18歳未満の選手の国際移籍は原則禁止
最初に理解しておかなければいけないのは、18歳以下の選手の国際移籍はFIFAのルールにより原則禁止されているという事だ。
人身売買的な移籍につながりかねないという事から、2001年FIFAは若手選手の青田買いを規制した。制定後しばらくは有名無実化していたこの規定だったが、2013年に厳しく適用されることとなり、バルセロナの下部組織でプレーしていた久保健英選手が帰国を余儀なくされた。
現在、FIFAの規定により18歳以下の日本人選手が海外移籍をするためには、両親がサッカー以外の理由で転居した場合のみに限られている。
つまり三浦知良選手が15歳で単身ブラジルに渡ったような、18歳以下の選手がサッカーのみを目的とした長期留学という形は、現在のサッカー界で取ることはできなくなっているのだ。
まずは2週間程度の短期留学がおすすめ
サッカーのみを目的とした長期留学が出来なくなった現在は、サマーキャンプやウィンターキャンプ、練習参加といった2週間程度の短期留学がおすすめだ。
将来的に長期的にプレーする事を目標としていたとしても、まずは現地に行って実際にプレーしたりコーチから評価を受けることで、自分自身のプレーだけでなくメンタルが海外挑戦にふさわしいものか確かめることができる。この経験で自信を持つことができたら、具体的に長期でプレーする事を検討してみてもいいだろう。
現在は、短期留学を紹介・斡旋している業者も多数ある。
国により選手に求める資質が異なる
サッカー留学先として人気の国といえば、やはりスペイン、ドイツ、イタリア、イングランド、ブラジルなどのサッカー強豪国だろう。国によって選手に求められている資質が異なるのがサッカーの面白いところだ。
例えばイングランドであれば技術やスプリント能力、イタリアであれば技術に加えフィジカルの強さなどが求められる。
この中でも少し特殊なのがスペインだ。スペインのサッカーといえばテクニックが重視されている印象があるが、実際最も重要視されているのは戦術理解力である。その為、もしスペインに行くのなら、できればゴールデンエイジと呼ばれる12歳ぐらいまでには短期滞在でもよいので留学を体験しておいた方が良いと言われている。
それぞれの国によって環境も異なる
環境もそれぞれの国によって大きく異なる。
古くからクラブによる選手育成に定評があるスペイン、そしていち早く国立育成機関を作り上げたフランスが育成環境の良さでは知られているが、近年そこに入ってきたのがドイツだ。
サッカー協会全体で育成に取り組むようになり、現在ブンデスリーガのクラブは各クラブに育成のスペシャリストを所属させなければいけないというシステムを取り入れている。
またドイツにはアマチュアリーグを含めると11部までのリーグが存在するため競技の裾野が広く、例えば4部~6部から代表チームのエースストライカーに駆け上がったミロスラフ・クローゼさんのような例もある。
サッカー留学の理想的な年齢は?
サッカー留学をするにあたって理想的な年齢は、やはりゴールデンエイジと言われる12歳ごろまでだ。この年代は運動能力が急速に発達する“育成のスイートスポット”とも言われる年代で、この時期に得た能力次第でその後のサッカー人生が大きく左右されると言われている。そのため、海外のトップリーグでトッププロとして活躍するための基礎を作るのに最も適した時期と言えるのだ。
しかし海外留学で何を目的にするかによっては、それ以外の年齢でも十分価値がある。
特に海外の厳しい環境に対してオープンな気持ちを持つ事ができるのなら高校年代以降でも十分だ。日本では得られない経験が海外にはある。
まとめ
海外での生活は決して甘いものではない。当然プロになれない可能性の方が高く、言葉の壁は大きく孤独感を味わう事も多いだろう。これを乗り越える事ができるメンタルを持つことができるかどうかが、サッカー留学にとって大きなポイントとなるようだ。