジプトのサラーの存在も怖いところだ。
しかし、ロシアにはヒョードル・スモロフという素晴らしいストライカーがいる。ロシアリーグではFCクラスノダールに所属し、2015-16シーズンは29試合で20得点、2016-17シーズンには22試合で18得点と安定した成績を残している。
母国で開催されるワールドカップは彼にとって最高の舞台であり、国民のヒーロー的存在だろう。彼にかけられる期待には並々ならぬものがあるに違いない。