ワールドカップのプレ大会、コンフェデレーションズカップ
前身のキング・ファハド・カップから数えて10回目となるFIFAコンフェデレーションズカップ。2005年の第7回大会以降はワールドカップのプレ大会として4年に1度、翌年のワールドカップを開く国で開催することになっています。
第10回FIFAコンフェデレーションズカップ2017とFIFAワールドカップ2018のホスト国はロシアです。
現在、2018年のワールドカップに向けて多くのスタジアムを新設しており、今回のコンフェデレーションズカップではそのうちの4会場で開催を予定しています。開幕戦は黒川紀章氏が設計し、新ホームスタジアムでもある、ゼニト・サンクトペテルブルクのクレストフスキー・スタジアムです。決勝は2014年からスパルタク・スタジアムの本拠地として使用されているオトクリティ・アリーナで開催されます。
ユーロ2016の惨敗後、チーム再建のロシア
自国開催のため予選通過のロシアは、この4年間の代表戦を1つも無駄にすることができません。
ブラジルワールドカップ終了後、ユーロ予選で成績が振るわず本大会出場が危ぶまれる状態となり、ファビオ・カペッロ監督が退任。後任にはCASKモスクワの監督も務めるレオニード・スルツキー氏が就任。
すると自ら率いるCSKAモスクワのベテラン選手やカペッロ氏からは冷遇されていたゼニト・サンクトペテルブルクのストライカー、アルテム・ジューバ選手を起用する布陣がピタリとはまり、スルツキー監督就任後は怒涛の4連勝で本大会ストレートインを決めます。
しかし、本大会では1勝もできずグループ最下位となり、スルツキー監督も退任。後任としてポーランド1部のレギア・ワルシャワで指揮を執っていたスタニスラフ・チェルチェソフ氏を就任させ、チームの再建を図ることになりました。
チェルチェソフ監督就任後のロシア代表をチェック
チェルチェソフ監督が就任後、2016年に行われたフレンドリーマッチは5試合、初戦のトルコ戦では引き分け、その後ガーナとルーマニアに勝利、コスタリカとカタールに敗戦と2勝1分2敗となっています。
特徴的なのが、この5試合中3試合で3バックを採用していることです。カペッロ監督、スルツキー監督時代は一貫して4バックを採用していましたが、チェルチェソフ監督就任初戦のトルコ戦、そして直近2試合のカタール戦、ルーマニア戦で3バックを採用。前線の組合せは1トップ、2トップを含めてさまざまなバリエーションを試しているようですが、3バックという形も今後増えていくかもしれません。
世代交代を勧めるチェルチェソフ監督
ユーロで敗退したロシア代表はベテランが多いチームでもありましたが、ロシアのファンタジスタ、ロマン・シロコフ選手が現役引退。ロシア代表史上最多キャップを誇る37歳のセルゲイ・イグナシェビッチ選手が外れることに。ロシア代表は世代交代を進めることになります。
その中でチェルチェソフ監督就任後、5人の選手が代表デビュー。ロシア・プレミアリーグで躍進を見せ、今シーズン初めてUEFAチャンピオンズリーグ本大会に出場したFCロストフからフョードル・クドリャショフ選手、アレクサンドル・エロヒン選手が代表デビューし、また、カペッロ監督時代に2試合だけ出場したことがあるドミトリ・ポロズ選手の代表復帰で新たな風を吹き込みました。
ロシア代表の注目選手
現在キャプテンを務めるのが18歳で代表デビューを果たし、CSKAモスクワで本田圭佑選手とチームメイトだった守護神イゴール・アキンフェエフ選手。現体制となった当初はベテランのバシリ・ベレズツキ選手がキャプテンとなっていましたが、直近3試合では代表から離れ、アキンフェエフ選手がキャプテンマークを巻いています。
中盤で存在感を見せているのが23歳の新生ロマン・ゾブニン選手と、数少ないベテランとなったドリブラー、アレクサンドル・サメドフ選手。ゾブニン選手は現体制で最も出場時間が長く、中盤のセンターの中心選手に成長。サメドフ選手は近年スーパーサブ的な起用がほとんどでしたが、現体制では全試合に先発出場を果たしています。
まとめ
自国開催のワールドカップに向けて戦う新生ロシア代表。
コンフェデレーションズカップはプレワールドカップとして会場や大会運営のテストでもありますが、ロシア代表にとっては大切な公式戦。
ポルトガル、ニュージーランド、メキシコと同組となるロシア代表が、どのような戦い方を見せるのかに注目です。