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東北を代表する伝統校、岩手県立遠野高校サッカー部

2017 5/15 09:56Aki
サッカー
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出典 SumanBhaumik/Shutterstock.com

全国高等学校サッカー選手権の出場回数は岩手県最多の26回を誇る伝統校、岩手県立遠野高等学校サッカー部。2008年以降厳しい戦いが続いていた岩手県勢復活を狙う伝統校を紹介する。

堅守をベースにした東北屈指の伝統校

1960年の第39回全国高等学校サッカー選手権(高校サッカー選手権)で岩手県勢初のファイナリストとなり準優勝を飾り、1968年の第48回大会、2005年の第84回大会ではベスト4入りを果たした東北屈指の伝統校である、岩手県立遠野高校サッカー部。
遠野は岩手県内ではサッカーの盛んな地域として知られており、東日本大震災で大きなダメージを受けた2011年には遠野中学校サッカー部、小学生のクラブチームヴァレンテとおのと合わせて小学生から高校生までの3チームが全国大会に出場するという快挙を達成している。
その中でも遠野高校サッカー部は、堅守をベースに縦に速い攻撃でゴールを狙うスタイルで躍動するチームだった。

大きな注目を集めた2005年大会にベスト4進出

近年最も輝かしい成績を残した高校サッカー選手権は2005年の第84回大会だ。この大会は現在スペインリーグで活躍する乾貴士選手擁する野洲高校が優勝を果たし大きな話題となった大会でもあるが、遠野高校は松田光弘監督の下で4年ぶりの高校サッカー選手権出場を果たした。
遠野高校サッカー部はこの大会で東福岡高校や立正大淞南高校など全国屈指の有名校を破りベスト4に進出。当時の立正大淞南高校では、現在北海道コンサドーレ札幌でプレーする金園英学選手もプレーしていた。
2017年現在の遠野高校は、長谷川仁監督の下で2013年の第92回大会以降、4大会連続出場中だ。

堅守のイメージを変えた2016年のチーム

大きな注目を集めた2005年第84回大会のベスト4進出を果たしたチームが堅守速攻のチームだったため、遠野高校=堅守というイメージが強いのだが、昨年4大会連続高校サッカー選手権出場を決め、久々に初戦突破を達成したチームはそのイメージを覆す攻撃的なチームだった。
それを象徴する試合となったのは岩手大会の決勝戦となった専修大学北上高校戦。試合は先に2失点をする難しい試合となるが、その後5得点を奪い5-2で逆転勝ちした。
佐々木琢光選手と阿部亮太選手の全国クラスの破壊力を持つ2トップがゴールを重ねるチームは、高校サッカー選手権本大会でも久々の初戦突破を果たす。

昨年躍動した阿部亮太選手、佐々木渓人選手が最上級生に

2016年の攻撃を支えた阿部亮太選手は、今年3年生となりチームを引っ張る立場に。
今年は背番号10を背負い、4月8日から始まった高円宮杯U-18プリンスリーグ東北でも、開幕戦で早速ゴールを決めるなど活躍を見せるアタッカーは、上背はないものの、鋭いドリブル突破から見せる左足の精度が抜群だ。シュートだけでなくスルーパスのセンスにも非凡なものを感じさせ、さらにセットプレーのキッカーとしても期待が集まる。
また同じく最上級生となった、昨年の岩手大会決勝で勝ち越し弾を決めたチャンスメーカー佐々木渓人選手にも期待が集まっている。

ブレイクが期待される2年生、立花健斗選手

2017年、遠野高校でブレイクが期待されるのが2年生の立花健斗選手だ。
昨年、地元岩手国体では、16歳以下の選手からなる岩手選抜少年男子のチームにおいて背番号10を背負った期待のアタッカーは、今年のチームでは昨年阿部選手がつけた11番を背負うことに。
まだまだ線が細く、身体の強さで抑え込まれる試合もあるが、抜群のスピードから繰り出されるトリッキーなフェイントで相手を切り裂く、左利きのドリブラーは、今後注目を集める存在であることに間違いない。

まとめ

2017年4月8日から始まった高円宮杯U-18プリンスリーグ東北でいよいよ動き出した岩手県立遠野高校サッカー部の新チーム。昨年のチームには主力選手の中に2年生も多くいたので今年のチームにはさらに期待が集まる。