スペイン指折りのストライカーはアメリカへ、ダビド・ビジャ
スペインが生んだ点取り屋のなかでも、1981年12月3日生まれのダビド・ビジャ選手(以下、敬称略)の存在はとても偉大だ。代表でのキャップ数は97試合で、得点数は59。2位のラウール・ゴンザレス氏の44に大差をつけ、歴代最多の得点記録となっている。
ビジャの持ち味は、両足を器用に扱えることだ。体勢が多少崩れているような局面でも、ボールの芯をとらえ美しいシュートを放つことができる。彼の繊細なシュートはFKでの得点力にも活かされており、試合を決定づけるシーンを随所で生んだ。トップの位置でもWGの位置でもプレーできる適応力を持つ優れたFWだ。
2010年の夏にはFCバルセロナ(以下、バルセロナ)に加入し、バルセロナのアイドルとなりつつあったリオネル・メッシ選手(以下、敬称略)らと素晴らしい攻撃陣を形成した。彼の着用した背番号7のユニフォームは、これまでにルイス・フィーゴ氏、ハビエル・サビオラ氏といった優れた選手が着用してきたが、ビジャの7番もまた価値のあるものとなった。
バルセロナ退団後はアトレティコ・マドリードを経て、2014年夏にアメリカのニューヨーク・シティFCへと移る。当時のMLSは多くのレジェンド級の選手を迎えていたが、ビジャもそんなMLSの人気を高める重要なファクターとして活躍を続けている。
2017年8月には、ニューヨーク・レッドブルズとの試合である「ハドソン川ダービー」に出場し、ハットトリックを達成。3ー2の勝利に大いに貢献した。
スペインが生んだ偉大なストライカーのゴールセンスは健在だ。
コートジボワールの英雄!ディディエ・ドログバ
コートジボワール代表のエース、そして同国の英雄として知られるのが1978年3月11日生まれのディディエ・ドログバ選手(以下、敬称略)である。彼はコートジボワールで度々発生している内戦に対し、停戦を呼びかけるなどして実際にそれを成功させている。ピッチ内外で様々な活動に熱心な彼は、サッカー選手のなかでも極めてリスペクトされている選手の1人だ。
ピッチでは、長年チェルシーFC(以下、チェルシー)のエースとして活躍し、同クラブのレジェンドでもある。「重戦車」の愛称で知られる、力強いドリブルと強烈なシュートの数々は、いくつものタイトルを手繰り寄せてきた。強靭なフィジカルと機を見た抜け出し、相手DFの一瞬の隙を逃さない洞察力、彼にはFWに欠かせないスキルがいくつも備わっていた。
2011-12シーズンの決勝FCバイエルン・ミュンヘンとの一戦では、1点ビハインドの状況でPK戦へと持ち込むヘディングシュートを決め、そのPK戦でも最後のストライカーを務め優勝を手にした。チェルシーには2度在籍し、2015年夏からはアメリカへ。
2017年3月には、アメリカの3部リーグのフェニックス・ライジングに移籍。1978年生まれの彼はこのフェニックス・ライジングと3年間の契約を交わした。なお、この3年のうち選手としてプレーするのは1年で、2年目からはスポーツディレクターとして働くことになるようだ。
多方面で影響力を持つドログバは、スポーツディレクターとしてのキャリアも実りあるものになるのではないだろうか。
カメルーンの黒ヒョウは今も走る、サミュエル・エトオ
カメルーン代表では、1981年3月10日生まれ、「黒ヒョウ」や「黒い宝石」の愛称で知られるサミュエル・エトオ選手(以下、敬称略)が活躍した。サッカーの強豪国ではないカメルーンだったが、その代表においてエトオは115試合で56もの得点を挙げた。
FWは独力で得点を積み上げられることに越したことはないが、やはり味方からのサポートによる得点も重要だ。しかし、エトオはそのサポートにあまり期待できない状況下でいくつもの得点を生んだ。彼の得点力はカメルーンはおろか、アフリカ大陸で生まれた歴代FWのなかでもトップクラスといえる。
繊細でスピード感のあるドリブルは、ボールの動きを阻害することなく、スルスルと前線への攻め上がりを可能にした。そしてゴール前での冷静なフィニッシュは、獲物を仕留める黒ヒョウの姿そのもので、彼の愛称は伊達ではないことを証明していた。
彼のキャリアにおいては、バルセロナやインテルナツィオナーレ・ミラノでの活躍が著名だが、意外にもレアル・マドリードCFのユース出身というのだから驚きだ。
その後もいくつもクラブを転々としているが、彼に寄せられる期待は今でも大きい。「この試合をものにするゴールを決めてくれ……」。黒ヒョウ、エトオにはいつもそんな願いが寄せられていることだろう。
バスク純血主義の旗頭!アリツ・アドゥリス
1981年2月11日生まれのアリツ・アドゥリス選手(以下、敬称略)の所属する、アスレティック・ビルバオ(以下、ビルバオ)は、「バスク純血主義」を掲げる特殊なクラブだ。
所属する選手は皆、基本的にはバスク地方の出身者で固められており、サポーターたちと強い結びつきがあることで知られる。
そんなバスクの選手たちの旗頭的存在なのが、アドゥリスだ。アドゥリスは同クラブのユース出身者で、その後いくつかのクラブを転々とするがビルバオには度々復帰を果たしている。
トップの位置でボールを受けると、優れたボールキープ力を発揮し得点を量産してきた。点で合わせることにも長け、味方からのクロスにヘディングで合わせることも得意だ。
普通、FWの選手が年を取っていくと得点数は減っていくものだが、彼の得点力は衰えることを知らず、2015-16シーズンにはキャリアハイの記録である20得点を記録した。
『大器晩成』
彼にはこの言葉がよく似合う。
日本のレジェンド中のレジェンド!三浦知良
三浦知良選手(以下、敬称略)は、日本が生んだレジェンド中のレジェンドだ。「キングカズ」の愛称は、日本国民の多くが知るところで、日本で最も知られているサッカー選手といっても過言ではない。
1967年2月26日生まれの彼は、日本のみならず世界の現役プロサッカー選手において最年長だ。ブラジルで武者修行を積み、Jリーグや日本代表でのプレー経験も豊富だ。Jリーグ創成期、ヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ1969)の黄金時代も彼が一役を担っていた。
プロモーション活動やフットサル日本代表としてのプレーなど、サッカー以外の活動にも意欲的で、今後の現役続行はもちろんのこと、その後のキャリアにも注目が集まっている。
しかし、願わくば「生涯現役」。そんな願いを寄せているサポーターも多いのではないだろうか。仮にピッチに立つことが無くなったとしても、コーチやフロントとしての活躍に期待したいところだ。